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『日銀当座預金の正体①』三橋貴明 AJER2015.5.19(7)

https://youtu.be/I8KgC0MxR_w

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 本日は20時からニッポン放送「私の正論」に出演いたします。
http://www.1242.com/timetable02/index.html?tb=weekday


 さて、久しぶりにギリシャ。


ギリシャ、債権者に譲歩求める-IMFへの返済期限迫る中
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NOVHDL6S972801.html
 来月初めに再び国際通貨基金(IMF)への返済期限を迎えるギリシャは債権者に対し、資金繰りに苦しむ同国への融資再開に向け要求を緩和し行き詰まりを打開するよう求めた。
 ギリシャのチプラス首相は23日、同国は緊縮措置をこれ以上受け入れることはできないと言明。バルファキス財務相は24日、ギリシャ政府はユーロ圏とIMFとの交渉で隔たりの4分の3まで歩み寄ったとし、残りは債権者側が妥協すべきだと発言した。ブーチス内務・行政改革相は同日のメガTVとのインタビューで、合意に至らなければ6月のIMFへの返済は不可能であり、行わないと述べた。ただ同相には経済に関する決定権限はない。 』


 改めて、イギリスのEU離脱問題と、ギリシャの財政問題は根っこが同じです。あるいは、我が国において適切なデフレ対策が打たれず、むしろ増税や政府支出削減が進んでいる理由も、やはり根っこが同じです。


 すなわち、「グローバリズム v.s. ナショナリズム」の争いです。


 グローバリズムと一言でまとめてしまいましたが、より具体的に書くと、
国境を越えて生きていくことが可能な個人、現代のグローバル言語である英語で生きていくことが可能な個人、所得よりも資本利益で生きていくことが可能な個人に有利な形で、モノ、サービス、カネ、ヒトの国境を越えた移動の自由を推進する」
 という考え方になります。「国民」ではなく「個人」とした点にご注目してください。グローバリズムとは、最終的には共同体を否定した、究極的な個人主義に行き着きます


 逆に、ナショナリズムは、共同体、特に国家という共同体を重視し、
国境を越えて生きてくことが不可能な国民、日本語(日本の場合)で生きていく国民、資本利益よりも所得で生きていく国民に有利な形で、政府の主権に基づき、各種の規制や自由貿易、公共サービス等をコントロールする」
 という考え方です。


 税制一つとっても、グローバリズムの下では、
「国境を越えて生きていく国民・企業からではなく、国境を越えて生きていくことが不可能な国民から徴収する」
 という形になります。すなわち、法人税減税(あるいは富裕層減税)と消費増税です。法人や富裕層の課税を重くすると、「企業や富裕層が外国に逃げてしまう(実際にはほとんど逃げないのですが)」とのレトリックが使われ、法人税や富裕層に対する課税が緩和され、消費税(本当は「人頭税」が望ましいのでしょうが)で減税分を補填する。という考え方なのです。


 堤美果さんが「沈みゆく大国 アメリカ」で指摘していましたが、過去の我が国において「減った法人税」と「増えた消費税」はほぼ同じになります。消費増税は実際には社会保障とは関係なく、単に「法人税減税分の補てん」なのでございます。


 さて、イギリスでEU離脱が取り沙汰されているのは、EUに加盟している限り「ヒトの移動の自由(移民問題)」に制限をかけることが困難であるためです。すなわち、イギリスは「ヒトの移動の規制」という主権を取り戻したいのです。


 ギリシャの場合は、もちろん「金融主権」と「財政主権」の奪還です。失業率が未だに25%を上回っている状況で、緊縮財政を強行することは、チプラス政権には困難です。そもそも、公約違反でもあります。


 ギリシャ政府は、今週の29日までに公務員給与と年金を支払わねければならず、翌週にはIMFへ3億ユーロを返済しなければなりません。

 というわけで、ギリシャ問題の解決方法は二つ。


1.ギリシャがユーロから離脱し、「ユーロ建て」対外債務をデフォルト。通貨暴落(=国民貧困化)により、国際的な価格競争力を回復し、対外純負債を返済していく
2.ギリシャがユーロに残留したまま、国内向け(年金や公務員給与)ついてはに「政府証券(要は政府の約束手形)」で、外国(IMFなど)向けにユーロで支払い、二重通貨状態でとりあえずしのぐ


 いずれの道も、それこそ「大改革」的な解決策になってしまい、ユーロ側としても受け入れられません。というわけで、
「ギリシャ、カネ返せ! 改革案提示しろ! 緊縮財政実施しろ!」
「カネは返せないけど、改革案や緊縮の面で譲歩しろ!」
 と、まさに「グダグダ」と呼べる状態が続いているわけでございます。


 ドイツのショイブレ財務大臣は、
「問題の根はギリシャ側にある。同国が公約を実行しなければならない」
 と、交渉の余地が「ほとんどない」との認識を示しました。
 いずれにせよ、大元の「グローバリズム」の問題を解決しない限り、小手先で何をやっても事態は改善しないでしょう。


 現在の世界が、まさに「過渡期」にあることが、ギリシャ問題を見ていると分かります。結局のところ、世界は各国が「自国の主権」をある程度は維持していない限り、安定しないという話です。


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