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『経済力の正体①』三橋貴明 AJER2015.4.21(7)

https://youtu.be/gWHDwLEE4fs
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一般参加可能な講演会

5月9日(土) 熊本市国際交流会館 18時00分より三橋貴明講演「日本と台湾の明るい未来を築くためには
5月15日(金) 19時30分より『Voice』特別シンポジウム『日本の資本主義は大丈夫か――グローバリズムと格差社会化に抗して』
パネリスト:小浜逸郎、三橋貴明、中野剛志
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 さて、日本銀行のインフレ目標設定から二年目という区切りになる(元々は13年4月に「二年で」と、インフレ目標が始まったので)15年4月も終わろうとしています。


 二年で2%というインフレ目標を達成できないどころか、消費税増税分を除くとコアCPI、コアコアCPIが共に「ゼロ」に戻ってしまっているため、関係者がグダグダと言い訳を始めるとともに、さすがに「説明責任」を求める声が上がってきました。当たり前ですが。


 結局のところ、過去二年間の「日銀の失敗」のポイントは、以下の二つに絞られると思います。


1.日本銀行の量的緩和(マネタリーベース拡大)から、需要創出に向かう道が不明確(「期待」とか「資産効果」とか、定量的に計算できない話を持ち出した)


2.日本銀行のインフレ目標が「生鮮食品を除く消費者物価指数」すなわちコアCPIで設定されているため、原油価格に振り回される


金融政策は円安あてにせず、原油安が期待に影響すれば対応=日銀総裁
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0NE0AD20150423
 黒田東彦日銀総裁は23日午前の参院財政金融委員会で、円安をあてにして金融政策を運営しているわけではない、と語った。原油価格の急落を受けて物価上昇率は鈍化を続けているが、原油安そのものに対応して金融政策を動かすことはないと述べる一方、原油安がインフレ期待に影響するリスクがあれば、政策対応するとの認識を示した。
金融緩和に伴う円安進行が物価上昇に寄与しているが、黒田総裁は「金融政策はあくまで物価安定目標の実現を目指したものだ。その過程で為替が振れることはあり得る」とし、日銀は「円安をあてにして、金融政策を運営しているものではない」と語った。
昨年夏場以降の急激な原油価格の下落を受け、消費者物価(除く生鮮食品、コアCPI)の前年比上昇率は消費税率引き上げの影響を除いたベースでゼロ%まで低下している。2%目標とのかい離が広がっているが、黒田総裁は、原油安は長い目でみて経済にプラスの効果をもたらすとし、原油安そのもに対応して金融政策を動かすことはしないと指摘。(後略)』


 実は、日銀には上記に加えて、指標的問題が「二つ」あります。一般国民は理解していないでしょうし、マスコミも報じませんが。


3.「物価の変動」の原因として、相対価格が物価指数に影響を与える(与えています)という論旨を否定し続けた岩田喜久雄教授が副総裁に就任しているからか、
短期では原油価格(相対価格)の下落の影響で物価(消費者物価指数)は下がっているが、中長期的には「期待」や「デフレギャップ縮小」といったマクロ経済環境により物価は上昇基調にある
 という、意味不明な説明を黒田日銀総裁が強いられている。


4.上記と絡み、「デフレギャップ」の値が、内閣府が10兆円ほどと公表しているにも関わらず、日本銀行は「ゼロ」と主張している。内閣府も「平均概念の潜在GDP」でデフレギャップを計算しているため、いずれにせよ「現実のデフレギャップより小さい」のは間違いないが、日銀はさらに小さくなっている。


 つまりは、黒田日銀的には、現在は「完全雇用」という認識になっているのです。


【日本の完全失業率と過去三十年の平均失業率(単位:%)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_49.html#sizen


 上記の通り、過去の失業率の「トレンド」を計算すると、過去デフレ期の失業率も平均計算時に入ってしまいます。というわけで、日銀の頭の中では、すでに我が国は「過去のトレンドの失業率を下回っており、完全雇用」という状況になっているのです。


 当然、完全雇用が成立している以上、平均概念の潜在GDPと現実のGDP(名目GDP)が一致しており、デフレギャップはない。ゆえに、物価は上昇せざるを得ない。という考え方というか、理屈です。

 というわけで、
短期的な物価水準の下落は、原油価格急落のせい。中長期的にはデフレギャップが解消しているため、物価は上昇基調
 という、素人にも玄人にも意味不明な説明を、黒田日銀は繰り返していくことになるでしょう。


 さて、日本銀行に突っ込みと提言。


1.そもそも、原油価格の影響を受けるコアCPIでインフレ率を設定している時点でおかしい。コアコアCPIに変更するべき
2.相対価格が物価指数に影響を「与えない」という、現実を無視したファンタジーワールドから脱出するべき。
3.デフレギャップ計算時、平均概念潜在GDPから最大概念潜在GDPに変更するべき。(元々は、最大概念でした)
4.その上で、我が国が需要不足の状態にあり、金融政策のみではデフレ脱却が困難であることを認め、政府に財政出動を要請するべき。


 組織の立場上、財政出動の要請をできないならば、せめてデフレギャップを最大概念で計算し、
我が国は少なくとも○○兆円の需要不足にある。日本銀行は金融緩和を継続するが、金融緩和は需要創出と直結していない
 と、現実を政府に向かって語るべきなのです。


 特に、日本銀行が平均概念潜在GDPでデフレギャップを計算し、「我が国は需要不足の状態にない」などと誤った認識を持たれてしまっては、日本がデフレから脱却する日は永遠に訪れません。
 わたくしの「日本銀行への
4つ提言」、いかが思われたでしょうか。

「四つの提言に賛同する」と、思われた方は、

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