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『混迷の日本①』三橋貴明 AJER2015.1.20(7)

http://youtu.be/MzVOqXpdh0g

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 本日は三橋経済塾第四期「経済時事」第二回講義の開催日です。ゲスト講師は中野剛志先生


 本日のテーマは「実質賃金の上げ方」「正しい経済成長のスタイル」「トマ・ピケティ」の三種盛でございます。塾生の皆様、よろしくお願いいたします。



カネは返せないけれども、緊縮財政は嫌だ
 と、ユーロ、EU、IMFに対し「瀬戸際外交」を続けているギリシャですが、ユーロ圏財務省会合が開かられる2月16日が「デッドライン」となっています。


ギリシャ問題、16日の合意非常に悲観的=財務相会合議長
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0LH1ZK20150213
 ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のデイセルブルム議長(オランダ財務相)13日、ギリシャの債務問題をめぐり来週16日のユーロ圏財務省会合で合意が得られるか、「非常に悲観的」な見通しを持っていると述べた。
オランダのテレビに対し述べた。ただ同議長は、ギリシャが予算方針の軌道から外れなければ、改革に関する既存の合意を若干修正することは可能と指摘。「それが適切なら、プログラムの変更は可能だ。そうなればわれわれは支援プログラムを延長することができ、ギリシャをめぐる状況は再び安定化する」と述べた。
ただ、事態に進展が見られ、新たな改革が実施される場合のみ支援を行うことができると指摘。過去何カ月にわたりこうしたことは確認できていないとし、ギリシャ政府がまず事態改善に動く必要があるとの考えを示した。(後略)』


 現在のユーロ主要国の長期金利は、以下の通り。


・ドイツ 0.34%
・フランス 0.64%
・イタリア 1.61%
・スペイン 1.55%
・アイルランド 1.19%
・ポルトガル 2.39%
・ギリシャ 9.26%


 と、ドイツやフランスはもちろん、PIIGS諸国の長期金利までもが史上空前の「低迷」状態にある中、ギリシャの長期金利は10%前後で推移し、「独歩高」の状態になっています。


 一昨日のTOKYO MX「モーニングCROSS」で、堀さんが「国の信認が下がると、国債金利が上がるのでは?」という主旨の質問をされ、わたくしは「日本の場合は関係ありません」と答えました。詳しく解説しましょう。


 日本の場合、国債は100%日本円建てです。現在の日本の長期金利が低迷しているのは、デフレで民間の資金需要が不足し、皆さんの預金(銀行への貸付金)の運用先が少なくなっているためです。民間企業がお金をあまり借りない反対側で、国民(及び企業)はじゃんじゃかと預金をしてくる。


 運用先が見当たらないお金が国債に回り、国債金利が下がっているわけでございます。


 注意しなければならないのは、上記の環境下において「銀行」(あるいは生損保、年金基金)からお金を借りる場合、日本政府には「競争相手がいない」という話です。日本円の貸出先が国内になければ、銀行は政府にお金を貸し出すしかありません。


 国債を発行し、日本円を借りる際に、日本政府は他国政府と競争することはないのです。日本円の「最後の借り手」は、日本政府だけです。


 それに対し、ユーロ圏の国々は違います。何しろ「共通通貨」でございますので、ユーロ圏の銀行は、預金者から借りた預金で、自国政府の国債を買う義務はありません。例えば、ギリシャ国内の銀行にギリシャ国民が預金をしたとして、それを「ドイツ政府」に貸し付けても構わないのです。


 すなわち、ユーロ圏の政府はお金(ユーロ)を借りる際に、「競争」があります。ギリシャ政府はドイツ政府やフランス政府と、国債発行時に「競争」をしなければならないのです。


 というわけで、銀行がリスクを取りたくない場合、
「その国が経常収支黒字か? 財政赤字が拡大していないか? 緊縮財政路線を貫くと宣言しているか?」
 といった意味における「国の信認」が影響してくるわけです。

 ギリシャの銀行ですら、ギリシャ政府にカネを貸す義務はないというのがポイントです。経常収支赤字のギリシャの政府が、財政赤字をひたすら拡大していくと、当然ながら「ギリシャの銀行」ですら政府の国債を買うことに逡巡するようになり、国債金利が上がっていきます


 というわけで、現在のギリシャは国民経済が完全にデフレ(民間の資金需要が乏しい)であるにも関わらず、長期金利が高いという奇妙な状況に陥っています。普通の国であれば、ギリシャ以外のユーロ諸国のようにデフレ化で民間の資金需要が細れば、国債金利は下がります(国債が買われるため)。


 いずれにせよ、「国債の信認」やら「国家の信用」やらで国債金利が変動するのは、外貨建てもしくは共通通貨建てで政府が国債を発行している国の話であり、日本は関係ありません(ついでに、アメリカもイギリスもスイスも関係ありません)。


 それにも関わらず、安倍総理は、
「社会保障を次世代に引き渡していく責任を果たし、国の信認を確保するため、10%への引き上げは景気判断条項を付すことなく確実に実施する。そうした経済状況をつくり出す決意で、三本の矢の政策をさらに前へ進めていく(1月28日 参院本会議)」
 と、我が国では全く意味をなさない「国の信認」(そもそも、定義は何なのでしょうか?)という言葉を用い、デフレ化を招く緊縮財政路線を突き進み、我が国を「亡国」へと導こうとしているわけでございます。


 まあ、嘆いているばかりでは始まりませんので、とにかくできることをやりたいと思います。
 それにしても、定義不明な「国の信認」という言葉に引きずられ、亡国の道を突き進むとは、ジョークにしても笑えない話でございますよ、安倍総理。


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