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『投資のマトリクス①』三橋貴明 AJER2015.8.18(7)

https://youtu.be/l0h3BFFcLOk

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 昨日の株式市場は、景気減速を受け、夏休み明けに安倍政権が補正予算を組む「のではないか」という期待から、建設株が大幅高になりました。と言いますか、当たり前の話として補正予算が組まれなければならない局面です。


 先日も書きましたが、安倍政権は当初予算で公共事業関係費をほとんど増やしていません。このまま補正予算を組まなかった場合、普通に「緊縮財政」という事になってしまいます。デフレ期に、消費増税と公共事業費削減。まさに、橋本龍太郎政権そのままです。
 
【日本の公共事業関係費の推移】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_50.html#Kokyo


 愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言いますが、経験にも歴史にも学べない安倍政権は、果たして何と呼ぶべきなのでしょうか。


 思えば一年前の今頃、政府は、
「消費税増税で一時的に景気が悪化したが、V字回復する!」
 と、言い張り、それでも景気が回復しないことを受け、やれ天気のせいだ、やれ自然災害のせいだと言い訳していたわけですが、こと経済については安倍政権は平気でウソをつきます。せめて、日本国民は一年前の経験からは学べる愚者になるべきでしょう。


 というわけで、このたび「エアコンのせいだ<NEW!」が加わったわけですが、少し真面目に(政府がやらないので)我が国の景気低迷について考察してみましょう。


【日本の実質賃金と実質消費の推移(対前年比%)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_49.html#JCS


 上記の通り、消費税増税後の日本の実質消費は、ひたすら低迷を続けました。2015年5月にV字回復しているように見えますが、それは2014年5月の落ち込みがひどかった反動です(本グラフは対前年比)。逆に、2015年3月の落ち込みは、14年3月の駆け込み消費の反動になります。


 いずれにせよ、日本国民は中期的に実質消費を減らし続けています。すなわち、朝日新聞チックなレトリックを使うと、
「ご飯を食べられなくなっていっている」
 という話なのでございます。この時点で、政府は「政府失格」です。国民の実質消費を減らすとは、そういう意味なのです。


 実質賃金の方ですが、消費者物価指数がゼロに接近しているため、「決まって支給する給与」がゼロとなりました。要は、「物価が下がった結果、実質賃金がプラス化しそう」というのが現状なのです。

 インフレ目標2%は、どこに消えたのやら・・・。


 ミクロ的に見た正しいデフレ脱却は、例えばインフレ率が2%で推移し、名目賃金が3%のペースで上昇し、実質賃金が1%増の状況が継続することになります。「物価が下がり、実質賃金がプラス化した」ではデフレ脱却にはなりません

 上記の環境(インフレ率+、名目賃金がそれ以上の+、実質賃金+)を実現するためには、いかなる環境が必要でしょうか。もちろん、マクロ的にはインフレギャップ(総需要>供給能力)、ミクロ的には人手不足です。


 人手不足の環境で「十分な給与」が支払われる状況になれば、上記の環境に近づきます。例えば、介護分野や医療分、インフラ整備野など、需要が拡大し、人手不足が深刻化しようとしている産業に、「給与を高める」形で政府がおカネを使うべきなのです。


 ところが、現実の安倍政権は公共事業は増やさず、介護報酬は削減(!)、次は医療費抑制を狙っているというわけで、これでデフレ脱却できたら「日本史上最大の奇跡」になります。

 しかも、日本国民のデフレマインドは深刻で、当座のデフレギャップを埋める補正予算は当然として、中長期的に「安定的」な消費拡大には、なかなか踏み込まないでしょう。消費税増税という財政出動により、国民の消費マインドを叩き落とした以上、継続的な財政政策も必要です。


 すなわち、消費減税か所得減税(特に、消費税の影響をまともに受ける中間層から貧困層)という「継続的」な消費立て直し策です。


 難しことは言っていません。

 補正予算で短期の需要不足を埋めると同時に、中長期的に「安定的」に国民が消費を増やす政策を採れという話に過ぎません。これは、ごく「普通」の経済政策です。


 まあ、普通の政策を打てなくなってしまったからこそ、我が国は長期のデフレーションに苦しめられ、国民が貧困化していっているわけですが、それ以前に、
エアコン様に期待しましょう
 といった、国民を舐めているとしか思えない言い訳を続けるのは、いい加減にやめて欲しいものです。昨年の「天気のせい」「自然災害のせい」は、正しかったのですか?

 ウソをついて、恥ずかしくないのですか? 安倍総理、甘利大臣をはじめとする内閣の皆さん。

 そして、上記の「ウソ」を追求しないことを、職務怠慢に該当するとは思わないのですか? 国会議員の皆さん。あなた方は、何のために代議士になったのですか?


 繰り返しますが、別に難しいことは言っていません。

 ウソをつかず、現実を正しく認識し、対策を打つべきと言っているだけです。それが、我が国の主権者である日本国民として、過大な要求になってしまうのでしょうか?


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