インフラの経済力

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『投資の重要性①』三橋貴明 AJER2015.11.17(5)

https://youtu.be/PLPnW3LWuPQ

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 徳間書店「2016年 中国・ユーロ同時破綻で瓦解する世界経済 勝ち抜ける日本 」が発売になりました。



 明日は6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/


 さて、インドネシアに対する「政府保証」なしの貸し出しと高速鉄道受注、さらにはイギリスの「将来的な中国製原子力発電設備の採用」と、中国の「インフラ輸出」が目立っています


 無論、インドネシアに対する強引な売り込み等は、中国が現在、インフラ関係の「供給能力」が極端な過剰になっており、供給能力の消化先を切実に求めているという事情があります。AIIBにしても、過剰なインフラ供給能力を、どこかで消化しなければならないことが背景にあるわけです。


 ともあれ、中国が過去の国内におけるインフラ整備で、供給能力を高めてきたことは紛れもなき事実です。中国の高速鉄道は、2015年末には総計25000キロメートルに達する予定です。日本の新幹線の総延長距離は、北陸新幹線開通後であっても約3300キロメートルであるため、文字通り桁が違います。

 また、原子力発電所に至っては、何と22基が建設中です。世界の原発工事のうち、半分が中国という事態に至っています。すなわち、中国は原子力発電所の供給能力について、最も「経験を蓄積」することができる状況にあるのです。


 無論、中国の原発は東芝傘下のウエスティングハウスの技術が基になっています。とはいえ、2010年に国際原子力機関が15カ国のメンバーからなる査察チームを中国に送り、原子力安全システムについて「問題なし」というお墨付きを与えたのもまた、歴とした事実なのです。


 何を言いたいかといえば、日本がこのままインフラ(原子力発電所建設含みます)関連の投資を疎かにしていると、間違いなく「インフラの経済力(供給能力)」で中国に抜かれるという話です。あるいは、現時点ですでに抜かれているのかも知れません。

 上記の現実を受け、以下のニュースをいかに読むか、です。


日中 アジア・インフラ争奪戦
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/newsl/post_101528/
 安倍総理が出席したアジアでの一連の会議では、中国による人工島建設問題で日中が対立しました。もう一つ、争うのが鉄道などのインフラ投資です。年末には東南アジア諸国連合10ヵ国が「ASEAN共同体」を発足。国をまたぐ巨大なインフラ需要も生まれます。安倍総理はASEANの首脳に日本の「質の高いインフラ」をアピール。今後5年で日本円で1兆2,000億円を融資すると発表し「円借款」の手続きの迅速化なども進めます。そして中国の李克強首相も、ASEAN首脳
にインフラ支援をアピール。中国の武器は資金量です。22日の日・インドネシア首脳会談では、日本が数年前から提案してきたインドネシアの高速鉄道事業を中国が受注したことに安倍総理が「残念だ」と述べました。逆に日本は、中国が途中まで手がけたフィリピンの鉄道を2,420億円の円借款で支援するとフィリピン政府と合意。日中のインフラ争奪戦は激化しています。』


 ASEANに1兆2000億円も融資し、インフラを輸出するならば、まずは「日本のインフラに投資をしろ!」と言いたくなったでしょうし、わたくしも全面的に同意します


 とはいえ、ASEAN諸国のインフラを日本企業が(日本の借款で)整備していくことは、
「国内にも、外国にもインフラのビジネスがなく、日本のインフラ産業の供給能力が毀損していく」
 という未来よりは「マシ」というのもまた、現実なのです。


 いかなる産業、企業、技術、人材も、仕事の経験なしでは衰退していかざるを得ません。日本は橋本緊縮財政以降、公共投資を何と半分にまで削減してしまいました。結果的に、日本の建設産業は60万社から43万社にまで減少。

 我が国の「インフラの経済力」は、間違いなく落ちました。反対側で、中国が国内のインフラ整備を(確かに技術的、質的な問題はあったものの)推進し、インフラの経済力を強化し続けてきたわけです。


 最終的に、我が国がインフラ建設について、

中国企業に建設してもらわなければならない」

 という、情けない事態に至ったとき、我が国の安全保障はもはや成り立ちようがなくなります。


 結局のところ、中国共産党の首脳部は、「経済力」の本質を理解しているわけです。すなわち、経済力とはおカネの話ではなく、モノやサービスの供給能力の集合であるということを

 それに対し、我が国は「おカネの問題」に足を引っ張られ続け、経済力の根幹たる供給能力をみすみす毀損してきました

 というわけで、今回の安倍総理の「ASEANへのインフラ輸出」を切っ掛けに、改めて「経済力」について理解して頂きたいと考え、本日、取り上げました。

 経済力とは中央銀行がいくらでも発行できるおカネの話ではなく、国民がモノやサービスを生産する力であることを、改めて知って下さい。


「経済力とは国民がモノやサービスを生産する力である」に、ご賛同下さる方は

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