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『人口と経済成長①』三橋貴明 AJER2014.6.10(3)
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6月16日(月) 『G0.5の世界』 (日本文芸社) 刊行記念 三橋貴明講演会・サイン会 19時より八重洲ブックセンターにて
http://www.yaesu-book.co.jp/events/talk/3927/
NEW!7月6日(日) 雑誌「正論」トークセッション「日本を移民国家にしていよいのか」13時~ ホテルグランドヒル市ヶ谷
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_46.html#Seiron
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本日は三橋経済塾第三期第六回「規制緩和と経済学(前編)」の講義開催日です(ゲストは青木先生)。塾生の皆様、よろしくお願いいたします。
ロシアとウクライナが国境線で対峙し、非難合戦を繰り広げています。規模はだいぶ違いますが、バルバロッサ作戦前の独ソ両国のようです。
イラクではイラク・シリア・イスラム国(ISISまたはISIL)がモスルやティクリートを制圧し、バクダッドに迫ろうとしています。このままでは、イラクはシーア派の現政権と、スンニ派であるISIS「イスラム国」の二つに分裂しかねません。しかも、ISISはアルカイダ系です。
アメリカのパワーが落ち、G1の世界からG0の世界へとパラダイムが移行しようとしており(すなわち、G0.5の世界)、東アジアを含め、各国の国益が露骨に衝突するケースが増えてきています。しかも、昨日も取り上げましたが、アメリカや欧州で「反グローバリズムの市場原理主義」という興味深い勢力(ティーパーティ、英独立党、独AfDなど)が勃興してきています。少なくとも長期的には、現在の世界の「基盤」が崩れ落ちつつある状況は、今回のグローバリズムの終焉の過程として捉えるべきだと思うのです。
新たな経済世界においては、「金融政策」や「財政政策」の考え方も変わってきます。というよりも、変えなければなりません。ところが、現実には新経済世界に対応できていない国ばかりです(日本含む)。
特に、ユーロ圏は何しろ国民に金融や財政の主権がないわけで、長期で見ると「最も対応力がなかった」ことが、近い将来、明らかになると思います。
『QEは現時点で不要、ユーロ圏にデフレ見られず=ECB理事
http://jp.reuters.com/article/jp_eurocrisis/idJPKBN0EO24T20140613
クーレ欧州中央銀行(ECB)専務理事は13日、ユーロ圏にデフレは見られないことから、ECBが大規模な資産買い入れを行う必要はない、との認識を示した。
理事は記者団に対し、ECBは目下、前週決定した政策の効果を見極める段階にあるとした上で、「ユーロ圏にデフレは見られないことから、現時点で(量的緩和は)必要はない。われわれが現在直面する低インフレの方向性に対し、前週決定した一連の措置は適切であると強く認識している」と語った。
さらに「前週の措置がインフレの押し上げに効果がない場合、ECBとして行動を起こす用意がある」と述べる一方、現時点ではそのような議論をする段階ではないとした。』
ギリシャは既に物価「下落」率が1%を超える月が、一年以上も続いています。キプロスやポルトガルの物価もマイナス。フランスは0.8、イタリアは0.5、オランダ0.6、スペイン0.3。ユーロ圏全体では0.7。すでに七か月連続で1%割れ。
それにも関わらず、
「ユーロ圏にデフレ見られず」
ときたわけです。
ユーロ圏全域はともかく、ギリシャは間違いなくデフレです。かつての日本のように、物価が下落し、国民の所得が縮小。国民所得縮小が更なる物価下落を招く、本格的なデフレーションに突入しています。ちなみに、ギリシャの実質GDP成長率は13年が-3.9%、12年が-7%、11年が-7.1%、10年が-4.9%です。昨年以降、ギリシャの物価上昇率はマイナスに突入していますので、実質値以上に名目値(所得の金額)が減っている状況です。
ECBは先日、主要国では初となるマイナス金利の導入を決定しました。今後、ユーロ圏の銀行がECBに余剰資金を預ける場合、0.1%の金利を徴収されてしまいます。
もっとも、単にマイナス金利を導入するだけでは、銀行の国債買入が増えるだけのように思えます。と言いますか、過去一年の欧州主要国の国債金利の低下は、民間の資金需要が不十分で、金融政策のみで銀行融資を増やすことが困難であることを示唆しています。
ちなみに、ドイツの長期金利(十年物国債金利)は1.36%にまで下がっています。今回のECBのマイナス金利導入により、ドイツの長期金利は1%を割り込むのではないでしょうか。(日本、スイスに続く、三番目の長期金利1%割れ国になる可能性があるのです)
マイナス金利が効果を発揮しなかった場合、ECBは結局は量的緩和に踏み切るでしょう。とはいえ、民間の資金需要がない中における量的緩和が、どれだけ効果を発揮するかは未知数です。もっとも、ECBが当座預金のマイナス金利と量的緩和を組み合わせると、日本銀行のやり方(明日書きます)よりは融資拡大効果が出る「かも」知れません。
いずれにせよ、欧州も日本も抱えている問題の本質は「民間の資金需要不足」です。今後の世界を牽引するのは、「構造改革」ではなく「積極的な需要創出」に成功した国になると確信しています。
というわけで、明日は日本の金融政策の現状を見てみましょう。
「日本政府は構造改革ではなく積極的な需要創出に舵を切れ!」にご賛同下さる方は、
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