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『混迷の日本①』三橋貴明 AJER2015.1.20(7)

http://youtu.be/MzVOqXpdh0g

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 ポール・クルーグマン教授がNYTで「緊縮財政」を猛烈に批判していました。


『クルーグマン教授、「緊縮財政」をメッタ斬り ドイツの倹約主婦のようになるのは間違いだ
http://toyokeizai.net/articles/-/60520
 FRB(米連邦準備制度理事会)議長のジャネット・イエレンを始め多数のエコノミストが、2008年以降の世界の経済危機はだいたいが「デレバレッジ」に絡んだものだと見ている。つまり、あらゆる地域の人々が一斉に負債を減らそうとしている、ということだ。
 では、なぜデレバレッジが問題なのか。それは、「誰かの収入」は「誰かがおカネを使った結果」だからだ。私が使えば、それはあなたの収入になる。だから、全員が同時に支出を減らしたら、世界中の収入が減ることになる。
 イエレンは2009年にこうも言った。「個人や企業にとっては、使い過ぎに慎重になることは賢明な行動なのかもしれない。実際、経済を普通の状態に戻すにはそれが欠かせない。しかしながら、慎重さは経済全体を苦しめることにもなる」(後略)』


 経済というより、統計の基本原則を理解して下さい。


「誰かの負債は、誰かの資産
「誰かの支出は、誰かの所得」(支出=消費・投資)
「貯蓄(預金、借金返済)は支出ではない


 国内の主要経済主体、すなわち政府、一般企業、家計(及び外国)の全てが資金余剰、すなわち貯蓄を増やした場合、何が起きるでしょうか。貯蓄は支出ではありませんので、「誰かの所得」が激減することになります。「誰か」とは、もちろん日本国民です。そして、「誰かの所得」の合計がGDPになります。


 この地球上の「経済」では、
「誰もが同時に貯蓄を増やす」
 ことは不可能なのです。厳密には「不可能」ではありませんが、GDP激減というカタストロフィは免れません。この辺りの話は、「黄金の拘束衣を着た首相―なぜ安倍政権は緊縮財政・構造改革を推進するのか 」で詳しく解説しておりますので、是非、お読みくださいませ。


 さて、バブル崩壊後に民間の企業や家計が資金余剰状態になっていたとして(日本はなっています)、その状況で政府までもが「プライマリーバランス黒字化!」と、資金余剰を目指したらどうなるでしょうか。確実にGDPが激減することになります


 一つのやり方として、一般企業、家計、そして政府の「資金余剰(貯蓄増加)」の合計分、外国に経常収支の赤字として背負わせるという方法があります(ドイツは、これをやって政府が財政均衡になりました)。とはいえ、13年の値で40兆円にも上る一般企業と家計の「資金余剰」分を、経常収支の黒字(海外の資金不足)で補うなど、できるわけがありません(というか、やってはいけません)。


【日本の企業、政府、家計、海外の資金過不足(単位:億円)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_48.html#Sikinkabusoku


 民間が資金余剰状態になっている以上、政府は資金不足(負債増加)にならざるを得ない。それにも関わらず、「プライマリーバランス黒字化を!」とやっている政府関係者は、総理も財務大臣も、恐らくは官僚たちも、
「誰かの負債は、誰かの資産」
「誰かの支出は、誰かの所得」(支出=消費・投資)
「貯蓄(預金、借金返済)は支出ではない」
 といった基本原則を理解していないとしか思えず、率直に言って恐怖を覚えるわけです。


 それにしても、クルーグマン教授のコラムですが、


「政策決定者らは負債とは何かに関して誤った見方をしており、その誤った見方に基づいて行動してきた。そのため、問題を小さくしようという努力が、逆に問題を悪化させることになったのだ。」


「負債についての誤解があることは、「子供たちにつけを回すな」などのスローガンとともに批判が行われるときに示される。」


「負債が自国からの借入だとすると、それにより経済が貧しくなることはない(また、それを返済しても経済が豊かになることはない)。」


「ドイツのメルケル首相は、質素な生活に戻ることが打開策であると主張した。同首相は、倹約家として有名な「シュヴァーベン地方の主婦」を、欧州は見習うべきだと言い切る。だが、それでは緩やかに大惨事に向かおうとしているようなものだ。」


 などを読むと、
「どこの国も同じなんだなあ・・・」
 と、頭を抱えたくなるわけでございます。


 本日のタイトル「(国の負債を個人の負債になぞらえるという)ひどいたとえによって死去」とは、クルーグマン教授のコラムの最後に書かれている「ユーロへの墓碑」ですが、
国の借金(政府の負債)を家計簿になぞらえるという、酷いたとえにより、中国の属国化
 などという未来が、我が国に訪れないよう、できることは全てやりたいと思っているわけでございます。


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