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『混迷するヨーロッパ①』三橋貴明

http://youtu.be/FqrH-77ekms

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 三橋経済塾第四期「経済時事」、開講しました。


 本日が第一回目の講義開催日です。塾生の皆様、よろしくお願いいたします。


 昨日は、自民党滋賀県連志我塾で講演でした。皆さん、本当に勉強熱心で驚きました。


【写真 武藤貴也衆議院議員(左)、二之湯武史参議院議員(右)と】


 さて、少しだけ前進というか、「前進の気配」が感じられるニュースです。


『焦点:財政目標に債務残高GDP比採用へ、成長重視の首相意向で
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0KP0ST20150116
 政府は、6月ごろに基本方針を策定する新財政再建目標に、債務残高のGDP比率を目標値として加える方向で議論を急ぐ。複数の政府筋が明らかにした。
 団塊世代高齢化に伴う社会保障費の膨張や、異次元緩和が出口に向かうケースでの金利上昇などで、2020年代には経済規模に対する国債費増大を管理する必要が高まるためだ。短期的な財政収支の赤字/黒字に過度に縛られず、成長重視に軸足を移したい安倍晋三首相の意向もある。
毎年の財政の赤字/黒字にとらわれ過ぎると、経済が長期的に委縮してしまう」──。安倍首相が2014年11月に10%への消費増税の延期を決め、同時に2020年度の基礎的財政収支の黒字化を宣言した際、首相ブレーンの一人である経済学者は、こう助言し、首相は深くうなずいたという。
8%への消費増税により財政健全化を図ったものの、経済成長が止まり、安倍首相は財政重視に不信感を強めてしまった面があった。このため財政再建だけでなく成長も考慮した指標を加え「複眼的」視点が必要との考えに傾いた、と首相周辺の関係者は指摘する。
基礎的財政収支の目標は、毎年の財政赤字幅に注目が集まり、経済再生に向けた歳出拡大、特に復興や災害対策などインフラ投資が抑制されかねないと首相周辺の学者ブレーンは主張している。複数の関係筋によると、この意見に対し、首相も同調しているという。(後略)』


「基礎的財政収支(プライマリーバランス、以下PB)目標は毎年の財政赤字幅に注目を高め、経済再生に向けた歳出拡大、特に復興や災害対策などインフラ投資が抑制されかねない」
 と、主張している首相周辺の学者ブレーンがどなたか、想像がつくわけですが、先日のチャンネル桜の討論で青木先生が力説されていましたが、PB目標、特に「短期のPB目標」は最悪です。


 そもそも、政府の財政改善の「定義」は、記事にもある債務残高対GDP比の引き下げになります。わたくし風に書くと「政府の負債対名目GDP比率の引き下げ」です。これは、グローバルな定義であり、いわゆるドーマーの定理でも、財政の持続性について「政府の負債対名目GDP比率」の引き下げで決まるとされています。


 実は、ドーマーの定理にせよ、「政府の負債対名目GDP比率」にせよ、「政府の子会社である中央銀行による国債買取」という概念が含有されていません。というわけで、ロジックとしては中途半端だと思うわけですが、とりあえずは「政府の負債対名目GDP比率」の改善(引き下げ)により、財政の持続性は高まると理解されて結構です。


 政府がPB、しかも「短期のPB」に注目してしまうと、できることは「政府の支出削減」か「増税」しかなくなってしまいます。ドーマーの定理によると、政府の負債対GDP比率を決定づける要因は、以下の三つ。


●名目GDP(分母)
●国債金利(分子)
●プライマリーバランス(分子)


 国債金利や名目GDPは、政府の政策に左右されるところは多いですが、厳密に「政府が決定できる」わけではありません。資本主義国である以上、当たり前です。


 それに対し、短期のPBは政府が決められます。例えば、「今年はPBの赤字を4兆円減らす」と、政府が決断し、4兆円分、政府予算を削ることは可能なのです。


 結果的に、デフレの国では名目GDPつまりは「需要」が不足し、国民の所得が縮小。国民の所得が減れば、税収も小さくなり、PBは却って悪化するというドツボにはまることになります


 その上、これが決定的に大事なのですが、財政改善の定義はあくまで「政府の負債対GDP比率の引き下げ」であり、「PB赤字の縮小」や「PBの黒字化」ではないのです。
「PBは黒字化したが、名目GDP(分母)が小さくなってしまった結果、政府の負債対GDP比率は上昇(悪化)した」
 という現象が起こり得るわけです。と言いますか、日本では、
「PBの赤字を小さくした結果、名目GDPが小さくなり、政府の負債対GDP比率が上昇した」
 年が、過去十年だけで何度もあります。


 すなわち、PBを財政の目標に据えることは、
「PB黒字化を追求した結果、デフレを深刻化させ、PB赤字が拡大する
「PB黒字化を追求した結果、政府の負債対GDP比率が却って上昇する」
 ケースがある以上、ナンセンス極まりないわけでございます。


 政府の財政目標を「政府の負債対GDP比率の引き下げ」に変更するのはもちろんのこと、わたくしは一日本国民として「PB目標を破棄する」ことを望みます


「プライマリーバランス目標を破棄せよ!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

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