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『改めてデフレを知ろう①』三橋貴明 AJER2016.11.29
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月間公論 2016年12月号
に、「三橋貴明レポート デフレを助長する安倍政権「6本の矢」」が掲載されました。
今日は、しばらくぶりに東京で講演です。楽だ~っ!!!
さて、実質消費です。
『10月の実質消費支出、前年比0.4%減 市場予想0.7%減
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL28HY2_Y6A121C1000000/
総務省が29日発表した10月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は1世帯あたり28万1961円で、物価変動を除いた実質で前年同月比0.4%減少した。減少は8カ月連続。QUICKが事前にまとめた市場予想の中央値は0.7%減だった。季節調整して前の月と比べると、1.0%減少した。(後略)』
実質消費が減るとは、
「国民がパンを買う量が減る」
という意味です。金額の話ではなく、消費の「量」が減っているという話であり、施政者としては責められてしかるべきでしょう。
消費の「継続的」な低迷を受け、石原伸晃経済再生相は11月29日の閣議後会見で、
「天候不順が非常に影響したのではないか。野菜価格高騰が実質消費を押し下げている」
との見解を示しました。
だから、言ったじゃないですか! 安倍政権は、閣僚・官僚が揃って、
「良い天気になりますように」
と、テルテル坊主を飾る儀式をやるべきだと!
もっとも、少子高齢化による生産年齢人口比率の低下により、雇用は改善。実質賃金は、底を打ったように見えます。
というわけで、実質消費と実質賃金(きまって支給する給与)の推移を比較してみました。
【図 日本の実質賃金と実質消費の推移(対前年比%)】
※2016年2月は「うるう年」分を控除
図の通り、実質賃金(きまって支給する給与)の方は、今年の1月に底を打った可能性があるのですが、相変わらず消費は実質で減り続けています。
素直に解釈すると、
「給料が上がり始めたものの、消費者が所得増を信じられず、消費を増やさない」
と、言いたいところですが、話はそう単純ではありません。賃金指数について、実質ではなく「名目賃金」でみると、直近の16年9月の「きまって支給する給与」は前年比+0.2%に過ぎないのです。それにも関わらず、実質賃金が+0.9%ということは、現在の日本が「給与はほとんど上昇しないにも関わらず、物価が下落しているため、実質賃金が上昇して見える」
という状況に陥っていることが分かります。物価「下落」が、実質賃金を押し上げているのです。
マクロ面でも、名目GDPがほとんど増えていないにも関わらず、GDPデフレータ(インフレ率)が▲0.3%に落ち込んでしまったため、実質GDPが「拡大して見える」という状況になっています。
ミクロ面(実質賃金)でも、マクロ面でも、現在の日本は、
「物価の下落により、実質が上昇して見える」
という、デフレ期にありがちなパターンに陥っているのが分かるのです。
とにもかくにも、政府は「需要創出」によるインフレ率の上昇を目標とするべきです。さもなければ、ミクロ的な「名目賃金とインフレ率が共にプラス化し、実質賃金が増える」、マクロ的な「名目GDPとGDPデフレータが共にプラス化し、経済成長する」という「普通の経済」は取り戻せないでしょう。
繰り返しますが、政府は需要創出により、デフレ脱却を目指さなければならないのです。
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