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『投資のマトリクス①』三橋貴明 AJER2015.8.18(7)

https://youtu.be/l0h3BFFcLOk

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 本ブログで何度も取り上げた通り、現在の欧州は膨大な地中海難民、及びバルカンからの経済難民(アルバニア、コソボなど)の流入で大揺れに揺れています。「ヨーロッパ」の現在の理念によると、各国は多文化、多民族を受け入れ、公正に扱わなければならないということになっています。


 特に、政治難民に対しては、ダブリン協定に基づき、「最初に受け入れた国が、責任をもって十分なケアを実施する」という話になっているわけですが、当たり前の話として「地理的な問題」で不公平が生じます。地中海難民が「ドイツ」にたどり着くことは、まず不可能です。主に、イタリア、ギリシャが「最初に受け入れた国」にならざるを得ないのです。


 さらには、現在、欧州に向かう難民の多くがイスラム教徒という問題もあります。一応、欧州はキリスト教文化圏(カトリック、プロテスタント、オーソドックスが混在していますが)です。


 文化、伝統、ライフスタイル、価値観、さらには言語や宗教までもが異なる難民が、数十万(ドイツだけで今年40万人超が流入するそうです)単位で押し寄せてきているというのが、現在のヨーロッパなのでございます。


 特に、ロシアのくびき(ソ連とワルシャワ条約機構)から逃れ、「ヨーロッパ」に参加しようとしている旧東側諸国が、
自分たちが、一体何に飛び込もうとしているのか?
 についてようやく気が付き、愕然としているようでございます。


 スロバキアが200人のシリア難民を引き受けることを表明したのですが、
キリスト教徒に限る
 と、条件を出し、「ヨーロッパ」の理念を大きく揺るがしました。


移民危機で分断されるEU、東西の反目深まる
http://jp.wsj.com/articles/SB11231315501785473630904581180122789746888
 欧州連合(EU)諸国が数十万人に上る移民流入への対応を迫られるなか、スロバキアは200人のシリア難民を受け入れると明らかにしている。ただし、それも条件付きだ。
 その条件とは、この200人は全員、キリスト教徒でなければならないというものだ
 スロバキア内務省の報道官は、「スロバキアにはモスク(イスラム教礼拝所)がない」と説明。スロバキアにはイスラム教徒がほとんどいないため、イスラム教徒の移民はくつろげないだろうというのがその理由だ。
 こうしたことは、EUの移民危機が多文化主義を掲げる西欧の理想に挑戦状をたたきつけている一例に過ぎない。EUでは統合の意味や負担の分担、共通の価値感をめぐり、大きな議論が巻き起こっている。

 中欧やバルト諸国の政治家は、殺到する移民に慣れていない有権者たちの反発に直面し、中東やアフリカ、バルカン半島諸国からの移民流入の増加は西欧の問題だと主張している。
 その結果、イタリアやドイツといった当初からのEU加盟国と比較的新たな加盟国である東欧の旧社会主義諸国の対立が深まっている。EU当局者がギリシャやイタリアで立ち往生している数十万人の移民の一部を他国に移す取り組みを見直すなか、今後は対立が一段と強まりかねない。(後略)』


 改めて考えてみると、東欧諸国は地政学的に「ロシア」と「多文化共生主義のヨーロッパ」のいずれかを選択することを迫られてしまっているわけです。個人的には、結構きつい選択だと思います。


 もちろん、ハンガリーのように独自の道を進むという選択もあります。ハンガリーはすでにセルビアとの国境沿い175キロメートルに、フェンスを建設しています。今月中に完成させる予定とのことです。


 明らかにダブリン条約違反です。ギリシャに渡った地中海難民が、バルカン半島を北上し、セルビア、ハンガリー経由でオーストリアに抜けるのが合理的であるため、ハンガリーはバルカンルートの「ヨーロッパへの入り口」になってしまうのです。今年前半、ハンガリーで亡命申請を出した政治難民は10万人を超える状況になってしまっています。


 欧州対外国境管理協力機関が8月18日に発表したところによると、7月にEU域内に入ってきた移民が月間記録の10万7500人に達したとのことです。昨年同月と比較すると、三倍以上です


 ちなみに、8月11日にはギリシャ東部のコス島で、警官らが移民グループを警棒で殴り、消火器を噴射するという騒動が起きています。アテネに渡るための文書発効を求めた移民らと、彼らを収容先に移送しようとした警官隊が衝突したのです。


 コス島はトルコに近く、やはり「ヨーロッパ」への玄関となってしまっており、毎日、数百人の移民が上陸している状態です。コス島の市長は、
流血の事態になりかねない
 と、悲鳴を上げています。


 結局のところ、問題は「多文化主義・ヨーロッパ」と「ユーロ・グローバリズム」という二つの考え方に基づき、「国境」という規制を緩和した結果、「国民の豊かさ・幸福」という経世済民を追求できなくなってしまったのが、現在のヨーロッパ、という話です。


 日本でも、多文化共生主義などと寝言を主張する地球市民、「利益」以外には価値観を持たないグローバリストたちにより、「ヨーロッパ化」が進んでいます。最終的には、我が国も欧州のように「国民」と「それ以外」が日常的に衝突する国と化してしまうでしょう。


 わたくしは「日本も外国に見倣って・・・」などと主張する連中が大嫌いです。なぜなら、現在の日本が学ぶべき国など、地球上に一つもないことを知っているためです。


 それでも、今回ばかりは痛切に思います。日本は「ヨーロッパ」に学び、国境という規制を緩和するグローバリズムを抑制しなければなりません。国民国家「日本国」を守るために。


「国民国家としての日本国を守ろう」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを! 

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