三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

株式会社経世論研究所  講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッター  はこちら

三橋貴明の「新」日本経済新聞のフェイスブック
人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

チャンネルAJER更新しました!

『日本の問題①』三橋貴明 AJER2014.5.20(3)

http://youtu.be/hAhKKDm7GcA

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

6月16日(月) 『G0.5の世界』 (日本文芸社) 刊行記念 三橋貴明講演会・サイン会 19時より八重洲ブックセンターにて 

http://www.yaesu-book.co.jp/events/talk/3927/

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 本日は7時からTOKYO MX「モーニングCORSS 」に出演し、一つお打ち合わせをした後に、チャンネル桜「桜プロジェクト 」に出演。その後、桜の移民討論の出席、さらに「月間三橋」の収録と、朝7時から夜9時まで喋りまくりの一日になりそうです。 


 チャンネル桜の移民討論「亡国への道か?『外国人労働者大量受入』と移民問題 」には、産経新聞の編集委員兼論説委員でいらっしゃる田村秀男氏もご出演予定なのですが、氏が「実質賃金」の問題について、素晴らしい記事を書いていらっしゃいましたのでご紹介。


【お金は知っている】消費増税はデフレ加速 需要不振で企業の利益減少
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20140523/ecn1405231140002-n1.htm
 民主党政権時代の2011年6月、消費税増税案を作成した与謝野馨経済財政当相(当時)に会って、拙論が「デフレ下での消費税増税は避けるべきではないか」と反対論をぶったとき、与謝野氏の脇にいた官僚氏が「消費増税すると物価が上がりますからね」とニタッと笑った。そんな経済に無知な官僚が裏で増税でメディアを篭絡(ろうらく)し、政治家たちを懐柔する。
 「無知」と言ったのは、物価上昇=脱デフレという短絡思考のことである。「雇用・利子および貨幣の一般理論」(1936年)を著したJ・Mケインズはデフレについて、「物価下落が続くという予想」と論じたばかりでなく、「(デフレは)労働と企業にとって貧困化を意味する。雇用にとっては災厄になる」と考察している。つまり、デフレかどうかは物価と雇用の両面から判定するべきだと説いている
 学生時代の官僚を教えた経済学教授たちはケインズを読んでいないようだ。
 最近、東大などの経済学教授2人が日本経済新聞の経済教室欄で相次いで、企業が消費増税の機会を利用して消費税増税分以上に値上げするケースが目立つのを評価し、「デフレ脱却の契機を与えているという解釈も可能かもしれない」とうそぶいている。
 拙論は日本の慢性デフレというものを、「物価下落をはるかにしのぐ速度で勤労世代の給与が下がっている状態」とかなり前から定義してきた。
 グラフはそれを裏付ける。1997年度の消費増税で消費者物価は上昇したあと、98年末からじわじわと下がり続けてきたのが、2007年にいったん下げ止まった。そして08年のリーマン・ショック以降、再び下落していたのが、「アベノミクス」が始まった13年に上昇に転じた。
 13年の物価水準は97年に比べて3%弱の下落幅にとどまる。だが、これでも「デフレ」は続いている。勤労者月収は97年には48・7万円だったのに13年は14・6%減の41・6万円だ。
 今年はよくなるのか。物価上昇率を名目賃金から差し引いた実質賃金はこの1~3月期、前年同期比マイナス1・8%と下降が続く。春闘によるベアも大企業ですら1%に満たないし、消費増税分を加えた物価上昇率は日銀政策委員会見通しで今年度3・3%に上る。
 物価の大幅な上昇の半面で所得がわずかしか上がらない家計が消費に回せるカネは減る。家計がそれを実感し出すと、企業は需要減に直面し、価格を下げるようになる。値下げしてもいったん減った市場シェアを回復できず、利益減の割合は値下げ率をはるかに上回る。企業はそこで賃金や雇用を減らすようになる。
 これが、97年度の消費増税から1年以上経ったあとから始まった日本の慢性デフレの実相である。需要が弱い環境下での値上げは官僚や教授たちが言うように、脱デフレの契機になりうるのではなく、その逆で、デフレを加速させるきっかけになりうるのである。 (産経新聞特別記者・田村秀男)』
 
