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 『若年層失業率が世界主要国最低の国①』三橋貴明 AJER2016.9.27
https://youtu.be/4EupfftcyPY

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 本日は三橋経済塾第五期第十回講義開催日です。参加される塾生の皆様、よろしくお願いいたします。

 ゲスト講師は初登場。島倉原先生!


 藤井先生が産経新聞のインタビューに答えていらっしゃいましたので、ご紹介。


『「3次補正でデフレからの脱出確保を」 藤井聡・内閣官房参与
http://www.sankei.com/economy/news/161014/ecn1610140038-n1.html
 内閣官房参与を務める京大大学院教授の藤井聡氏は14日までに産経新聞のインタビューに応じ、今後の政府の経済財政運営について「平成28年度第3次補正予算案を編成し、景気対策を盛り込む必要がある」と述べた。財源は公共事業などに使途が限られる建設国債の追加発行などで賄うことが妥当との認識を示した。
 藤井氏は足元の景気について「民間消費、投資は十分に拡大していない」と指摘。4~6月期はプラス成長となったが、28年度予算の前倒し執行などで公共投資が増加した影響が大きいとした。
 今月11日には総額28・1兆円の経済対策の裏付けとなる第2次補正予算が成立した。だが、前倒し執行の効果がなくなる10月以降は公共投資の落ち込みを2次補正だけで補いきれない懸念が強い。このため、藤井氏は「3次補正で切れ目なく財政支出を行うことで経済の後退を避け、デフレからの脱出速度を確保する」ことが必要だと主張した。(後略)』


 後略部で、藤井先生は「建設国債」と、極々普通の提言をされているのですが、産経の記者は、
「国債発行をめぐっては、財政再建の取り組みを遅れさせかねないという声が根強い。」
 と、「懸念的」なことを書いています


 何と言いますか、この「財政再建脳」こそが、我が国のデフレを長期化させ、かつ「財政を悪化させ続けた」主犯なのでございます。


 そもそも、藤井先生が答えていらっしゃる通り、
「デフレから脱し経済がよくなると、税収が増え、結果的に国債発行額は減る」
 わけです。


 正しいデフレ対策、すなわち国債発行+財政支出による需要創出を「十分に」実施し、デフレギャップを埋め、デフレから脱却すれば、名目GDPが安定的に増え始めます。すると、名目GDPという「所得の総計」を原資にした税収も増えるのです。


 財政再建(政府の負債対GDP比率の低下)を本当に実現したいならば、まずはデフレ脱却しなければなりません。

 もちろん、
「長期金利(十年債)が▲0.05%の国で、財政再建も何もあったものじゃない。市中銀行は、お金の借り手を求めている」
「日銀の量的緩和が実質的な『国債の貨幣化(※財政ファイナンス、とやらではありません)』になっており、政府の実質負債が勢いよく減少していっている」
 という「事実」はあるわけですが、日本のマスコミは頑なに「国債の貨幣化で、政府の財政問題が解決している」という「事実」を伝えようとしません


 ちなみに、この「国債の貨幣化」という言葉は、別に三橋の造語ではありません。そもそも、中央銀行による国債買取を「国債の monetization (マネタイゼーション)」とグローバルに呼んでいるのです


 というわけで、「Government Debt」つまりは政府の負債を「国の借金」「日本の借金」と呼んでいるのと同様に、中央銀行の国債買取を「Finance Finance(財政ファイナンス)」と呼ぶことも、「翻訳的」に間違いです。中央銀行の国債買取は、グローバルに「国債の貨幣化」なのです。


 藤井先生がフェイスブックで書かれていましたが、この「財政ファイナンス」という言葉は「国の借金」同様に厄介で、中央銀行が国債を買い取れば、政府の負債は消えると発言すると、
「そんなことは、財政ファイナンスじゃないか!」
 と、強圧的(必ず「強圧的」)に反論されるのです。それで、
「財政ファイナンスって何?」
 と、質問すると、蔑むような眼で見られ、
「そんなことも分からないのか・・・? 財政(ファイナンス)をファイナンスすることに決まっているだろ!
 と、超を三個ほどつけたいほどに頭の悪い回答をされます。


 要するに、言っている本人も分かっていないのでしょうが、この手の「言葉」がマスコミや政治家を支配し、「国債の貨幣化」「建設国債発行」「財政支出による需要創出」という、普通に可能なデフレ対策がなかなか実施されないでいるのが我が国なのです。


 いずれにせよ、先日、国会を通った補正予算では、特に公共事業については下期予算を上期に前倒しした(これは正しい判断)分のカバーすらできないでしょう。

 日本のデフレ脱却を目指すならば、国会議員は即座に「3次補正」の議論を始めなければなりません。さもなければ、補正予算が不十分故に我が国がデフレから脱却できなかったにも関わらず、


「あれだけ財政拡大したにも関わらず、デフレ脱却できなかったじゃないか! やはり財政は無駄だ! 国の借金を増やしただけだった!」
 と、例によって「卑怯極まりないプロパガンダ」が始まってしまいそうで、懸念しているのです。


「3次補正でデフレからの脱出確保を 」に、ご賛同下さる方は、このリンクをクリックを! 

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