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『ウクライナ危機①』三橋貴明 AJER2014.8.19(3)

http://youtu.be/cyaQKYmCqLo

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2014年9月6日(土)三重県商工会議所青年部連合会 講演会

 テーマ「中小企業が日本経済を牽引する」

http://www.yokkaichi-cci.or.jp/web/12/post_993.html

2014年9月13日(土) 大念寺本堂 三橋貴明講演会

 テーマ「増税による「国民経済の崖」を乗り越えるには、どうしたらいいのか?」

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_47.html#Koen

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 夕刊フジで「断末魔の中韓経済」の連載が再開しました。一応、9月5日発売号までの短期集中連載です。
 明日は、いつも通り文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/


 本日のエントリータイトル「さようなら、トリクルダウン。ようこそ、トリクルアップ」は、実は現代ビジネスに掲載されたポール・クルーグマン教授のコラムの結びの言葉だったりします。


ポール・クルーグマン---社会の足を引っ張る格差
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40218
■平等と格差の間でのトレードオフはない
 30年以上にわたり、米国の政治に関心をもつほとんどの人が、富裕層の税率の引き上げと貧困層への援助拡大は経済成長を阻害する、という考え方を支持してきた。
 リベラル派は一般的に、貧困者への援助の代償を若干のGDPの低下という形で払うことが、ある意味ではトレードオフ(交換条件)だという見方をしてきた。一方、保守派は、富裕層の税率を引き下げ、貧困層への援助を削減し、上げ潮にすることで、すべての舟を浮上させることが最善の政策であると主張し、トリクルダウン経済理論(※)を提唱してきた。
 しかし現在、新しい見解を裏付ける事実が次第に明らかになりつつある。つまり、こうした議論の前提はすべて誤りだという事実、そして、実際には平等と格差の間でのトレードオフはないという事実だ。
 それはなぜなのか?――市場経済が機能するうえで、ある程度の格差が必要なのは事実だ。しかし米国の格差は極端になりすぎたため、多大な経済的ダメージを与えるようになっている。その結果、富の再分配、つまり富裕層への税の負担と貧困層への救済は、経済成長率を低下させず、逆に上昇させる可能性があることを意味している。
(※)トリクルダウン経済理論:「トリクルダウン(trickle down)=したたり落ちる」の意。大企業や富裕層の支援政策を行うことが経済活動を活性化させることになり、富が低所得層に向かって徐々に流れ落ち、ひいては国民全体の利益となる」とする仮説。主に新自由主義政策などの中で主張される。
■IMFが示した富の再分配のメリット
 この考え方は、富裕層の減税によって実際に歳入が増えるという右派の幻想と同様に、リベラル派の希望的観測に過ぎないと一蹴したい気持ちになるかもしれない。しかし事実、国際通貨基金(IMF)が、大きな格差は成長の足を引っ張り、富の再分配は経済にとって望ましいことになり得るという動かぬ証拠を示している。(中略)
 格差に関するこの新しい見解は、政治的議論を変えるだろうか?――変えるべきだ。富裕層を優遇し、貧困層に対しては非情であることが、経済成長の鍵とはならないと明らかになった。実際はその反対で、経済をより公平にすれば、「豊かになる」ことにつながるのだ
 さようなら、トリクルダウン。ようこそ、トリクルアップ。』


 前半の「トレードオフ」の部分がよく分からなかったかも知れませんが、要するに過去のアメリカでは、貧困層援助を主張する人ですら、経済成長を犠牲にせざるを得ないという「誤った考え」に囚われていたという話です。すなわち、

貧困層支援と経済成長はトレードオフの関係にあり、同時には達成できない

 という仮説です。クルーグマン教授は上記を否定し、IMFのレポートも引き合いに出し、

貧困層を支援し中間層化することで、経済成長率は却って高まる

 と、わたくし共と同じことを語っているわけで。

 すなわち、所得格差縮小と経済成長率の引き上げは両立できるのです。


 さて、現在の日本国内で推進されている政策の多くは、まことに残念ながら、
国民間の所得格差を拡大する」
地域間の経済格差を拡大する」

企業間の所得格差を拡大する」
 政策になります。


 例えば、一律で課される消費税は、高所得者層に軽く、低所得者層に重い税金です。低所得者層の方が所得性向が高いため、
「税額÷所得」
 で見ると、高所得者層よりも低所得者層の方が割合が大きくなってしまいます。消費税は、逆累進課税なのです。(さらに、スタビライザー(安定化装置)としての機能もない)


 特区制度を見ると(わたくしはそもそも発展途上国じみた特区制度に反対ですが)、なぜか「東京」「大阪」といった地区が特区対象になっています。


 いやいや・・・・。何故に人口が集中し、所得を稼ぎやすい大都市圏を特区化しなければならないんですか。「特別に規制緩和し、所得を稼ぎやすくする」のが特区である以上、大都市圏ではなく地方に特区を設けるべきでしょう


 くどいですが、わたくしは特区制度に反対しています。やるならば、地方でしょ? と、言っているだけです。


 さらに、法人税減税。

 そもそも、なぜ法人税を引き下げるの? という議論が置き去りにされ、財源論ばかりがクローズアップされています。しかも、法人税減税の財源として議論に登場したのが「外形標準課税の強化」


 おいおい・・・・。

 外形標準課税とは、簡単に書くと「利益(=所得)」ではなく、企業の規模そのものを対象に課せられる税金です。例えば、事業所の床面積や資本金の額など、企業の大きさによって黒字だろうが赤字だろうが税金が課せられるのです。


 外形標準課税の強化を財源に、法人税を減税するとは、
利益を出せない弱い企業から税金を巻き上げ、利益を出せる強い企業に所得を移転する
 という話になります。もはや、スタビライザーも何もあったものではないですね。


 上記、安倍政権が推進する「トリクルダウン政策」の一部をご紹介しましたが、すでに時代(世界的な時代の趨勢という意味)はトリクルダウン「仮説」が崩壊し、トリクルアップ政策が推進されなければならない局面なのです。別に、日本に限らず、アメリカも欧州も同じです。


 すなわち、安倍政権の政策は、一部を除き(国土強靭化等)全て「時代遅れのトリクルダウン政策」なのでございます。


 一応、書いておきますが、わたくしは別にトリクルダウン政策が「永遠に時代遅れ」などとレッテル貼りをする気はありません。「ケインズは古い」などと批判をする人たちと一緒にしないでください。


 現時点では、明らかにトリクルダウン政策は間違っており、政府はトリクルアップ政策に転換しなければならないと主張しているだけです。未来永劫、トリクルダウン政策が無意味であるなどとは断言しません。一万年くらい経てば、トリクルダウン仮説が「仮説ではなくなる」日が来るかも知れませんよ。


 政策とは、個別に善悪があるわけではありません。善悪を決めるのはタイミングなのです。そして、安倍政権が推進するトリクルダウン政策は、現時点で「完全にタイミングを間違えている」というだけの話です。


 日本が抱える、
「間違ったトリクルダウン政策が推進される」
 という問題は、クルーグマン教授のコラムを読めばわかりますが、太平洋の向こう側の方が深刻です。


 だからこそ、傷が浅い日本が早めに「トリクルアップ政策」に転換し、アメリカやヨーロッパに範を示すべきなのです。日本は今、そういう立場にいるのですよ、安倍総理。


トリクルダウン政策からトリクルアップ政策への転換を!に、ご賛同下さる方は、

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