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『投資(前編)①』三橋貴明 AJER2015.10.27
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ヒカルランドから「ドイツ第四帝国の支配と崩壊 亡国の新帝国主義 」が刊行になりました
本日はチャンネル桜「桜プロジェクト」に出演します。
htt://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1520
さて、「正しい地方創生策」ですが、インフラ整備に加え、「税制」も重要になります。
インフラ整備により東京圏と地方の生活面、ビジネス面の格差を解消し、さらに地方移転に対し税制優遇措置を講じるわけです。無論、インフラ格差を「ゼロ」にすることは不可能でしょうが、それでも、
「ある程度は便利で、さらに税制面で優遇措置を受けられる」
という話になれば、東京から地方へと、一極集中とは逆の流れが起きます。
実は、政府はすでに地方移転に対し税制優遇措置を設けており、実際にいくつかの企業が本社機能等を地方に移し始めています。
『税制優遇で5社が地方移転計画 18社は拠点拡充を協議
http://www.47news.jp/CN/201510/CN2015103101001408.html
企業の地方移転を後押しする政府の税制優遇を活用し、大手企業グループなどの少なくとも5社が富山、鳥取、岡山、広島の4県に本社機能を移す計画を進めていることが31日、分かった。既に地方にある拠点の拡充に対する支援では18社が10県と協議している。
政府が推進する地方創生の一環。地方で働く場を増やし、雇用の創出を目指すのが狙い。制度は本年度に始まったばかりで企業数はまだ少なく、今後、拡大するのかが課題だ。
政府が10月上旬、初めて認定した企業受け入れに関する道府県の「地域再生計画」などを基に、経済産業省が集計した。』
政府の政策により、東京23区の企業が地方に本社機能を移すか、もしくは地方拠点を拡充すると、法人税の軽減措置を得ることができるのです。東京、名古屋、大阪といった大都市に本社機能を移転しても、優遇措置は受けられません。
あくまで「地方への移転」が条件になっています。
具体的には、
「特定業務施設の新設又は増設に関する課税の特例」
「特定業務施設において従業員を雇用している場合の課税の特例」
などで、移転を伴う投資に対し、特別償却25%、税額控除7%を受ける、あるいは増加雇用者一人当たり50万円の税額控除(移転を伴う場合は最大80万円)を受けることができます。
共同通信の記事にある五社とは、YKK AP、医療機器メーカーのべセル、サントリープロダクツ、アパレルメーカーのキャン、産業用冷凍機メーカー前川製作所になります。
税制優遇のみ、あるいはインフラ整備のみ、では、なかなか企業は東京から本社機能等を地方に移そうとはしないでしょう。二つが揃うことで初めて、本格的な「地方創生」への道が開けるわけです。(どれだけ税制を優遇されても、「不便な地域」に企業が移転することはありません)
というわけで、政府はインフラ整備には相変わらず否定的ですが、税制優遇は始まっており、成果も出始めているのでございます。
ちなみに、企業の地方への移転等に関して閣議決定(14年12月27日)された「まち・ひと・しごと創生長期ビジョンについて
」を読むと、人口問題について興味深い記述があります。
「(3)東京圏への人口の集中が、日本全体の人口減少に結び付いている。地方から大都市に人口が移動していく現象は、決して先進国に普遍的なものではない。米国や英国では、逆に大都市の人口が減少し、地方の人口が増加している状況が見られる。
仮に、人口減少が大都市と地方でバランスをとりながら進むならば、過密問題の解決が図られ、適度な人口密度の社会の到来が期待できるかもしれない。しかし、日本の場合は、このまま推移すると、「過密の東京圏」と「人が極端に減った地方」が併存するような形で人口減少が進行していく可能性が高い。そして、こうした人口移動は、厳しい住宅事情や子育て環境などから、地方に比べてより低い出生率にとどまっている東京圏に若い世代が集中することによって、日本全体としての人口減少に結び付いていると言える。」
すなわち、政府は東京一極集中が「人口減少」に結びついていると認識しているわけです。そして、この認識は正しいと思います。
というわけで、日本国民の安全保障を強化し、同時に人口減少に歯止めをかけるためにも、東京一極集中を逆転させる正しい地方創生策が必要なのです。すなわち、インフラ整備と税制優遇です。
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