 田村氏はケインズを引き合いに出し、
デフレかどうかは物価と雇用の両面から判定するべきだ
 と書いていらっしゃいますが、わたくしは講演などでは、必ず、
物価と『所得』が悪循環を描いて減少していく現象。これこそがデフレです
 と、説明するようにしています。雇用と所得は、ほぼイコールととらえて頂いて構いません。と言いますか、雇用の「価格」が所得になります。


 日本のマスコミは本当によろしくなく、デフレとは「物価の継続的な下落です」と説明します。すると、「消費者としての国民」は、
「え! 物価が下落するんだ。いいことじゃないか」
 という認識を持ってしまいます。とはいえ、需要縮小期の物価の継続的な下落は、確実に所得の縮小をもたらすため、「生産者としての国民」は損をします


 そして、「消費者としての国民」と「生産者としての国民」は、実は同一人物なのです。あらゆる国民は、自分もしくは家族が「生産者」として稼いだ所得を使う「消費者」です。年金受給者にしても、国民が稼いだ所得から政府が税金や社会保障料として税収したお金を、再分配してもらっているわけです。


 マスコミは「消費者目線」などと、やたら「消費者の味方」ぶるのが好きですが、現実には消費者と生産者はイコールなのです。ところが、消費者目線が大好きな大手マスコミは、なかなか、
「国民が働き、稼ぐ所得の継続的な縮小」
 というデフレの面、すなわち実質賃金の低下にスポットを当ててくれていません。


 現在、我が国の実質賃金は14年3月まで九か月連続で下落している状況にあります。4月以降は消費税の増税もあったため、実質賃金のさらなる下落は間違いありません。

 田村氏の、
「日本の慢性デフレは物価下落をはるかにしのぐ速度で勤労世代の給与が下がっている状態」
 は、全く正しく、これが現在は「賃金上昇をはるかにしのぐ速度で物価が上がっている状態」になりつつあるわけです。いずれにせよ、勤労者の実質賃金が下落し、国民の貧困化が進むことに変わりはありません

 もちろん、物価を上昇局面にもっていかなければ、企業の業績が回復せず、賃金の上昇の契機すらつかめません。アベノミクスの第一の矢(金融政策)と第二の矢(財政政策)の二つは、デフレ対策の方向として完全に正しいのです。


 現在は一部の業界で人手不足が発生しているため、むしろこれを放っておけば「市場」の人件費の水準が上がり始め、実質賃金が上昇に向かう可能性があります。


 問題は、
なぜ、このタイミングで、外国人労働者受け入れ拡大を含む『実質賃金切り下げ策』を実施しなければならないのか
 という話です。


 無論、安倍政権や産業競争力会議が、「日本が成長する市場」をグローバルとして捉えているためです。グローバル市場をメインの標的市場にしてしまうと、国民の実質賃金の上昇はむしろ「国際競争力の低下」という話になってしまいます。

 結局のところ、大本の「思想」が間違っている以上、政策がちぐはぐになってしまうのです。何しろ、安倍政権は右を向いて実質賃金を切り下げる労働規制の緩和を進めながら、左を向いて大企業に賃上げを要請しているわけです。当たり前ですが、労働規制の緩和と賃上げ要請は不整合です。


 要するに、政治家が「実質賃金」や「労働規制緩和」、さらには「外国人労働者の受け入れ拡大は、諸外国の例を見る限り日本の移民国化と同意」といった件について「知らない」のが問題なのだと思います。

 何しろ、実質賃金の下落について「デフレ的問題」として取り上げる大手紙は、わたくしが知る限り産経新聞のみ(しかも、田村氏のみ)なのです。メディアがやらない以上、国民がやるしかないという話で、今後も「デフレ」「実質賃金」「労働規制の緩和」等の話題を集中的に取り上げていきたいと思います。

 
本日のエントリーの主旨のご賛同下さる方は、

↓このリンクをクリックを

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ


◆さかき漣のページはこちら

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
◆本ブログへのリンクは↓以下のバナーをご利用ください。
新世紀のビッグブラザーへ blog

ポルパパのブログ

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
投資と車と日々の起業家日記 管理人:ポルパパさん

おじさんの談話室

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

経済通のおじさんと、女子高生真理ちゃんが織り成す、経済を解りやすく掘り下げた基礎講座

◇日本経済復活の会

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba
積極財政による日本経済復活を目指して活動をしているボランティアグループです。


Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」 連載中
新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
新世紀のビッグブラザーへblog一覧 はこちらです。