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『投資(後編)①』三橋貴明 AJER2015.11.3

https://youtu.be/GDO9vP8MRIo

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 ヒカルランドから「ドイツ第四帝国の支配と崩壊 亡国の新帝国主義 」が刊行になりました


 明日は7時からTOKYO MX「モーニングCROSS」に出演します。
http://s.mxtv.jp/morning_cross/


 欧州連合(EU)のユーロ・グローバリズムのドグマ(教義)は、もはや狂気の域に達しようとしているように思えます。


2017年までにEUに難民300万人流入、成長押し上げ見込む=欧州委
http://jp.reuters.com/article/2015/11/05/europe-migrants-costs-idJPKCN0SU2LH20151105
 欧州委員会は5日、欧州連合(EU)加盟28カ国に関する経済見通しを公表し、2017年までに300万人の難民が域外からEU加盟国にやってくると見込んだ。難民が社会の中で労働力として融合するならば、EUの経済成長を押し上げ、長期的には加盟国の財政状態の改善につながるかもしれないとしている。
 15年は100万人の難民がEUに到着する見込み。16年は150万人、17年も50万人がやってくるとしている。
 EU加盟国が到着した難民の半数を受け入れ、その4分の3が労働年齢にあると仮定した場合、EUの労働力人口は15年段階で0.1%増えると見込まれる。16、17の両年はそれぞれ0.3%増加するとしている。
 受け入れた難民が、受け入れ国の国民と同じレベルの技能や職能を持っているとすると、EUの域内総生産(GDP)を16年に0.21%、17年は0.26%押し上げるという。
 難民が低い水準の技能や職能しか持たない場合は、16年で0.14%、17年で0.18%の押し上げにとどまる。
 難民流入に伴うEU加盟国の財政悪化は少ないとされている。
EU全体の財政赤字は16、17両年でそれぞれ域内GDPの0.04%しか増えない。一方で、19年と20年にはそれぞれ0.03%と0.05%の改善になると推計している。(後略)』


 完全雇用に達しているどころか、失業率二ケタに達している国がほとんどで、ギリシャやスペインは未だに20%を上回っている状況で、「労働力の供給」を経済成長に単純に結びつけようとする発想が、まずは「狂気」です。


 しかも、現在の欧州に押し寄せているのは、異なる民族、異なる言語、異なる宗教の人々なのです。それを「安い労働力」とみなし、歓迎し、欧州各国は「国民国家」から別の何かに変貌を遂げていっています。国民国家を破壊してまで、安い労働力が欲しい。狂気以外に表現のしようがありません。


 もっとも、文化・伝統・宗教等の問題を脇に置き、「経済的」な面のみを言えば、EU全域で完全雇用が成立し、人手不足がボトルネックとなり、経済成長を妨げている時期、すなわちインフレギャップ期ならば話は別です。移民・難民の流入がインフレギャップを埋め、経済成長率を押し上げるのかも知れません。


 とはいえ、現実のEUはデフレ化が進行しつつあります。10月のユーロ圏のCPIは、対前年比でゼロ。ドイツの長期金利は未だに1%を割り込んでおり、ユーロ全域の失業率も下がったとはいえ10.8%(9月)。


 明らかに労働者や供給能力が余っており、需要が不足し、デフレギャップが生じている状況で、労働供給を増やし、経済成長率が上がる。意味不明です。


 もっとも、日本にしても完全雇用が成立していない状況で、さらに言えば男性の生産年齢人口(15-64歳)で、労働市場に参加しているにも関わらず働いていない潜在労働力が123万人もいる状況で、
「女性や高齢者の雇用促進」
 を経済財政諮問会議が提言し、あるいは外国人労働者受け入れを議論するべきだ、などと意味不明なことを言う政治家が存在するわけです。

 こちらも十分に「狂気」です。


移民受け入れも検討課題に…河野行政改革相
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20151107-OYT1T50127.html
 河野行政改革相は7日、沖縄県名護市で講演し、「外国からの労働力をどうするか、テーブルに載せて議論を始める覚悟が必要だ」と述べ、移民の受け入れを政府の検討課題とすべきだとの認識を示した。(後略)』


 日本で外国移民受入の議論を始めるのは、まずは成年男子の潜在労働力123万人が働き、さらには各生産者の生産性向上のための技術開発投資、設備投資、人材投資、公共投資をフルに実施し、実際に生産が向上したにも関わらず、インフレギャップが埋まらず、女性や高齢者が豊かになるために働き始め、完全雇用が達成され、またまた生産性向上の投資が拡大したにも関わらず、それでもインフレギャップが埋まらない。


 といった事態になってからで十分です。まあ、100年間は↑こんな状況にはならないと思いますが。


 いずれにせよ、グローバリズムは「外国移民」の拡大を求めます。理由は、単に「安い労働力」が欲しいためですが、その目的を人道」「活力」「人権」「多文化共生」「多様化」等の抽象的用語で覆い隠すわけです。挙句の果てに、EUのように、
「高失業率の時代に、移民労働者を多数受け入れ、経済成長率を高める」
 などと、全に論理破綻をした主張を展開してきます。とはいえ、インフレギャップ・デフレギャップや、完全雇用・生産性向上等の概念について知らない人は、コロリと騙されることになります。

 欧州連合はこのままユーロ・グローバリズム路線を突き進み、デフレ期に数百万人の外国人労働者を受け入れ、各国で「国民国家が崩れていく」様子を世界に見せつけることになるでしょうか。恐らく、そうはならないでしょう。


 今後の欧州では、「国民」とユーロ・グローバリズムが激しく衝突し、各国で起きた騒乱状態が互いに影響を与えつつ、伝播していくことになると思います。恐らく、本格的に騒乱状態に陥る国の第一号は、意外でしょうが「ドイツ」であると予想しているのです。


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