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『日銀当座預金の正体①』三橋貴明 AJER2015.5.19(7)

https://youtu.be/I8KgC0MxR_w

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 明日は文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/


 すでに何週間も「土壇場」「瀬戸際」が続いているような気がいたしますが、瀬戸際のギリシャ情勢が土壇場を(またしても)迎えようとしています


 ギリシャ政府は6月5日、予定されていたIMFへの3億ユーロの返済を延期しました。というよりも、ギリシャ政府は6月中に予定されていた計4回、総額16億ユーロのIMFへの支払いを、6月30日に一括返済する形に変更したのです。(これは、IMFのルールには違反しません)

 とはいえ、5日に3億ユーロを返済できないギリシャ政府が、月末に16億ユーロの手当てがつくなど考えられません。三週間強の猶予期間を経て、この間にEUや国際債権団と「支援延長」の合意に至らなければ、いよいよ「デフォルト」という事になります。ギリシャがデフォルトした場合、かなり高い確率で「ユーロ離脱」という方向に事態は進むでしょう(技術的にどのように離脱させるか、よく分からないのですが)


 ギリシャのバルファキス財務相は、6月8日に「ギリシャの偶発的なユーロ離脱」を回避するためにも、早急な支援合意が必要と、国際債権団に妥協を求めました。まさに、瀬戸際外交です。

 ユーロ側にしても、すでにギリシャのユーロ離脱を「織り込む」動きが始まっています。


ギリシャの離脱、ユーロ圏に大きな問題もたらさず=仏中銀総裁

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0OO1ZS20150608
 欧州中央銀行(ECB)理事会のメンバーであるノワイエ仏中銀総裁は8日、ギリシャがユーロ圏離脱を余儀なくされた場合、ユーロ圏に大きな問題をもたらすことはなく、むしろギリシャにとって問題との認識を示した。記者団に対し述べた。
総裁は、一部で議会の承認が必要なことを考慮すると、ギリシャが債権団と合意するのに残された時間は「数日しかない」と指摘。早急にギリシャは合意に達する必要があるとの考えを示した。(後略)』


 昨日の話とも絡むのですが、共通通貨ユーロとは、
「加盟国が互いに関税なし、為替レートの変動もなしという同じ条件で市場競争を繰り広げ、経済成長を目指す」
 というコンセプトになっていました。すなわち、ユーロ・グローバリズムです。


 まさに、昨日のエントリー通り「切磋琢磨」ではなく、「競争」です。
「同じ条件、同じルールで競争し、勝ち負けをはっきりつける。負け組は自己責任であるため、生産性向上のために努力せよ。」
 という話でございます。


 とはいえ、上記の話には一つ、決定的な「欺瞞」があるのです。何の話かといえば、イギリス、アメリカ、ドイツ、日本といった、生産性が高い先進国は、ことごとく過去に「外国との競争から自国企業が保護された状況」において生産性を高めることに成功した、という点になります。


 イギリスは、インドのキャラコ(綿製品)の輸入を禁止するという保護貿易下で、自国の綿製品の生産性を高めました。(その後、インド側に「自由貿易」を要求し、インドの綿産業を壊滅させた)

 ドイツやアメリカは、高関税で自国市場をイギリス製品から守り、産業を勃興させていきました。

 日本はやや特殊なのですが、海外貿易を制限した江戸時代に生産性を高め、その後、一度開いた欧米との生産性の差を、明治期、大正期の技術導入、設備投資、公共投資で埋め、第一次世界大戦期のアジア市場への輸出拡大で一気に追いつきました


 いずれにせよ、現在の高生産性諸国は「外国との自由貿易」で生産性を高めたわけではないのです。自国の市場、自国の企業を保護し、生産性を高めたわけでございます。


 というわけで、ギリシャがユーロに加盟している限り、同国は「永遠の負け組」なのです。何しろ、あのドイツと「関税」「為替レート」という「盾」なしで戦わなければならず、高生産性という「剣」は存在しないのです。


 ギリシャの生産性が高まらない以上、同国は永遠に貿易赤字、経常収支赤字です。結果的に、対外純負債が拡大し、しかも国債を「ユーロ圏」に発行しなければならず、独仏などの国々と政府が「資金調達の競争」を強いられるわけでございます。当然、ギリシャは「高い金利」でおカネを借りざるを得ないため、財政は初めから持続不可能なのです。


 本来は、現在のユーロの状況は上記の「ユーロ・グローバリズムの欺瞞」が焦点にならなければならないのです。すなわち、ユーロ圏とはドイツのような高生産性諸国が「必ず勝ち組になれる」システムであるという問題です。


 ところが、現実にはおカネの話ばかりがされているため、本日は改めて「ユーロ・グローバリズムの欺瞞」について書かせて頂きました。


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