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『ドイツ第四帝国①』三橋貴明 AJER2015.7.21

https://youtu.be/mR1pvzlOzbU

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※三橋も決起人を務めさせて頂いております「全国ふるさと甲子園(8月7日)」のご案内です。三橋も参りますので、皆様、是非、お越しくださいませ。

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 明日は6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/


 さて、ようやくTPPですが、7月31日に大筋合意に至らないまま閉幕した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の閣僚会合ですが、ニュージーランドのグローサー貿易大臣の言葉が「象徴的」だと思いました。


我々はすべての関税をなくしたい


 そもそも、「自由貿易」というならば、原則論からしてグローサー貿易大臣の言葉が正しいわけです。三橋は必ずしも「自由貿易」に賛成しているわけではありませんが(くどいですが、あらゆる政策はタイミングにより善にも悪にもなります)、自由貿易とは何だ? と、問われるならば、グローサー貿易大臣の言葉が正解だと思います。すなわち、「全ての関税をなくす」です。


 ノーベル経済学者のジョセフ・スティグリッツ教授は、TPPについて以下の通り語っています。


「もしある国が本当の自由貿易協定を批准するとしたら、その批准書の長さは三ページくらいのものだろう。すなわち、両国は関税を廃止する、非関税障壁を廃止する、補助金を廃止する、以上」


 「非関税障壁の廃止」は、範囲が広すぎ定義が難しいですが、少なくとも「関税」と「補助金」については明確な話であり、政治的決断で「廃止」できます。


 アメリカの農産物の輸出補助金に代表される補助金を、各国ともに無くす。さらに、各国は農産物の関税を(対TPP諸国で)ゼロにする。わけの分からない数量目標や、セーフガードもつけない。以上。


 ああ、何と分かりやすい「自由貿易」でしょうか。


 実際には、各国ともに自国の産業を「保護」する必要があるため、グローサー貿易大臣の言葉とは真逆の方向、すなわち「貿易の管理」の方向に進んでいるわけです。TPPは、実のところ自由貿易でも何でもなく、いかに各国間のモノ(関税)、サービス(規制)、カネ(投資)の国境を越えた移動の自由を「管理」するのか。いかなるルールにするのか、という話なのです。

 しかも、「ルール」が国民経済の発展、国民が豊かになるために設置されるのであれば、別に反対しないのですが、現実には「特定の企業・投資家」のためのルール作りです。TPPで定められるルールは、必ず「誰かを富ませ、誰かに損をさせる」というタイプのものです。


 典型が、例の医薬品の特許問題です。


 アメリカ側は10年を主張し、新興国などは5年を主張しました。なぜ、アメリカ側は「10年」の特許期間を要求したのでしょうか。もちろん、世界に名だたる製薬会社がアメリカに存在しているためです。当然、早期の段階でジェネリック薬品を「国民のため」に供給したい他の国々とは、利害が対立します。


 結局、TPP交渉は自由貿易でも何でもなく、各国が「自国の企業・産業」のために国益を拡大する「ルール決め」の協定なのでございます。


 甘利大臣は、ニュージーランドの態度に対し、
「頭を冷やしてほしい」
 と、語りましたが、頭を冷やすべきは甘利大臣の方です。何しろ、TPPとは各国が「自国の国益」のためにルール作りをする交渉の場であり、「仲良しこよしの町内会」でも何でもありません。むしろ、ニュージーランドの態度こそが、「国益(ニュージーランドの国益)」を守るという意味では、正解なのでございます。


 結局、日本サイドが「交渉を妥結する」ことが目的化していることが問題なのだと思います。


首相 TPP次期会合で大筋合意を
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150803/k10010176561000.html
 安倍総理大臣は、ハワイで開かれていたTPP=環太平洋パートナーシップ協定の閣僚会合から帰国した甘利経済再生担当大臣と会談し、次の閣僚会合での大筋
合意の実現を目指し、各国との調整や協議に全力を尽くすよう指示しました。
 おとといまでの4日間ハワイで開かれたTPPを巡る交渉12か国の閣僚会合は、目標としていた大筋合意に至らず閉幕し、2日に帰国した甘利経済再生担当大臣は、総理大臣官邸で安倍総理大臣に協議の結果を報告しました。
 この中で、甘利大臣は「関税の取り扱いの一部や、バイオ医薬品の開発データの保護期間などの知的財産、国有企業と民間企業の競争条件の是正などが全部終わるところまでいかず、大筋合意と言えるだけの詰めができなかった」と説明しました。そのうえで、甘利大臣は「かなり前進はあったが、残された課題を次の会合までに詰めるという結論になった」と報告しました。
 これに対し、安倍総理大臣は「残された論点を詰めきって、次の会合が開かれるよう期待している。それに向けて頑張ってほしい」と述べ、次の閣僚会合での大筋合意の実現を目指し、各国との調整や協議に全力を尽くすよう指示しました。(後略)』


 日本側は今回、ほぼ全ての「譲歩カード」を切ってしまいました。というわけで、今後の日本は「一切の譲歩なし」で、ニュージーランドなどと交渉に当たらなければなりません。そして、日本側が「早期の妥結」を望む姿勢を見せれば見せるほど、交渉相手国(アメリカ含む)は更なる譲歩を迫ってくるでしょう。


 今回の交渉決裂を機に、日本側はTPPの交渉内容について国民にディスクローズするべきです。それが無理ならば、せめて国会議員だけでも情報にアクセス可能とし、「交渉離脱」というカードを持ち、交渉に当たらなけれあなりません


 そして、何よりも大事なことは、
別に、我が国はTPPに参加する必要はない
 という態度を示すことです。実際問題として、日本はTPPに参加する必要はありません。と言いますか、特定企業の利益目的の「管理貿易」あるいは「非・自由貿易」に、なぜ日本が参加しなければならないのか、意味が分かりません


 とりあえず、日本国民は「日本はTPPに参加する必要がない」と認識することです。そうすることで、逆に日本の交渉力は高まります。ちなみに、わたくしは「交渉術」を書いているだけで、日本がTPPに参加するべきだとは微塵も思っておりませんので、念のため。


「日本はTPPに参加する必要はない」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!
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