ユーロ2014 前編

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『2013年を振り返って2014年を考える(後編)③』三橋貴明 AJER2013.12.17(3)

http://youtu.be/5MLSAVnKaao

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1月18日 「2014年 日本はデフレ脱却し成長路線に回帰するのか?」( 日本橋人形町)

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 2014年は、特にユーロ圏が昨年以上に混迷、混乱する一年になるでしょう。ということで、本日と明日はユーロ特集。


 07年のアイルランドを皮切りに、各国で次々に不動産バブルが崩壊し、
ドイツ主導の緊縮財政と構造改革
欧州中央銀行の存在という構造問題
 という二つ(主に)の呪縛に捉われ、各国は増税、政府支出削減、規制緩和(労働市場の規制緩和など)という、日本でもお馴染みの新古典派経済学的な施策を継続し、状況を悪化させてきました。現在のユーロにとって、南欧諸国の財政問題よりも、むしろ「デフレ化」の方が危険なのですが、ユーロ主要国の為政者たちは気がついていないようです(気がついてないように見えます)。


 ユーロスタットの最新データによると、ユーロ主要国のインフレ率(13年11月 対前年同月比)は以下の通り。


ギリシャ -2.9%
キプロス -0.8%
スペイン 0.3%
アイルランド 0.3%
ポルトガル 0.1%
フランス 0.8%
イタリア 0.7%
ドイツ 1.6%


 上記の通り、ギリシャのインフレ率(というか、デフレ率)は、最早「恐慌」と呼んだ方が適切なのではないかと思えるほどの水準に達しています。ギリシャ(というか、ドイツ以外の主要国)の苦境を救うためには、さらなる金融緩和、すなわちECBによる量的緩和再開と、政府の財政出動による需要創出が必須です。


 ところが、ドイツ連銀のバイトマン総裁は、昨年末にわざわざ、
「低金利は政治改革をリスクにさらす可能性がある。低インフレを緩和的な金融政策を正当化する口実に使うべきではない
 と、もの凄い発言をしており、当たり前の話としてユーロ高・外貨(ドイツ)安が続いており、輸出依存度が相対的に高いドイツ経済にまで暗雲が立ち込めようとしています。(年明けに、少しユーロは落ちましたが)


 と言いますか、低インフレが金融緩和を正当化しないならば、一体「何」が正当化してくれるのでしょうか。さっぱり分かりません。要するに、バイトマン総裁の頭の中では、
「金融緩和は悪である」
 という認識になっているとしか思えないのです。


『ユーロ圏:11月の民間向け融資、19カ月連続前年割れ-ECB
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MYTJAF6S973J01.html
 ユーロ圏の2013年11月の家計・企業向け融資は1年7カ月連続で前年割れとなった。
 欧州中央銀行(ECB)が3日発表した11月の民間向け銀行融資は前年同月比2.3%減少。10月は2.2%減だった。
 同時に発表された11月のマネーサプライ(通貨供給量)統計では、拡大M3(現金、要求払い預金、定期貯蓄性預金、投資信託の一部)が前年同月比1.5%増となった。伸び率は10月の1.4%から上昇した。
 拡大M3は9-11月の3カ月平均で1.7%増加。8-10月は同1.9%増だった。 』
 
 もちろん、金融緩和を拡大したとしても、
銀行から民間(企業、家計)への貸出が増えない」(まさに現在のユーロですが)
 というのであれば、名目GDPという国民の所得は上昇せず、物価にもさほど影響を与えず、さらには雇用も改善しないわけです。日本にしても、金融緩和を拡大している中、民間設備投資が伸び悩むという課題を抱えています(二次速報の7-9月期GDP成長率における民間企業設備はゼロ成長)。


 それにしても、我が国は設備投資の伸び悩みを問題として捉えているわけで、
「インフレ率の低下」
「民間向け融資の減少(国民がカネを借りない)」
 な状況で、「低インフレを緩和的な金融政策を正当化する口実に使うべきではない」などと主張する人はいないでしょう。いたとしても、国民の支持は得られません。


 インフレ率が低下し、民間支出や融資が減っている以上、「金融緩和をした上で、さらにどうするか?」を考えるべきなのですが、バイトマン総裁は金融緩和という「前提」すら否定してしまっているわけです。


 もっとも、ユーロ圏の場合は、そもそも、
「各国中央政府は、財政赤字や国債発行残高を一定水準に抑制しなければならない。中央銀行の金融政策の機能は、欧州中央銀行に委譲しなければならない。各国の中央銀行は、各国政府の指示に従ってはならない」
 という、ある意味で「究極のインフレ対策」としての構造を持つわけです。


 バイトマン連銀総裁は、もしかしたら、
「金融政策と財政政策でインフレ率を押しあげ、失業率を引き下げろと言っても、そもそもユーロ圏はそれができる構造になっていない。各国政府に国債を勝手に発行させるわけにはいかず、さらに欧州中央銀行に国債を買い取らせるとは言っても、『どの国の国債を幾ら買い取るか』について、合理的な説明をすることはできない」
 という、ユーロの構造問題を踏まえた上で、
「どうせ、インフレ率を押し上げる政策をやろうとしてもできないのだから、構造改革と緊縮財政で切り抜けるしかないんだよ」
 と、考えているのかも知れません。あるいは、単にドグマ(教義)として、緊縮財政や構造改革を盲信しているのかも知れません。


 いずれにせよ、ユーロの国民は不幸になります。これまでも不幸でしたが、今後はさらに不幸になっていくでしょう。「不幸」とは、より具体的に書くと「貧困」になります。


 そして、現状を無視しした「教義的な政策」を推進し続けると、社会の不安定度が増し、政治的な問題が噴出する羽目になります。早速、スペインやフランスで興味深い動きが出ていますので、明日、取り上げます。


 実のところ、わたくしはユーロに「現状路線」で突っ走ってもらい、バブル崩壊後の緊縮財政やら構造改革やらが「いかに愚かな政策であるか」について、世界に範を示してほしいと考えているわけです(ユーロの方々にはお気の毒ですが)。バブル崩壊後の新古典派的施策の愚かさを世界に示した上で、各国がユーロを離脱し、民主主義や「主権」を取り戻していくというのが、真っ当な道だと確信しています。


 いわば、2014年のユーロは「世界の反面教師」になる立ち位置にあると考えているわけでございます。


「2014年のユーロは世界の反面教師になる」に

「なるほど」と思われた方は、

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