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『日本の亡国を防ぐために①』三橋貴明 AJER2015.9.15(5)

https://youtu.be/oN59AffMGQE

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 今週は、夕刊フジで短期集中連載「断末魔の中韓経済」を連載しています。


 「月刊WiLL (ウィル) 2015年12月号 」に連載「反撃の経済学 TPPは日本の"主権"を脅かす」が掲載されました。


 本日、ヒカリランドから「ドイツ第四帝国の支配と崩壊 亡国の新帝国主義 」が刊行になります。


 本書のテーマは、ズバリ二つ。すなわち「ドイツ」と「新帝国主義(グローバリズム)」になります。

 帝国主義ということばについて、日本国民の多くは、
「欧米諸国がアジア、アフリカを侵略して、軍事的に支配する植民地と化して・・・」
 と、ステレオタイプ的な見方をしていると思います。そういう一面があることを否定はしませんが、帝国主義の定義は、
帝国主義とは、相手国の「住民」から主権を奪い、あるいは主権を与えず、所得を継続的に吸収する仕組みを構築することを意味する。相手国の「住民」の主権を奪い取る手段は、何も軍事力の行使には限らない。
 だと考えています。そして、「所得を継続的に吸収する仕組みの構築」こそが、まさにグローバリズムです。帝国主義とは、実は「グローバリズムの固定化」なのです。


 しかも、帝国主義あるいはグローバリズムの下で所得を「一部のグローバリスト」に吸い上げられるのは、被支配地域の住民に限りません。その国の国民にしても、グローバリズムにより実質賃金の低下や雇用の不安定化に苦しめられます

 グローバリズムにより国民の購買力が減ると、内需は成長しません。それを受け、大手企業などが「やっぱり、グローバル市場」と「国の外」の市場に目を向け、国際競争力(グローバル市場における価格競争力)を高めるために、国内の実質賃金を引き下げる。国民の購買力が低下し、内需が成長せず、大手企業などが「やっぱり、グローバル市場」と「国の外」の市場・・・・


 と、循環が続いていくが、グローバリズムに支配された世界になります。この構造を「維持」する仕組みが、帝国主義です

 「前」のグローバリズムの時代、欧米諸国の帝国主義について、幸徳秋水が自著「帝国主義」において、以下の通り書いています。


『而して思え、欧米における貧富の益す懸隔して、富と資本が益す一部少数の手に堆積し、多数人民の購買力がその衰微を極むるに至れるは、実に現時の自由競争制度の結果として、彼ら資本家工業化がその資本に対する法外の利益を壟断するがためにあらずや。故に欧米の経済問題は、他の未開の人民を圧伏して、その商品の消費を強るよりも、先ず自国の多数人民の購買力を兀進せしむるにあらざるべからず、自国購買力を兀進せしむるは、資本に対する法外の利益を壟断するを禁じもって、一般労働に対する利益の分配を公平にするにあらざるべからず、而して分配の公平を得せしむるは、現時の自由競争制度を根本的に改造して、社会主義的制度を確立するにあらざるべからず(幸徳秋水:著「帝国主義」(岩波文庫))』


 秋水の言葉を現代風に直すと、


『加えて、欧米における貧富の格差が拡大し、富と資本が一部の少数に集中し、大多数の人民の購買力が衰亡の域に達しているのは、まさに現在の自由市場主義の結果として、資本から法外な利益を獲得しているためなのではないか。それ故に、欧米の経済課題は、他国の未開の人民を制圧し、自国で生産する製品の消費を強いるのではなく、まずは自国の大多数の人民の購買力を高めることではないのか。自国の購買力を拡大するには、資本から法外な利益を得ることを禁じ、一般労働に対する利益の分配を公平にするべきではないのか。加えて、分配を公平にするためには、現在の自由競争制度を抜本的に改造し、社会主義制度を確立する必要があるのではないか。』


 と、なるでしょうか。

 ドイツ第四帝国ならぬEUの盟主たるドイツでは、シリアからの難民までもが「安い労働者」として産業界に歓迎され、ドイツ国民は苛烈な実質賃金切り下げ競争に叩き込まれようとしています

 秋水の時代と現代の「構造」が、非常に似通っていることがわかります。


ドイツは労働市場を難民に開放すべき=エアバスCEO
http://jp.reuters.com/article/2015/10/26/enders-idJPKCN0SK0DZ20151026
 欧州航空機メーカーのエアバス(AIR.PA)のトム・エンダース最高経営責任者(CEO)は25日、ドイツ国内に押し寄せる難民が職を見つけ、社会に溶け込むのを支援するため、同国の労働市場の規制を緩和し、より低賃金の雇用を創出すべきだとの考えを示した。(後略)』


 また、ギリシャやスペインなどの南欧諸国は、「低賃金」と「高生産性」を武器とするドイツの輸出攻勢に対抗することができず、高失業率に苦しめられています。とはいえ、EU・ユーロという国際協定により、各国の国民は主権に基づきドイツ製品に関税をかける、あるいは為替レートを切り下げることができません


 結果、南欧諸国は貿易赤字としてひたすらドイツに所得を吸収され続けました(08年まで)。まさに、

「帝国主義とは、相手国の「住民」から主権を奪い、あるいは主権を与えず、所得を継続的に吸収する仕組みを構築することを意味する。相手国の「住民」の主権を奪い取る手段は、何も軍事力の行使には限らない。」
 という帝国主義の定義が成立してしまっています。すなわち、ドイツ第四帝国です

 とはいえ、現在のヨーロッパを見れば、ドイツ第四帝国が「崩壊」過程に入ったことが分かります。


 なぜ、ドイツ第四帝国は成立したのか。そして、なぜ崩壊するのか


 全てを解き明かす「ドイツ第四帝国の支配と崩壊 亡国の新帝国主義 」、本日刊行です。



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