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『日本の問題①』三橋貴明 AJER2014.5.20(3)

http://youtu.be/hAhKKDm7GcA

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6月16日(月) 『G0.5の世界』 (日本文芸社) 刊行記念 三橋貴明講演会・サイン会 19時より八重洲ブックセンターにて 
http://www.yaesu-book.co.jp/events/talk/3927/

NEW!7月6日(日) 雑誌「正論」トークセッション「日本を移民国家にしていよいのか」13時~ ホテルグランドヒル市ヶ谷
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_46.html#Seiron

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 ドイツ人ビジネスジャーナリストであるWolfgang Munchau氏が、英紙フィナンシャルタイムズにおいて、

「レンツィ首相がいくら成果を上げようとも、ユーロ圏のインフレ率が直近の平均値2%から1%まで低下すれば、イタリアは債務不履行(デフォルト)の道をたどることになるだろう。同国では、日本のような債務水準と経済成長率、インフレ率の組み合わせや、ユーロ圏周縁国のような金利水準に耐える余裕はない。(14年4月7日「[FT]緊縮策に抵抗する仏伊新首相の険しい道」)」

 と、書いていました。


 確かに、現在のイタリアの失業率は、12.6%と高水準です。ギリシャやスペインと比べると「良く」見えてしまうのですが、12.6%の失業率というのは、過去の日本人が一度も経験したことがないほどの雇用環境の悪化です。



【2014年4月時点 主要国失業率(単位:%)】


http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_46.html#Unemp



 もっとも、イタリアの長期金利は2.76%と、一年前(4.6%)と比べてむしろ「低下」しています。すなわち、国債が買いこまれているわけです。


 さらに、消費者物価レベルのインフレ率は4月が0.5%、3月が0.3%、2月が0.4%と、超低迷状態にあります。長期金利の低下と、インフレ率の低迷。要するに、デフレ化しつつあるわけです。


 ついでに書いておくと、Wolfgang Munchau氏の言う「ユーロ圏の直近のインフレ率」は、すでに2%どころか、1%を切っています。というか「直近」が何を意味するのか分からないのですが、少なくとも昨年10月以降のユーロ圏のインフレ率は毎月1%を下回っています(4月は0.7%)。  


 Wolfgang Munchau氏の言いたいことは、恐らく下記の通りだと思います。

「インフレ率が低迷し、名目GDPが伸びなくなると、イタリア政府の税収が減り、財政赤字が拡大し、政府の負債対GDP比率が悪化し、国債金利が急騰してデフォルトする


 イタリアの場合はユーロ加盟国なので、日銀やFRB、イングランド銀行のように「中央銀行の国債買入」で金利を引き下げることはできません。というか「勝手には」できません。


 上記プロセスの問題は、例により「国債金利が急騰して」の部分です。国債金利が上昇するためには、金融市場の「お金の借り手」が十分に存在しなければなりません。民間企業や家計の資金需要が乏しく、反対側で国民が預金ばかりを増やすとなると、日本同様に銀行の貸出先が「国債」に偏り、国債金利は上昇しないでしょう。


 と言いますか、現状のイタリアの国債金利の劇的な低下(何しろ、一年間で半分以下になりました)は、民間の資金需要が十分には存在しない、ということを示唆しているのではないでしょうか。結局のところ、Wolfgang Munchau氏にしても「セイの法則」や「民間には常に十分な資金需要がある」ことを前提にしており、「新しい経済世界」に対応できていないように思えます。


 ところで、ユーロ圏の中央銀行であるECB(欧州中央銀行)は、先日の定例理事会で、ユーロ高とデフレ化を阻止するために、ついにマイナス金利の導入を決定しました。


欧州中銀、マイナス金利導入=主要国・地域で初-ユーロ高・デフレ阻止へ http://www.jiji.com/jc/zc?k=201406/2014060500944&g=int

 欧州中央銀行(ECB)は5日に定例理事会を開き、政策金利の一つである「中銀預入金利」を、0%からマイナス0.10%に引き下げるなど、複数の追加金融緩和策を決定した。マイナス金利はスウェーデンやデンマークで導入例があるが、経済規模の大きい主要国・地域では初めて。
 債務危機による国債利回り上昇は抑え込んでいるユーロ圏だが、財政緊縮策やユーロ高に伴う物価上昇率の低下に歯止めがかからない状況だ。さらなるユーロ高を防ぎ、日本のようなデフレを阻止するため、ECBは行動に踏み切った。ドラギ総裁は記者会見で、「必要であれば一段の措置を取る」として、さらなる緩和策も排除しなかった。
 ECBは、要政策金利も0.10%引き下げて0.15%とした。金利引き下げは昨年11月以来7カ月ぶり。利下げに加え、満期4年の長期資金供給オペ(公開市場操作)を実施する。銀行が同オペで調達した資金をため込まず、融資に回すことを促すため、企業などへの融資額が多いほど、多くの額を調達できるようにする。当初の供給額は、最大4000億ユーロ(約56兆円)になるという。
 さらに、毎週行っている国債買い入れ代金の吸収を停止し、資金を市場に放置。市場に出回るお金の量を増やす。また、資産担保証券(ABS)の買い入れも検討する。
 中銀預入金利は、市中銀行がECBに余剰資金を預けた際に適用される。マイナスになれば銀行は通常とは逆に金利を払うため、資金を融資に回すことが期待されている。また、市場金利の下限の役割も果たす同金利の引き下げは、市場金利の低下にもつながり、ユーロ売りを誘う効果もあるとされる。』




 ECBのマイナス金利とは、ユーロ圏の銀行が余剰資金を中銀(ECB)に預ける際の金利を「マイナス」にするという話です。日本でいえば、現在は0.1%金利がついている日銀当座預金について、マイナス0.1%にするのと同じだと思います(間違っていたら、コメント欄で指摘して下さい)。


 今後、ユーロ圏の銀行は資金をECBで眠らせておくと、金利を「支払う」(受け取る、ではなく)ことになるわけで、民間への貸し出しは伸びる「はず」です。


 怖いのは、ここまでやっても民間への貸し出しが増えないケースです。つまり、銀行側に融資の意志があっても、借り手(企業、家計)側に資金需要が本当にあるのか? とうい問題です。


 リーマンショック以降の新しい経済世界(日本は橋本政権以降)では、「民間に資金需要がある」という前提の政策が巧くいったケースは、記憶の限りありません。今回のECBの「マイナス金利」は、どうなるでしょうか。注目したいと思います。


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