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『改めてデフレを知ろう①』三橋貴明 AJER2016.11.29

https://youtu.be/yJCBGtoreh4

    

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 WiLL 1月号 に連載「反撃の経済学 アメリカを第一に」が掲載されました。


 わたくしたちは、税金を「所得」から支払います。そして、所得の合計が名目GDPです。そのため、名目GDPと税収は、強い相関関係にあります


 名目GDPが増えれば、租税収入も増えます。名目GDPが減れば、租税収入も減ります。

 さらに、円安はグローバルに外貨を稼ぐ企業の「円建て収益」を嵩上げします。円建て収益が増えれば、当然ながら法人税も増加します


 逆に言えば、デフレで名目GDPが減り、円安に歯止めがかかれば、税収は減少する可能性が濃厚というわけです。為替の影響で注意しなければならないのは、円安が法人税の増収をもたらすためには、
「常に、前年より円安が進まなければならない」
 という点です。


 ある年で、1ドル120円の円安になり、法人税収が増えたとします。翌年も1ドル120円では、法人税収は「前年と同じ」つまりは増えないのです(※輸出量一定の前提)。為替レートの影響で法人税収が増え続けるためには、「常に円安方向」に為替が動かなければなりません


 円安にストップがかかるだけで、為替レート変動による法人税の増収は終わります。


税収前年割れ アベノミクス失速鮮明…法人税が減少
http://mainichi.jp/articles/20161202/k00/00m/020/149000c
 2016年度の国の一般会計税収が、法人税収の減少を主因に、7年ぶりに前年度実績(56兆2854億円)を下回る見通しとなった。安倍晋三政権は、税収増を追い風に経済政策「アベノミクス」を推進してきたが、税収減はその転換点となりそうだ。(後略)』


 2016年度上半期の税収は、対前年比4.8%減少となっています。ちなみに、法人税のみならず、消費税や所得税も減っています。


 2014年4月に消費税を増税し、円安効果もあり、一般会計税収は15年度に56.3兆円まで拡大しました。とはいえ、円安がストップし、物価も低迷。消費税増税の影響で、内需が拡大しない状況が続いており、日本経済は名目GDPが伸びにくくなっています。


 名目GDPが増えなければ、税収も増えません

 1997年、橋本政権は消費増税、公共投資削減という緊縮財政を実施。日本経済はデフレに突っ込みました。名目GDPの縮小が始まります。


 結果的に、税収は97年の53.9兆円から、98年には49.4兆円、99年には47.2兆円に減ってしまいました。増税したにも関わらず、減収になった、のではありません増税により日本経済がデフレ化したため、税収が減ってしまったのです。


 2014年4月に消費税が増税され、正直、2015年度から橋本政権期同様の減収が始まるのではないかと思っていました。現実には、円安効果で減収が2016年度に「先送り」されたようですが、日本経済がデフレに舞い戻りつつある以上、税収が減るのは必然なのです。


 怖いのは、政府の減収を受け、
「だから、歳出削減が必要だ! 増税も必要だ!」
 と、緊縮財政が推進される可能性があることです

 現在の日本が増税や政府支出削減という緊縮財政に戻れば、「再デフレ化」は決定的になります。


 上記、最悪の事態を回避するためには、
税収は名目GDPと相関関係にある。増税したとしても、経済がデフレ化し、名目GDPが減れば政府は減収になる」
 という「事実」を、国民や政治家が共有しなければならないのです。


 さらには、デフレ脱却し、名目GDPが堅調に成長していけば、税収は勝手に増えるという「事実」を。


「名目GDP拡大による税収増を!」にご賛同下さる方は、このリンクをクリックを!
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