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『投資の重要性①』三橋貴明 AJER2015.11.17(5)

https://youtu.be/PLPnW3LWuPQ

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 まもなく12月ですが、結局、2015年は「補正予算」を組むことなく終わりそうです。何しろ、安倍政権は臨時国会すら開きませんでした。


 二期連続のGDP成長率マイナス成長、すなわちリセッション(景気後退)。しかも、二年連続で経済をリセッションに叩き落しておきながら、景気対策の臨時国会すら開かれない。


 その状況に、声を上げる国会議員すらいない。いるのかも知れませんが、声が聞こえてこない。この状況に恐怖を覚えます


 さて、本ブログユーザーの皆様はご理解されている方が多いでしょうが、「=潜在GDP-名目GDP」で計算されるデフレギャップ(内閣府は「需給ギャップのマイナス」と呼びます)は、潜在GDPの定義により値が変わります


 わたくしは、潜在GDPについて、
「国民経済において、すでに存在する労働者や資本、設備がフルに稼働した場合に生産可能なGDP」
 である、【最大概念の潜在GDP】として認識しています。と言いますか、以前は「潜在GDP」といえば「最大概念の潜在GDP」だったのです。


 ところが、現在の日本銀行や内閣府は、潜在GDPについて、
「過去の平均的な労働や設備稼働率に対応するGDP」
 である【平均概念の潜在GDP】で定義しています。


 何しろ、「過去の平均の労働・設備稼働率」ですので、【平均概念の潜在GDP】では失業者や未稼働設備が存在することになります


 失業者や未稼働設備がある以上、
そんなものは、潜在GDP=本来の供給能力でも何でもないではないか
 と、突っ込まざるを得ません。


 しかも、極めてバカバカしことに、【平均概念の潜在GDP】を用いると、インフレギャップが「計算」できてしまいます。


【インフレギャップとデフレギャップ】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_46.html#Gap


 わたくしは頻繁に上記のチャートを使いますが、実はデフレギャップの計算はできますが、インフレギャップは計算できないのです。なぜなら、インフレギャップが計算できてしまうと、
生産(供給)することが不可能な財・サービスが購入された
 という話になってしまうためです。この世に「生産不可能な財・サービスを購入する」ことが可能な人間は存在しません。


 というわけで、インフレギャップを「数値」で表すことは、本来的には不可能なのですが、日銀や内閣府は「インフレギャップの金額」を発表しています。すなわち、生産不可能な財・サービスが購入された(=名目GDPになった)と、堂々と公表しているのです。


 お分かりでしょうが、【平均概念の潜在GDP】を使っているため、潜在GDPが本来の値(最大概念の潜在GDP)より小さくなってしまっているのです。そのため、総需要(名目GDP)が供給能力(潜在GDP)を上回った際のギャップ(インフレギャップ)の計算が可能になってしまうわけです。


「インフレギャップの【計算】が可能な以上、【平均概念の潜在GDP】は潜在GDPでも何でもないではないか」
 と、突っ込まざるをえません。


 要するに、デフレギャップを「小さく見せる」ために、グローバルに潜在GDPの定義が【最大概念の潜在GDP】から【平均概念の潜在GDP】に変えられてしまったのです。日本は、グローバルな定義変更を追随したに過ぎません。


 ともあれ、【平均概念の潜在GDP】により、現実より小さく見える内閣府版デフレギャップですら、7-9月期は拡大してしまいました


需給ギャップ:-1.6%に拡大 GDPマイナス成長響く
http://mainichi.jp/auth/guide.php?url=http%3A%2F%2Fmainichi.jp%2Fselect%2Fnews%2F20151128k0000m020079000c.html
 内閣府は27日、日本経済の需要と潜在的な供給力の差を示す7~9月期の需給ギャップ(GDPギャップ)がマイナス1.6%となり、4~6月期のマイナス1.3%から拡大したと発表した。(後略)』


 わたくしは安倍政権に「10兆円の補正予算を」と求めていますが、別に根拠なしで「10兆円」と言っているわけではありません。内閣府が発表するデフレギャップ(需給ギャップのマイナス)が10兆円弱であり、しかも【平均概念の潜在GDP】で計算されているため、日本の需要不足を埋めるためには「最低10兆円」の追加予算が必要だと主張しているわけです。

 それに対し、安倍政権は来年の通常国会に「3兆円」の補正予算を提出すると報じられています。3兆円の根拠は、何なのでしょうか



「財務省が許可してくれる金額が、3兆円だから」
 という理由だった場合、すでに我が国は国民主権国家ではないという話になってしまいます。財務省主権国家です


 そうではないと、政治家が主張したいならば、(一応)科学的な根拠に基づいた10兆円の補正予算を推進することを、与野党問わず全ての国会議員に要求したいと思います。


「10兆円規模の補正予算が必要だ!」に、ご賛同下さる方は↓このリンクをクリックを!
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