人手不足と市場の力

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『いわゆる国の借金①』三橋貴明 AJER2014.9.23(3)

http://youtu.be/Kh8vo8Zjc2I

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 成長産業の「定義」とは何でしょうか。簡単です。供給能力を需要が上回っており、あるいは上回ることが確実な産業になります。
 
【インフレギャップとデフレギャップ】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_46.html#Gap


 上の図でいえば、左側のインフレギャップ状態にある産業でございますね。供給能力が需要に追い付いていない以上、その産業は、
「設備投資」
 や、
「人材投資」
 を、実施すれば「儲かる」という話になります。


 2014年9月現在、すでに日本では「人手不足」「供給能力不足」の産業がいくつか出現しております。本来、人手不足の産業は、市場原理により人件費が引き上げられ、サービス価格やモノの価格に反映されていきます。


 たとえば、運送業は人手不足に陥りつつあります。結果的に、人件費が上昇を始めているのですが、運送業にとって「客」である消費者や大手流通業などが「値上げ」を認めようとしません。軽油価格の高止まりの影響もあり、運送業は片側でコストが増加し、反対側でサービス料金を上げられず、運送業は厳しい状況に追い込まれつつあります


 とはいえ、日本国民や大手流通業のデフレマインドが払拭されれば、それこそ市場の力により運送サービスの料金は上がっていくことになるでしょう。適切な料金を支払わなければ、下手をすると、
担い手がいなくなる
 という現実に日本国民が気が付けば、運送サービスは適切な値上げができるはずなのです。


 とはいえ、この世には「政府が人件費の単価を決める」産業というものがあります。代表が公共事業、介護、医療など、GDP上の「政府最終消費支出」もしくは「公的固定資本形成」に計上されるサービスです。(公務員給与も、政府最終消費支出に含まれます)

 現在、日本国内では公共投資の需要拡大により、土木・建設分野の人件費が上昇していっています。「市場の力」により、人件費が上がっている以上、政府の発注価格(の労務単価)も引き上げなければなりません。さもなければ、必要な公共事業ができない、という話になってしまいます。


 というわけで、日本政府はすでに二度、公共事業の労務単価を引き上げました。労務単価の引き上げとは、すなわち、
同じ事業を、より(政府が)高く買う
 というわけで、実に適切なソリューションです。未だ労務単価はピークよりもかなり低いですが、少なくとも方向は間違っていません。現在の日本にとって必要なのは、誰か(民間でもいいですが)が、

同じモノ、サービスを、それまで以上の値段で買う
 ことなのです。徴税権、通貨発行権という二つの強大な権力を持つ政府が、自ら「高く買う」を実施することこそが、まさにデフレ対策の王道なのでございます。 

 今年の7月、チャンネル桜で外国人労働者問題に関連し、三橋が介護業界を取材した映像が配信されました。


【三橋貴明】シリーズ・外国人労働者受入問題~介護業界からの声 Part1[桜H26/7/21]
http://youtu.be/tnP_s4159zg
【三橋貴明】シリーズ・外国人労働者受入問題~介護業界からの声 Part2[桜H26/7/22]
http://youtu.be/6jeL83mLCis


 介護産業でも、ようやく政府が重い腰を上げ、介護職員の賃金を引き上げる方向に動き出しました


介護職員15年度賃上げへ 政府、月1万円程度目指す

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS27H10_X20C14A9MM8000/
 政府は2015年度から介護職員の賃金を引き上げる。介護サービス事業者が受け取る介護報酬に職員の賃金を増やす原資を加算する。月額1万円程度の増額を目指す。介護は人手不足が深刻なため、賃上げで人材の確保につなげる。賃金以外に払う介護報酬は抑え、介護を支えるための保険料や税の負担急増を避ける方向だ。(後略)』


 介護サービスの公定価格である介護報酬は、三年に一度、改定されることになっています。今回の改定において、介護職員の給与引き上げの原資である「処遇改善加算」を拡充するとのことです。


 今後の日本では、高齢者の増加により介護サービスの需要は拡大することが確実です。それにも関わらず、「政府」が介護職員が提供する「サービス」「高く買おうとせず」、人手不足が深刻化しています。


 7月の介護サービスの有効求人倍率は、2.1倍。全産業(0.95倍)の二倍水準に達しています。


 また、厚労省の調査によると、介護職員の平均月収は23万8千円(ホームヘルパーに限定すると21万8千円)と、全産業の平均月収32万4千円を10万円ほど下回っています


 介護報酬は、政府が「政策」として増やさない限り、増えようがありません。すなわち、現在の日本の介護サービスは、
要介護者(需要)が拡大している中、介護サービス提供者に支払うお金の規模は増やさない
 という、まさしく市場原理を無視した無茶をやっているわけで、人手不足になって当たり前です。


 ちなみに、厚生労働省は介護職員の賃上げ原資を増やす代わりに、「原資以外の効率化策」を徹底しようとしています。理由はもちろん、介護報酬総額の「抑制」を求める声が少なくないためです。
 そして、なぜ介護報酬の抑制を求める声が多いかといえば、もちろん「いわゆる国の借金問題」というウソに騙されている政治家が多いという話でございます。「いわゆる国の借金問題」に政治家が騙され、介護報酬を抑制すると、介護職員の人件費引上げや処遇改善は不可能になります。


 結果、日本の介護サービスは「供給能力不足」により維持が困難となり、
「ならば、外国移民(外国人労働者)を受け入れよう
 という声が高まっていくことになるでしょう。


 わたくしがなぜ、しつこく、本当にしつこく「いわゆる国の借金問題」の嘘を告発し続けているか、ご理解頂けたのではないでしょうか。

 日本の介護サービスを「日本国民の担い手」により維持するためにも、「いわゆる国の借金問題」の嘘を国民が理解しなければならないわけです。


日本の「需要」は「日本国民の担い手」が満たすべき!に、ご賛同下さる方は、

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