株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッター
はこちら
人気ブログランキング
に参加しています。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『2016年第一四半期を振り返る(後篇)①』三橋貴明 AJER2016.4.26(9)
https://youtu.be/zOAOYTdAZyY
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
昨年10月19日に実施されたカナダ総選挙で勝利した自由党は、
「三年間の財政赤字拡大」
を受け入れた上で、財政出動による経済成長路線を目指そうとしています。
特に、カナダは5月初めから続いている森林火災でオイルサンドの生産拠点が打撃を受け、4-6月期のGDPはゼロ成長になると懸念されています。
ちなみに、カナダのインフレ率は0%台前半に低迷しており、日本と似たような水準です。長期金利は1.3%で、日本やユーロ圏ほど状況(デフレ化という意味)は悪くないのですが、資源価格の下落を受け、2015年の経済成長率は1.18%。さえない状況が続いています。
というわけで、「財政出動」を謳いながら、実際に政権を取ると失速してしまった安倍総理やオランド大統領と同じ道を辿るのではないかと懸念していたトルドー首相ですが、堂々と、
「財政赤字の目標達成よりも、経済成長」
と、いわゆるケインズ的な政策を推し進めて言っています。
『財政赤字目標にこだわらず、経済成長を重視=カナダ首相
http://jp.reuters.com/article/canada-trudeau-idJPKCN0YB03O
カナダのトルドー首相は19日、予算で300億カナダドルの財政赤字を想定していることについて、この数字が上限というわけではないと説明、政府は経済成長の促進をより重視すべきとの認識を明らかにした。
インタビューで述べた。首相は、財政赤字の「パーフェクトな数字」にはこだわっていないと強調。経済成長に向けた正しい道筋を見つけることが、財政赤字の目標を達成することよりも重要だと述べた。
首相は「財政規律は必要だが、適切な分野に投資することも必要。目標を恣意(しい)的に設定し、それにこだわるのは、私が選挙戦で反対したことだ」と述べた。その上で「私が執着しているのはパーフェクトな数字ではない。短期的な成長のみならず、中長期的な繁栄につながるパーフェクトな道、正しい道を見つけたい」とした。(後略)』
トルドー首相はロイターのインタビューに答え、伊勢志摩サミッ)では、「景気支援のため、投資が重要」と主張する考えを示しました。トルドー首相は、
「世界各国で繰り広げられている『投資か緊縮か』という議論では、大いに投資を支持する。今後もその点を主張していく」
と発言。
「世界の成長が直面している課題は、様々な戦略的削減では解決できない。いずれかの時点で将来への投資を始める必要がある」
「安倍首相はインフラ投資を重視するだろうが、間違いなく私の考え方に非常に近い」
とも語りました。
はい。トルドー首相が「予想」している通り、安倍総理が「インフラ投資」を重視してくれれば、日本経済は立ち直りの切っ掛けを掴めるかもしれません。とはいえ、そもそも第二次安倍政権は、民主党時代の「コンクリートから人へ」を転換する役目も担い誕生したにも関わらず、14年度から緊縮路線を驀進した政権なのでございます。
2015年度の公共事業費は、わずか6兆円。前年(14年)はもちろんのこと、民主党政権期である2012年すらをも下回っています。現在の安倍政権は、「コンクリートから人へ」どころか、「コンクリートも人も(削減)」なのでございます。昨年度は介護報酬が引き下げられ、今年度は診療報酬が削減される予定になっておりますので。
メルマガでも書きましたが、サミット後の安倍総理の結論について、最善なのは、
「消費税増税の凍結+十兆円を超す追加的財政出動の複数年継続+PB目標の破棄」
です。逆に、最悪のケースは、
「消費税増税強行+財政出動なし+PB目標継続」
ですが、実際には「最善」と「最悪」の間のどこかになるでしょう。どこまで「最善」に近づけるのか。
消費税増税については、産経新聞や日経新聞などで、「安倍首相、消費時増税を見送りへ」と報じられ、見送りの既成事実化が行われてきましたが、昨日、「アベノミクスを成功させる会」が、
「消費税増税強行+十兆円を超す追加的財政出動の複数年継続」(PB目標については記述無し)
という提言書を提出したため、不透明な状況に戻ってしまいました。
「日本国民が豊かになる日本」
を取り戻すためにも、安倍総理の適切な判断を望みます。
「消費増税凍結+財政出動+PB目標破棄!」にご賛同下さる方は、
↓このリンクをクリックを!
人気ブログランキング
へ
◆本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。
◆関連ブログ
◆三橋貴明関連情報
Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」
連載中
新世紀のビッグブラザーへ ホームページ
はこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」
は↓こちらです。