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『経済力の正体①』三橋貴明 AJER2015.4.21(7)

https://youtu.be/gWHDwLEE4fs
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一般参加可能な講演会

5月9日(土) 熊本市国際交流会館 18時00分より三橋貴明講演「日本と台湾の明るい未来を築くためには
5月15日(金) 19時30分より『Voice』特別シンポジウム『日本の資本主義は大丈夫か――グローバリズムと格差社会化に抗して』
パネリスト:小浜逸郎、三橋貴明、中野剛志
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 「月刊WiLL (ウィル) 2015年 06月号 」に連載「反撃の経済学 アベノミクス2013の失敗」が掲載されました。


 詳しくは、間もなく徳間書店から刊行される予定の単行本を読んで欲しいのですが、安倍政権は今年中に、
日本の運命を変える決断
 を下さなければなりません。


 まあ、政治的決断というのは、いずれにせよ国家の運命を変えるのですが、特にインパクトがある決断です。

 すなわち、国際リニアコライダーの国内建設の決定になります。
 
ILC 海外広報が候補地視察…一関
http://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/news/20150423-OYTNT50179.html
 海外の素粒子物理研究所の広報担当者が23日、巨大実験施設「国際リニアコライダー(ILC)」の建設候補地となっている一関市などを視察した。
 県によると、視察したのは欧米や中国など7か国9研究機関の12人。一関市の市街地を見た後、施設中心部に近い同市大東町大原を視察し、周辺の自然や地盤について県の担当者から説明を受けた。
 視察後、ドイツの電子シンクロトロン研究所のバーバラ・ワームバインさんは「良い場所だと思った。研究所のニュースレターなどで情報発信していきたい」と話していた。24日は、平泉町や奥州市の視察が予定されている』


 相変わらず、日本のマスコミの報道は適当なので、何のことか分からないと思います。


 まずは、「高速加速器」について知ってください。つくばの高エネルギー加速器研究機構(KEK)や欧州原子核研究機構(CERN)などに、現在、回転式の高速加速器、すなわち電子と陽電子を光速にまで加速し衝突させる「機器」が設置されています。


 つくばKEKのSuperKEKBは円周3キロメートル、CERNの大型ハドロン衝突型加速器(LH」C)は何と円周27キロメートルです。LHCの場合は、だいたい山手線と同じ規模と考えれば、スケールが分かると思います。

 SuperKEKBは円周3キロの円形加速器に電子と陽電子を投げ込み、回転させるつつ加速し、衝突点で衝突させ、発生したエネルギーを観測することで「宇宙開闢の謎」を解明しようとしているわけでございます。


 細かい話は単行本の方を読んで頂ければいいのですが、高速加速器や粒子物理学の研究からは、様々な派生技術が生まれ、世に広まっていっています。


 例えば、電子の発見がエレクトロニクス産業の、量子力学がライフサイエンス・ナノテクノロジーの基盤となりました。ガン治療の切り札と期待される陽子線治療をはじめ、医療診断装置や粒子線治療も素粒子物理学の研究から産まれました。


 加速器が作り出す放射光は、創薬技術を牽引し、電子線滅菌装置は、医療・食品衛生の技術的基盤となっています。また、実はインターネットのWeb技術も、素粒子の研究から発明されたものだったりします。


 ところで、回転式の円形加速器には、カーブのたびに粒子に加えたエネルギーが一部喪失してしまうという欠陥があります。既存の加速器よりも高速で粒子を加速するためには、円形ではなく「直線形(リニア)」にするのが理想的であると考えられているのです。


 というわけで、直線の加速器「ILC(国際リニアコライダー)」の建設候補地の一つになっているのが、岩手県一関市から大東町大原にかけた一帯なのです。


 なぜ、日本が候補地なのかといえば、元々、高速加速器の研究で世界をリードしているのに加え、我が国には浜松ホトニクスをはじめ、加速器に必要な超精密機器を製造することが可能な企業(しかも「オンリーワン」な企業)が世界で最も数多く存在しているためです。高速加速器は、驚くほど裾野が広い「産業」なのでございます。


 ILCの全長は、31キロメートルから50キロメートルに達する予定になっています。数十キロメートルの「超伝導加速空洞」の中を、5ナノメートルという超平行ビームを両端から送り出し、加速し、衝突させるわけです。と書いても、何が何だか分からないと思いますが、文句なしで世界最大の精密機器になります。


 ILC建設の効果は明日、ご紹介いたしますが、とりあえず日本は2015年中に、
「ILCを日本に建設するか否か」
 の決断をしなければなりません。2015年に建設決定すると、稼働し始めるのが2020年代中ごろから後半。ちょうど、リニア新幹線「東京-名古屋」間が開通する時期と重なります。


 記事にもある通り、一昨日、海外の研究者たちが一関市や大東町大原を視察しました。ドイツ電子シンクロトロン研究所のバーバラ・ワームベイン氏は、
「国際的研究者が世界中の候補地を見て、北上サイトが一番適切な所とした判断を信用している。私も実際に見て、いい所だと感じた。今後、物理化学者向けのニュースレターで発信していく」
 と語っています。冗談でも何でもなく、世界最大の精密機器が日本で建設される可能性が高まっているのです。


 といいますか、ここまで読んで、
「何でさっさと決断しないの」
 と、思われた方が多いでしょうが、例により「財政」の話が持ち上って来ています。

 またかっ! と、わたくしが思ったのは、言うまでもありません。


「またかっ!!!!」と、思われた方は、

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