ギリシャの鎖

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『日本の亡国を防ぐために①』三橋貴明 AJER2015.9.15(5)

https://youtu.be/oN59AffMGQE

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 飛鳥新社「亡国の農協改革 ――日本の食料安保の解体を許すな 」、またもや増刷が決まりました。これで、第三刷になります。ようやくAmazon在庫も戻りました。


 世間はシルバーウィークでございますが、わたくしは相変わらず仕事三昧の毎日です。

 明日は7時からTOKYO MX「モーニングCROSS」に出演いたします。
http://s.mxtv.jp/morning_cross/


 さて、ギリシャ総選挙が終わりました。


チプラス氏が勝利宣言…ギリシャ総選挙
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150921-OYT1T50013.html
 財政再建中のギリシャで20日、議会(一院制、定数300)の総選挙が行われた。
即日開票の結果、チプラス前首相率いる与党・急進左派連合が第1党の座を守った。チプラス氏は20日深夜、支持者が集まったアテネ中心部の広場で、「偉大な勝利に、心から感謝したい」と語り、勝利を宣言した。
 内務省の中間発表(現地時間21日午前1時時点、開票率84・97%)によると、急進左派連合の得票率は35・55%で、中道右派の最大野党・新民主主義党の28・10%を大きく上回っている。』


 本ブログ読者の皆様にはおなじみでしょうがが、ギリシャの総選挙は第一党に50議席が上乗せされるため、第二党との議席数は開きます。もっとも、SYRIZAの得票率では、議席数は恐らく(良くて)95議席+50議席の145議席程度にとどまり、いずれかの政党と連立を組まざるを得ないでしょう。


 今回の総選挙は、前回とは打って変わって盛り上がりに欠けていたようで(そりゃ、そうでしょう)、ギリシャ国民は緊縮財政推進のND(新民主主義党)と、反緊縮の公約を翻したSYRIZAのいずれかを(事実上)選ばされたわけです。つまりは、いかなる投票行為に及んだとしても、緊縮財政は継続します


 ちなみに、ギリシャは7月20日の時点で付加価値税が引き上げられ、しかも生活必需品の税率が23%(それまでは13%)にされました。結果的に、景気がさらなる落ち込みを見せるのは確実です。


 直近のデータである5月の数字を見ると、ギリシャの失業率は25%に「下がっている」のですが、すでに反転していることは間違いありません。何しろ、ギリシャは未だに銀行からの引き出し制限を続けているのです。

 また、相変わらずギリシャへの地中海難民の流入は続いており、20日には難民46人を乗せたゴムボートがフェリーと衝突。子供を含む、少なくとも13人が死亡しました


 今年のギリシャはマイナス成長が確実視されており、さらなる所得減と高失業率の継続で、「ギリシャからの移民」も増えていくことになります。国内では食っていけないギリシャ人たちが、ドイツへ、アメリカは、オーストラリアへと渡っていくわけです。ちなみに、オーストラリアのメルボルンには、本国を除くと最大のギリシャ人コミュニティがあります。


 今後のギリシャは、マーストリヒト条約に代表される各種の国際協定や、EUとの合意という「鎖」に縛られ、失業率が高まり、国民が貧困化する中、緊縮財政と難民対応を実施しなければならないのです。ギリシャの場合、ハンガリーのように国境に「壁」を作るといった対応もできません。


 この状況、わたくしはどうしても1930年代の「ドイツ」を思い出してしまうのです。


 大恐慌というデフレ期に失業率が43.3%(桁間違っていません)に高まり、既存の政党がまともな対策を打てず、誰もが凄まじいルサンチマンを抱え、
「誰でもいい! 何とかしてくれ!」
 と叫び、エキセントリックなことを叫ぶ政治家や政党が興隆し、外国人(厳密にはユダヤ系ドイツ人)を敵視し、国民のルサンチマンを解消する形で権力を握る。言うまでもないですが、ナチス・ドイツのことです


 現在のギリシャは、恐慌並に雇用環境が悪化する中、外国人(地中海難民)が続々と「我らが祖国」に流入し、国内が無政府状態に向かいつつあります。しかも、国際協定や国際合意に縛られ、政府はまともな対策が打てません。


 今回の選挙では、ギリシャ国民は「失望」した段階ですが、次は「憎悪」(既存の政党や難民に対し)に進んでいくのではないかと危惧しています。


 今回も第三党となった黄金の夜明けは、難民の受け入れはギリシャ国民の職を奪うとして、「移民排斥」を訴えていました。第二党になった新民主主義党にしても、国境管理の強化などを主張していましたが、SYRIZAが勝った以上、このままダブリン協定に則り、難民の受け入れを続けることになるでしょう。


 正直、ギリシャの「国力」の限界をはるかに超えていると思います。


 ギリシャがEU・ユーロにとどまり、SYRIZAが緊縮財政と難民受け入れを続ける限り、ギリシャはギリシャ国民にとって「悪い方向」にしか向かいません。ギリシャを愛する一日本国民として、「ギリシャの鎖」が解かれる日ができるだけ早く訪れるよう、願わずにはいられません


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