ドイツの狂気

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『いわゆる国の借金①』三橋貴明 AJER2014.9.23(3)

http://youtu.be/Kh8vo8Zjc2I

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2014/11/04 『Voice』特別シンポジウム「2015年の安倍政権を占う」

小浜逸郎氏、藤井聡氏、三橋貴明氏、柴山桂太氏が安倍政権の経済政策を斬る! http://voice.peatix.com/

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 目を疑いました。


 朝、起きてみたら、ドイツの長期金利が何と0.76%! 日本の水準に近づいています。


ドイツ国債が急騰、利回りは過去最低の0.84%に
http://jp.wsj.com/news/articles/SB12706435818283254423204580214943628697112?mod=WSJJP_hp_LEFTWhatsNewsCollection
 ドイツ国債の価格は14日、過去最高値を更新した。ユーロ圏の景気回復が頓挫する兆候が新たに浮上したことで、安全資産とみなされる高格付け債券への資金移動が加速した。
 ドイツの欧州経済研究センター(ZEW)がこの日発表した10月の景気期待指数は大幅悪化となり、マイナス圏に転落した。一方でドイツ経済省は、今年と来年の成長率予想を下方修正した。
 10年物ドイツ国債の利回りは過去最低の0.84%となった。この日はドイツだけでなく、米国、オーストリア、フィンランド、オランダなど信用力が高いとされる国の国債でも、価格の高騰(利回りの低下)がみられた。

 ノルデア銀行のチーフストラテジスト、ヤン・フォン・ゲーリッヒ氏は「債券相場は現在、数多くの材料に支えられている。長期的視点からすれば利回りはとんでもなく低く見えるが、利回りはまだここから下がるだろう」と話した。(後略)


 上記記事配信後、ドイツ国債はさらに買いこまれ、本エントリー執筆時点で0.8%を下回ってしまったのです。


 ついでに、フランスの長期金利も1.13%。もちろん、史上最低を更新しました。


 ここまで国債金利が急落(国債価格急騰)している以上、ユーロ圏(特にドイツ)は大規模な財政出動に踏み切らなければなりません。さもなければ、確実にデフレ化し、すでにデフレ突入した国々(イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ)に続き、フランスも、そして下手をするとドイツもインフレ率がマイナスに突っ込むことになるでしょう。


 本来、ドイツはバブルが崩壊したわけではないため、デフレ化するなど普通は考えられません。とはいえ、何しろドイツはユーロ加盟国なのです。


 ユーロは国境を越えたモノ、サービスの輸出入の自由化、資本、人の移動の自由化がほぼ完成し、通貨も統一。ユーロ圏は確かに「一つの市場」を形成しています


 ということは、自国でバブルが崩壊したわけではないとしても、その影響がダイレクトに自国を直撃する可能性もあるわけです。具体的に書いておくと、日本国内で名古屋(どこでもいいですが)圏内だけが、なぜかバブルが膨張しなかったとします。名古屋圏以外の地域が東京を含め、大々的にバブルが崩壊した時、名古屋圏が無傷でいられるか? という話です。 


 しかも、ドイツは財政均衡主義のドグマに完全にからめとられており、別に財政が悪化しているわけではないにも関わらず、率先して緊縮財政を実施。一時は、外国(ユーロ圏、非ユーロ圏)への需要を満たす形、すなわち貿易黒字主導で経済が好調になり、税収が増え、2015年の新規発行国債が、
「ゼロになる!」
 などと、ショイブレ財務大臣が誇っていましたが、落日は怖いほど早く訪れました


 10月14日に ドイツの欧州経済センター(ZEW)が発表した10月の独ZEW景気期待指数はマイナス3.6となり、前月の6.9から低下しました。期待指数がマイナスになるのは、2012年11月以来のことです。


 日本同様に、ドイツやユーロ圏の国々は、アメリカの要望通り、大規模な財政出動を実施しなければなりません。もちろん、日本の場合は消費再増税の凍結も必要です。
 それにも関わらず、ドイツは財政出動の拡大について「拒否」をしています。
 
ドイツ、欧州の景気後退回避に向けた財政支出拡大要請を拒否
http://jp.wsj.com/news/articles/SB12706435818283254423204580214992175932482?mod=WSJJP_hpp_LEFTTopStoriesSecond
 メルケル首相率いるドイツ政府は14日、欧州経済が停滞しリセッション(景気後退)の危険が高まるなか、同国が財政均衡路線を一時棚上げにし財政支出を拡大する要請を拒否した。
 政府はこの日、今年の成長率予想を従来の1.8%から1.2%に、来年についても2%から1.3%にそれぞれ下方修正した。また、これとは別に同日発表された独景気に対するアナリストの期待指数が過去2年近くで初めてマイナス圏に転落、これまで欧州の景気回復のエンジンとなってきたドイツ経済の陰りを示す指標がまた増えた。
 政府関係者は、一連の弱い経済指標をユーロ圏や新興市場国の需要減少、また地政学上の危機が原因としているが、状況がこれ以上に悪化しない限り、2015年に連邦政府財政収支を均衡させる計画に変更はないとしている。この計画は国内のメルケル首相に対する政治的信認を高めている財政規律維持公約の中核をなしている。(後略)』


 ドイツが財政出動を拒否するのは、最後にも書いてありますが、
財政規律を維持する」
 が公約になっているため
です。


 とはいえ、そもそも「財政規律の維持」にしても、あるいは「財政出動の拡大」にしても、単なる政策の「手段」に過ぎません。目標ではないのです


 政府の目標は、あくまで経世済民(国民を豊かにする政治)なのですが、ドイツは(日本もですが)完全に目的と手段が入れ替わってしまっています


 この状況が続くと、ドイツの長期金利は日本並みに下がり、フランスの長期金利も1%を割り込んでくるでしょう。すなわち、デフレ化です。


 しかも、ユーロ圏は「ヒト」の移動が自由化されているため、最後の頼みの綱、すなわち失業者たちの「行き先」であったドイツ経済がデフレ化し、失業率が反転したとき・・・・。


 恐らく、ユーロは何らかの形で「終わり」になるのではないかと考えています。少なくとも、現在の体制で存続することはできないでしょう。


 要するに、今はアメリカが正しいのです。アメリカの要望に従い、日本を含めた世界主要国が「財政出動の拡大」に踏み切れるかどうか。世界の未来は、全てがそこにかかっているのです。


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