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『ドイツ第四帝国①』三橋貴明 AJER2015.7.21

https://youtu.be/mR1pvzlOzbU

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※三橋も決起人を務めさせて頂いております「全国ふるさと甲子園(8月7日)」のご案内です。三橋も参りますので、皆様、是非、お越しくださいませ。

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  本日は17時55分からBSスカパー「チャンネル生回転TV Newsザップ!」に出演します。
http://www.bs-sptv.com/zap/


 さて、わたくしは安倍政権の間違ったデフレ対策(というかインフレ対策)について猛烈に批判していますが、理由は単に間違っているためです。デフレ期の増税、介護報酬引き下げ等の政府支出削減、レント・シーキング目的見え見えの構造改革(農協改革、発送電分離等)、実質賃金を引き下げる労働規制の緩和、外国移民受入拡大、そしてTPP。


 上記のグローバリズムに基づく「改革」は、過去に欧州が実施した社会実験であり、現在は失敗があまりにも明らかになった「時代遅れの政策」なのです。いや、本当に、ギリシャやユーロ圏の惨状を見ながら、今更グローバリズム的な政策を推進するって、何周、周回遅れになっていることやら・・・。


 無論、実際には政策自体に新しい、古いなどというものがあるわけではありません。その時代の問題の解決策として正しければ、それでいいのです。国民の実質賃金が下がり、貧困化していくデフレーションという問題を抱えている国にとって、さらに国民を貧困化させる政策は「全て間違い」というだけの話です。


 そして、現実に安倍政権が主に国民貧困化政策ばかりやっているように見えるので、批判しているわけでございます。(ちなみに、株価上昇と所得拡大は、直接的な関係はありませんので、あしからず。資産効果を強調したい人は、いくらの株価上昇がGDPを何パーセント成長させるのか、数字で示して下さい)


 もっとも、実は中長期的に見た場合、日本国は「経済成長」「働く国民(生産者)が豊かになる(=実質賃金が上昇する)」国に戻れる絶好の機会を迎えていることになります。


 本当かいな、と、思われた方は、現在のギリシャの「ある問題」を見れば、理解できるはずです。すなわち、ギリシャの若年層失業率は60%超。若い世代の失業者が、極端に増加しているのです。


 今後のギリシャでは、間違いなく「ブラック企業」の問題が始まることになるでしょう。同時に、ブラック企業にすら就職できない若い失業者は、モノやサービスを生産する供給能力、「経済力」を身に着ける機会がないまま、年老いていくことになります。


 将来のギリシャは、働いたことがない国民が多数を占めるようになり、モノやサービスを自国企業、自国人材で生産することが不可能になります。すなわち、発展途上国化します

 翻って、我が国。


政府税調、所得税改革へ議論本格化 社会構造の変化検証
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS17H6G_X10C15A7EE8000/
 首相の諮問機関である政府税制調査会(会長・中里実東大教授)は17日、所得税改革の具体的な議論に入った。過去数十年で社会構造がどう変わったかを検証し、低所得の若者や共働き世帯の増加に税制が適合しなくなっている実態を確認した。勤労者が高齢者を支える現行のしくみを見直し、年齢にかかわらず豊かな人から経済力の低い人に所得を再配分すべきだという意見が多かった。
 財務省が会議に出した資料によると、総人口に占める15~64歳の生産年齢人口の比率は1990年の69.5%から2015年には60.7%まで下がり、高齢者の比率は12.0%から26.8%に高まる。会議に出席した小塩隆士一橋大教授は「(年金への所得税を減らす)公的年金等控除を見直すべきだ」と訴えた。(後略)』


 相変わらず、政府はピントの外れた議論をしていますが、ポイントは生産年齢人口対総人口比率が、いよいよ60.7%となり、六割を切る直前に至ったという点です。恐らく、2016年に60%を割り込むことになるでしょう。


【日本の総人口(左軸:千人)と生産年齢人口対総人口比率(右軸)】



 すなわち、今後の日本では生産年齢人口、特に「若年層」の労働力が貴重なものになっていくのです。現時点で、若年層失業率は5.5%(15年5月)ですが、普通に4%を切ってくると思います。


 若い労働力が貴重になれば、当然ながら彼ら、彼女らの所得は改善し、雇用も安定化します。そうすると、将来的には結婚が増え、少子化も解決に向かうことになります。

 同時に、日本の「生産年齢人口対総人口比率」の低下は、日本の雇用環境を完全雇用へと導き、企業経営者や政府に「生産性向上」を促します。すなわち、日本は高度成長期同様に「生産性向上で経済成長する」という、オーソドックスな成長局面を迎える可能性が高いのです。


 若年層失業率60%超のギリシャ。若年層失業率が5%台で、さらに下がることが確実な日本。実に対照的なのでございます。


 問題は、日本の政治家、官僚、学者といった政策に対する影響力が大きい日本人たちが、生産年齢人口対総人口比率の低下を受け、
「だから、外国移民を入れなければならない」
「だから、労働規制を緩和しなければならない」
 と、的外れどころか問題を悪化させる政策ばかりを提言し、推進されようとしている点です。


 何で、そうなるんですか。

 人手不足に対する対処法は、生産性の向上です。そして、インフレギャップ下の生産性向上こそが、経済成長をもたらすのです。具体的には、人手不足を埋めるための設備投資、人材投資、公共投資、そして技術開発投資をやる。これが正解なのです。


 要するに、「給料を上げるのが嫌だ」という話なのでしょうが、企業単体で見れば、それは生産年齢人口対総人口比率の低下は、人件費上昇要因でございます。とはいえ、国民経済全体から見れば、
働く生産者の所得が上昇し、雇用安定化をもたらす絶好のチャンス
 なのでございます。1998年以降の日本は、所得下落と雇用不安定化という病に苦しめられてきたわけですが、それが人口構造上、解消しようとしているのに、なぜ政治家や官僚、学者たちは問題解決を妨害する(というか、悪化させる)政策ばかりを推進するのでしょう。


 要するに、日本は「グローバル市場に頼らなければ成長できない」という、自虐主義に染まりきっているわけです。だから、グローバルな価格競争力を引き下げることになる人件費上昇は嫌だ、と。もちろん、安倍総理にしても例外ではありません。


 日本は今、人口構造の変化により、「働く国民が豊かになり、雇用が安定化する経済」を取り戻そうとしているのです。同時に、それを妨害する政策(構造改革、労働規制緩和、外国移民受入拡大等)ばかりが推進されている。


 別に煽りたいわけでも何でもないですが現在の日本は「正念場」を迎えているのでございます。


「人手不足への対処は生産性向上で!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!
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