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『安倍政権は財政拡大に舵を切るか?(その2)①』三橋貴明 AJER2016.7.26

https://youtu.be/XIjo7tLLIzQ
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 明日はTOKYO MX「モーニングCROSS」に出演します。

http://s.mxtv.jp/morning_cross/


 はい、毎度、お馴染みの「クニノシャッキ~ン」でございます。


『「国の借金」1053兆円 国債残高、過去最高に 
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS10H20_Q6A810C1EE8000/
 財務省は10日、6月末時点の国債や借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」の残高が1053兆4676億円だったと発表した。名目国内総生産(GDP)の2倍強に匹敵する。3月末に比べて4兆1015億円増えた。財政投融資の原資となる財投債や繰り延べ債なども含む国債の残高は7兆6667億円増え、918兆4764億円で過去最高となった。
 「国の借金」の残高を今年7月1日時点の総務省の人口推計(1億2699万人、概算値)で割ると、国民1人当たりでは約829万円になる。3月末から1人当たり約3万円増加した。普通国債は816兆7635億円で、1人当たりでは約643万円になる。(後略)』


 日本経済新聞以外を見てみると、


時事通信「国の借金1053兆円=1人当たり830万円-6月末」
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016081000811&g=eco


共同通信「「国の借金」の残高1053兆円 1人当たり830万円負担」
http://this.kiji.is/136032565003159028


朝日新聞「国の借金、総額1053兆円 国民1人あたり830万円」
http://www.asahi.com/articles/ASJ8B4SYFJ8BUTFK006.html


産経新聞「国の借金1053兆円 歯止めかからず財政健全化遠く 国民1人あたり830万円」
http://www.sankei.com/economy/news/160810/ecn1608100029-n1.html


 などなど、新聞各紙が一斉に「国の借金1053兆円 国民一人当たり830万円の借金」という出鱈目記事を報じていました。

 なぜ、同日に同じ記事が出るのかといえば、もちろん財務省が「財政研究会」という記者クラブを通じ、記者たちにペーパーを配布。新聞記者が財務省のペーパーをコピー&ペーストし、記事に仕立て上げるためです。

 改めて、「国の借金1053兆円 国民一人当たり830万円の借金」というレトリックは、最初から最後まで全て間違いです。


 そもそも、「国の借金」ではなく、「政府の負債」です。英語で書くと、government debtです。直訳すると、政府の負債です。


 日本銀行の統計では、普通に「政府の負債」となっています。それが、財務省やマスコミから報じられる際には呼び名が「国の借金」に変わってしまうのです。

 さらに酷い人たちは、「日本の借金」と呼んだりします。あるいは、「日本は借金大国だ」と。

 あのね、日本国家全体で見れば、「日本の借金」あるいは「国の借金」たる対外負債は609兆円と、確かに巨大です。とはいえ、我が国は同時に948兆円の対外資産を持っており、15年末時点で339兆円の対外純資産国となっています


 純資産、すなわち「=資産-負債」が大きい人のことを、お金持ちと呼びます。日本の対外純資産額339兆円は、文句なしで世界最大です。


 国家全体で見れば、世界最大のお金持ち国家。これが日本国なのです。

 世界最大のお金持ち国家の中で、「政府」が民間金融機関などから借りているのが、「国の借金」とやらの正体です。あれは「国の借金」とは呼んではいけないのです。正しく「政府の負債」と呼ばなければなりません


 しかも、民間金融機関は別に自前のお金を貸しているわけではありません。わたくしたちの資産である預金、あるいは支払った保険料などを「国債」で運用しているに過ぎないのです。


【日本国債所有者別内訳(総額は955兆円)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_53.html#hoyu


 すなわち、国の借金ならぬ政府の負債の「債権者」が日本国民なのです。それを、さかさまに報じている。


 それ以前に、政府の子会社である日本銀行が猛烈な勢いで国債を買い取り、お金を発行しているため、政府の実質的な負債はどんどん減っていっています


【日本銀行が保有する国債・財融債・国庫短期証券と日銀以外が保有する国債・財融債・国庫短期証券】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_51.html#Nichigin


 これを「名目的」にも消してしまうというのが、日銀の国債買い切りや、無利子無期限国債の発行。いわゆる「ヘリコプターマネー」になります。


 政府の「日本円建ての負債」など、この程度で処理できる話であるにも関わらず、メディアが「国の借金 国民一人当たり借金」のキャンペーンを繰り返し、我が国では、
「日本は国の借金で破綻する~っ!」
 というデマゴギーが蔓延。まともなデフレ対策が打てなくなりました。


 上段でも何でもなく、上記「国の借金」の嘘は、我が国を亡国に導く嘘であると、三橋貴明は確信しているのでございます。


「国の借金という亡国の嘘を打破しよう!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを! 
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