川内原発再稼働

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『ドイツ第四帝国①』三橋貴明 AJER2015.7.21

https://youtu.be/mR1pvzlOzbU

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 ようやくのことで、川内原発が再稼働しました。とはいえ、日本のエネルギー環境の「正常化」という観点から見ると、100メートル走の第一歩に過ぎません。


 今後、四国電力の伊方原発が再稼働に向かうと思いますが、関電の高浜原発は、原子力規制委員会の審査はクリアしているにも関わらず、例の再稼働差し止めの仮処分により、再稼働できません


 さらに、川内原発、伊方原発、高浜原発と、全てPWR(加圧水型原子炉)になります。PWR型は、今後、規制委員会の審査をクリアしていくと思いますが、需要が多い東京電力や中部電力はBWR(沸騰水型原子炉)です。BWRについては、今のところ一基も再稼働の目途すらつかない状況です


再稼働の川内原発「臨界」到達…14日発電開始
http://www.yomiuri.co.jp/science/20150811-OYT1T50118.html
 九州電力は11日、川内せんだい原子力発電所1号機(鹿児島県薩摩川内市)を再稼働させた。同日午後11時、核燃料が一定の熱を出し続ける「臨界」に達した。
東日本大震災後の新しい規制基準に基づく初めての原発の稼働となる。2013年9月に関西電力大飯原発4号機(福井県おおい町)が停止して以来、国内の原発が1年11か月ぶりに発電を始める。

 この日午前10時半、川内原発の中央制御室の担当者が、遠隔操作で原子炉内の核分裂反応を抑える制御棒を引き抜く作業を始めた。九電によると、午後11時現在、トラブルはない。九電は臨界後、14日に発電と送電を始め、20日頃に出力100%の運転に移行する。
 川内1号機は11年5月、定期検査で停止した。必要な検査が終了し、今月10日に再稼働することもできたが、停止期間が4年3か月と異例の長さだったため、不測の事態を避けようと余裕を持って対応した。』


 ちなみに、三橋は別にイデオロギー的な「原発推進派」とやらではありません。いわゆる「脱原発」を果たしても、我が国のエネルギー安全保障が維持・強化されるならば、別に原発を動かさなくても構いません。


 目的はあくまで「電力の安定供給」「エネルギー安全保障確立」であり、原発稼働そのものではないのです。当たり前です。


 とはいえ、現実に「脱原発」を実現したいならば、
「代替エネルギーや蓄電技術への投資」
「使用済み核燃料の再処理や地層処分への投資」
「廃炉技術確立のための投資」
 等々、莫大な資金を「技術開発」に投じる必要があります。技術開発投資なしでは、脱原発など実現できるはずがないのです。


 それでは、誰が脱原発のための技術開発におカネを投じるべきでしょうか。もちろん、電力会社です。

 ところが、電力会社は原発を停止しているため、資金的な余力がありません。何しろ、原発一基稼働させるだけで、約900億円の収支改善効果があるのです。


 さらに、原発を再稼働しないため、我が国の国民が稼いだ「所得」が、LNGや原油購入代金として外国に流出しています。つまりは、貿易赤字の拡大です。貿易赤字が拡大すると、GDP上の純輸出が減る(もしくは純輸入が増える)というわけで、国民経済的には需要縮小効果になります。すなわち、デフレを深刻化の方向に導きます。

 さらに、電気料金の上昇は、家計の消費や企業の投資にマイナスの影響を与えることになるわけです。


 しかも、電力会社は原発を再稼働しない状況で「利益」を出すことを求められ、東電などは送電線網のメンテナンスコストを削減し、無理やり黒字決算にしています。インフラのメンテナンス費用を削ると、将来的に何が起きるのか、今更書くまでもありません。


 というわけで、現時点では原子力発電所を再稼働し、電力会社に余力を生み出し、インフラの強化や各種の技術開発投資におカネを投じてもらい、同時に所得の外国への流出を食い止め、消費者(家計・企業)の負担を減らし、同じく「投資」におカネを投じることが可能な環境を作る必要があります。

 しつこいですが、わたくしはイデオロギー的に上記の類のことを書いているわけではありません。理性的、論理的に「代替策」を主張できるならば、是非ともそうして下さい


 エネルギー安全保障に限らず、安全保障関連の問題を「感情的」に解決しようとすると、将来に禍根を残します


 世論調査では原発再稼働については「反対」が「賛成」を上回っている状況です。もちろん、世論調査に従ってエネルギー安全保障関連の決断を政府にされた日には、最終的には国民が悲惨なことになるケースも出てきます。


 いずれにせよ、我が国のエネルギー政策が「正常化」したとは、とても言えない状況です。将来に渡り、我が国のエネルギー安全保障を維持するために、感情的ではなく、理性的、論理的な議論をするべきだと思うのです。



「理性的、論理的な議論をしよう」に、ご賛同下さる方は、 ↓このリンクをクリックを! 

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