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『日本の亡国を防ぐために①』三橋貴明 AJER2015.9.15(5)

https://youtu.be/oN59AffMGQE

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 飛鳥新社「亡国の農協改革 ――日本の食料安保の解体を許すな 」、またもや増刷が決まりました。これで、第三刷になります。ようやくAmazon在庫も戻りました。


 本日はチャンネル桜「桜プロジェクト」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1520


 現在、執筆中の中国経済本(小学館)で詳しく取り上げる予定ですが、中国経済を語る際に「最低でも、一つだけ」、絶対に正しく理解しておかなければならないことがあります。


 無論、中国の統計は統計マジックと虚偽ばかり、というのはその通りですが、「統計が正しかったとしても、絶対的に注意が必要」なことが一つあるのです。いや、複数あるのですが、
お願いですから、せめてこれだけでも理解しておいてください
 という話です。

 それは、中国が発表する経済成長率が、なぜか「対前年比」という点です。つまりは、ほとんどの国々が採用している対前期比ではないのです。


 中国は「7%成長!」などと言っていますが、これは対前年比であり、対前期比ではありません。つまり、他の国々との比較が不可能な指標なのです。


 何を言いたいかといえば、日本の実質GDP成長率が対前期比で1.7%になったとして、
「中国は7%も成長しているのに、日本は1.7%しか成長していない」
 と、主張する人がいたとしたら、驚異的に頭が悪いということになります。何しろ、中国の発表する経済成長率は対前年比です。対前年比7%の実質GDPの成長を、各四半期に分解すると、実はほぼ1.7%になります。


 つまり、日本が対前期比で1.7%の成長になった場合、四半期で見ると中国と経済成長率が変わらない、という話になってしまうのです。


 中共が何を目論んで、対前期比ではなく対前年比で経済成長率を発表しているのかわかりませんが、とりあえず「対前年比」では、発表する数値に4四半期前の状況までもが入ってしまうわけです。これで「現在」の状況が理解できるはずがないのです。


 前置きはこのくらいにして、日経がFTの興味深い記事を掲載していました。


『[FT]中国経済、7%成長は本物か GDP統計に疑い
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO91846980X10C15A9000000/
 我々はとっくに、中国の偽物には慣れっこになっている。腕時計の偽物。DVDの偽物。最近ではゴールドマン・サックスの偽物まで登場している。しかし、もっと根本的なものまでが偽物だったら、どうなるのだろう。中国の国内総生産(GDP)の数字がいわれているほどすごいものではなかったとしたら、一体どうなるのだろうか。
 これは多くのエコノミストが以前から抱いていた疑念だ。第1に、中国が発表するGDP成長率のデータは、本当だろうかと疑ってしまうほどスムーズだ。ほとんどの国が好不況の波にさらされている一方で、中国だけはそんな波には関係なく成長しているように見える。
 第2に、省のデータの合計と国全体のデータが一致しないことがある。中国の貿易統計と貿易相手国のそれとがマッチしないことも少なくない。こうした不一致は、国土があまりに広く経済活動の計測が非常に難しいためでもある。だが、政府幹部の報酬が経済成長の粗雑な指標に基づいて決められるという、ゆがんだインセンティブのせいでもある。(後略)』


 当ブログで幾度となく主張してきたことそのままですが、これが「日本経済新聞」に掲載されたというのは大きいと思います。


 独立調査機関コンファレンス・ボードのエコノミスト、ハリー・ウー(伍暁鷹)氏らの推計によると、中国の08年の成長率は4.7%(政府当局の推計値は9.6%)で、12年の成長率はわずか4.1%(政府推計は9.7%)になるとのことです。これも「対前年比」ですから、12年の数値を四半期に分解すると、対前期比1.04%を切ります


 こうして書いてみると、やはり中共は
「我が中国の経済成長率は、極めて高い」
 ということを「錯覚」させるために、経済成長率を対前年比で発表しているのではないかと思えてきました。


「中国は(対前年比)4.1%成長!」
 と、
「中国は(対前期比)1.04%成長!」
 とでは、情報の受け手に与える印象が大きく異なるわけです。


 いずれにせよ、日本のマスコミで中国の「対前年比」と「対前期比」の問題が解説されることは、まずありません。この手の「正しい情報」を理解することなく、正しい判断はできません。


 わたくしが「最悪の輸出品」と呼ぶ、中国の経済指標のみならず、昨日の「国債の格付け」も同様です。正しい情報の流布に、ご協力頂けると嬉しく存じます。 


「正しい情報なしで、正しい判断はできない」に、ご賛同頂けた方は、

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