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『国力とは何か(前編)①』三橋貴明 AJER2014.11.11

http://youtu.be/mNtsBQBNQKY

『国力とは何か(後編)①』三橋貴明 AJER2014.11.18

http://youtu.be/doksCuVaceM

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 現在、日本では各電力会社が電気料金の引き上げに動いています。(関西電力は、確定でしょう)


 日本は98年以降、物価と所得が下落するデフレーションに苦しめられてきましたが、電気代引上げは「正しい物価の上昇」になるでしょうか。もちろん、なりません


 何しろ、電力会社は、別に、
「旺盛な国内の需要に対応するため、電気料金を引き上げる」
 わけではないのです。単に、原子力発電所を再稼働できず、無理やりに「供給能力」を抑制されているため、電気代を引き上げざるを得ないのです。


 関西電力の電気代が上がったとして、関西にお住いの皆様の所得から、余計に電力会社に料金が支払われるわけですが、別に関電の電力マンたちの所得が増えるわけではありません。関西お住いの皆様の「追加的な電気代」は、海の向こうの「資源輸出国」へと渡ります。追加的な電気代は、日本の輸入代金を賄うに過ぎないのです。


 国民計算上、輸入代金の上昇はGDPの控除になります。すなわち、日本の名目GDPを減らす方向に働くのです。


 デフレーションは、名目GDPという総需要が不足することで発生します。原発を動かさず、貿易赤字が膨らむと、日本の総需要は縮小し、デフレ化の方向に進みます


 また、電気代上昇により可処分所得が減少した国民は、普通は消費を減らします。電気料金の引き上げは、消費税増税と同じ機能があるわけで、国民経済にとっていいことはありません。


 さて、吉野家が値上げをするそうです。


吉野家、並盛りを80円値上げ 17日から380円に
http://www.asahi.com/articles/ASGD94F24GD9ULFA00B.html
 吉野家は9日、牛丼の並盛りを税込み300円から380円にするなど、牛肉を使ったメニュー25品を30~120円、値上げすると発表した。17日午後3時から。米国産牛肉の高騰の影響が大きいうえ、円安も響いているという。
 牛丼の値上げは、消費税率が上がった4月に280円から300円に引き上げて以来になる。大盛りは460円から550円に、特盛りは560円から680円にする。牛カルビ丼は並盛りが490円から590円になる。すでに値上げした牛すき鍋膳は630円で据え置く。

 吉野家が使っている米国産冷凍牛肉の相場は、昨年9月の1キロ550円から今年10月には1080円になった。』


 例えば、吉野家が牛丼を値上げする理由が、人件費の上昇や(多少はそれもあるのでしょうが)、国民の牛丼に対する需要が拡大を受けたものであれば、日本国民の所得が増えます。


 ところが、現実には円安による輸入物価上昇加え、天候不順でアメリカ産牛肉が値上がりしているためです。記事にもある通り、吉野家が輸入している米国産冷凍牛肉の相場が、13年9月の1キロ550円から、14年10月には1080円になったわけでございます。


 当たり前ですが、「アメリカ産」の牛肉価格上昇で吉野家が値上げをしたとしても、別に日本国民の所得が増えるわけではありません。増えるのは「アメリカの畜産農家」の所得になります。


 アメリカ産牛肉の値上がりや円安による輸入価格上昇を受け、例えば吉野家が、
日本の国産牛肉に、主力牛肉を切り替える
 ことを決断してくれれば、今度は日本国民の所得が増えることになります。日本の畜産農家の「需要」が増えたという話になるためです。これまで、我々が牛丼を食べる際に「消費」として支払っていた代金の一部が、アメリカではなく、日本の畜産農家に渡ることになるわけです。すなわち、日本の畜産農家の「所得」が創出されることになります。


 とはいえ、アメリカ産牛肉が値上がりしたとはいえ、今のところ吉野家が国産牛肉に変えるというニュースは流れていません。日本国民の実質賃金を引き上げるには、
「日本国民の雇用が増える」
 形で、モノ不足、サービス不足、人手不足な環境にならなければならないのです。アメリカ産の牛肉価格が上がったところで、日本国民の所得は増えません。


 要するに、何が言いたいかといえば、現在の日本にとって「正しい物価の上がり方」は、
国民の需要=雇用=生産=所得が増える形の、物価上昇が必要
 という話でございます。


 円安で為替レートという物差しが小さくなり、輸入物価が上昇したところで、真の意味のデフレ脱却は達成できません。また、日銀マネーが株式市場に流れ込み、日経平均が上昇したところで、実質賃金が下がっているのでは、何の意味もないのです。


 無論、円安で輸出企業が潤い、国内への設備投資が増える。あるいは、日経平均上昇を受け、家計の消費が増えるといった「資産効果」は否定しませんが、現実を見る限り、日本経済をデフレから脱却させるという点では力不足です。先日の法人企業統計とGDP統計の「設備投資」に関する乖離は、大手企業の収益が国内の中小企業に滴り落ちていない(トリクルダウンしていない)ことを示しているのです。


 というわけで、結局は政府が「需要」を創出する財政出動が正解という話になるのですが、選挙戦ではほとんど「財政政策」について議論されていないのが、不安に感じるところです。ともあれ、国民は少なくとも「財政出動をする」と謳っている政党の候補者に投票することはできるわけでございます。あるいは、財政出動を無視している政党には「入れない」でも構いません。


 先日、東京MXの番組でも言いましたが、小選挙区とは「素晴らしい政治家」「素晴らしい政党」を選ぶ選挙ではないのです。「最もダメなやつを落とす選挙である」と、有権者が理解すれば、日曜日の投票率も少しは上がるのではないかと思うのです。


「政府が需要を創出する財政出動が正解」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

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