後戻りができない道

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NEW!『経済学と思想(後編)③』三橋貴明 AJER2013.11.19(3)

http://youtu.be/sYiJ_f-q59s

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12月2日グローバル資本主義を超えて(Beyond Global Capitalism)」 (京都)

NEW!12月13日「日本大復活 東京オリンピックと安倍政権、日本経済の行方 」(大手町)

12月19日 「「“強い”日本経済は実現するか?」 --安倍政権誕生一年とこれからを検証する 」(御茶ノ水) 

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 さかき蓮:著「顔のない独裁者 」(三橋貴明:企画・監修、PHP研究所)が増刷になりました! ありがとうございます!
 【顔のない独裁者】特設ページはこちら。(皆様の書評もまとめてあります)
http://rensakaki.jp/release/dokusaisya.html


 先週は中国地方に出張し、週末は名古屋(収録、取材で)におり、今週から九州地方に出張です。というわけで、今週は(来週も)「おはよう寺ちゃん活動中」は出演いたしません。(今週は渡邊さんのようでございますね。来週はどなたでしょう?)


 さて、「顔のない独裁者 」を企画したのは昨年であると何度も書きましたが、当時は某政党(自民党ではありません)が日本の政権を握り、いわゆる「保守的な政策」をアピールしつつ、韓国の李明博前大統領や、フランスのサルコジ前大統領のように新古典派経済学的な政策をガンガン推進したら、我が国はいかなる姿に変貌するのかというモチーフを思いつき、執筆を依頼したわけでございます。


 一年前の企画時点で、わたくしが「顔のない独裁者 」で採用して下さいと依頼した新古典派経済学的政策は以下の通り。


・公共事業のPFI、コンセッション方式
・医療自由化、混合診療拡大、民間医療保険サービス業態の興隆
・農業自由化、PU(Pacific Union、太平洋連合)加盟国との間で関税撤廃
・電力自由化、発送電分離と民間資本導入
・水道民営化、コンセッション方式による水道事業の株式会社化
・ガス自由化、家庭用ガスの規制を緩和、撤廃
・道州制導入、各地方自治体を独立採算性にして自治体間の「競争」を激化させる
・社会保障は負の所得税方式に(ベーシック・インカム)
学校の民営化・株式会社化、自由化された学校でグローバル教育推進
・各産業の規制緩和、新規参入の拡大、既存事業者(既得権益)の淘汰
・消費税増税、法人税と所得税の累進課税を引き下げ
・PU加盟、国境を越えた規制の緩和、ルールの統一の実現。ラチェット条項により「後戻り」不可能な状態に


『公共事業費減へPFI活用求める 経財諮問会議、民間議員が提言
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131121/fnc13112116250015-n1.htm

『下水道コンセッションの事業者選定/競争的対話、多段階選抜有効/国交省
http://www.kensetsunews.com/?p=22378

『混合医療全面解禁への懸念~経営難の病院、診療報酬増狙い保険外薬使用増やす可能性も
http://biz-journal.jp/2013/08/post_2763.html

『TPP重要品目 米国、関税撤廃迫る 日本は受け入れ拒否
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=24560

『自由化へ踏み出す農業=減反廃止、農家の淘汰も
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20131120-00000097-jijnb_st-nb

『改正電気事業法が成立 「発送電分離」競争促進へ
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1204M_T11C13A1MM0000/

『大阪市、水道民営化案を決定 施設は市が保有
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1106M_S3A111C1CC0000/

『家庭向けガスの全面自由化など協議 経産省有識者会議が初会合
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131112/trd13111221510012-n1.htm

『産業振興、交付税に反映 来年度、5年ぶりに復活 企業誘致など自治体競争促す
http://www.nikkei.com/article/DGKDZO62498750T11C13A1EE8000/

『大阪提案の「公設民営学校」、下村文科相がエール 国家戦略特区法案が閣議決定
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131105/edc13110510580001-n1.htm

『公共事業への外国企業参入条件緩和へ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131122/k10013251151000.html

『アイケングリーン氏「日本は法人減税と労働市場改革を」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF09002_T21C13A1NN1000/


 上記の通り、いつの間にか一年前「想像」してリストアップした政策が、現在の日本では次々に推進されている状況になっております。


 興味深いことに、上記の各産業分野は、税制と労働規制緩和を除くと、ことごとく我が国の「国家の階層 第二層・第三層」の分野の「改革」になっているのです。


【図 国家の階層】
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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_44.html#Kaiso


 わたくしが「産業」について「ソフトウェア的なインフラ」と「インフラ以外の産業」に分けたのは、別に根拠がないわけではありません。単純に、国民の「安全保障」や政府の目的である「経世済民」実現のために、ある程度は政府が関与し、「競争力」やら「生産性」やらよりも「存続」を目的にしなければならない産業を三層と定義しただけです。


 三層の産業が「市場競争」「自由競争」「民間活力導入」などの浮ついたフレーズに基づき、実際に規制緩和、自由化、民営化されていくと、我が国の食料安全保障、医療安全保障、軍事的安全保障、インフラ老朽化や自然災害に対する安全保障、エネルギー安全保障等が脅かされます。さらに、教育やら行政やらで「民営化」「自由化」をやられてしまうと、国家の根幹である「ナショナリズム」が破壊されることになるわけです。国民が「平均的に頭が良い」という、我が国のコア・コンピタンス(中核的能力)も消滅することになるでしょう。


 さらに、上記の政策の多くは新規参入や民営化により「競争激化」を目指す政策です。すなわち、財やサービスの「物価を押し下げる」ことが目的なのです。何が哀しくて、デフレの国が「物価を押し下げる」インフレ対策を推進しなければならないのでしょうか。意味が分かりません。


 一体全体、安倍政権はどうなってしまったのでしょうか。「デフレ脱却」や「瑞穂の国の資本主義」を標榜して政権を採ったにも関わらず、現在の安倍政権の経済政策で及第点をつけられるのは第一の矢(金融政策)のみです。第二の矢は尻すぼみになりつつあり、第三の矢「成長戦略」という名の「構造改革」により、我が国の基盤である第二層、第三層を脆弱化させ、ナショナル・セキュリテイ(国家安全保障)を弱体化させようとしている。瑞穂の国の資本主義など、最早望むべくもありません


 そして、最後の一押しがやってきます。


TPP交渉、規制の再強化防止で合意
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO63025280T21C13A1EE8000/
 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する12カ国は外資参入などの規制を一度緩めたら再び強化しない条項を盛り込むことで合意した。新興国で目立つ保護主義を抑え、TPP域内で経済の自由化を進める。日本企業が安心して進出できる環境が整いそうだ。
 TPP交渉で議論する21分野29章のうち「越境サービス」分野で合意する見通しがたった。導入するのは「ラチェット条項」と呼ぶ仕組みで、規制強化につながる法改正は原則禁じることを約束する。自国産業を守るためいきなり外資の出店規制を厳しくするなどの変更ができなくなる。
 適用範囲は企業活動に関連する分野にとどまり、食や人命の安全に関わる規制強化は含めないことも決めた。
 TPP交渉では日米が導入を求めていたが、外資への規制を敷くベトナムやマレーシアが慎重だった。19日から米国で始まった首席交渉官会合で、「内外無差別の原則を定める」ことで折り合った。日本の交渉筋は「TPP域内で自由化レベルを維持でき、日本にとって利点は多い。中国に自由経済をさらに促す刺激にもなる」と歓迎する。』


 情けないことに、今や日本がISDや「後戻り禁止」であるラチェット条項を率先して推進している有様です。要は、東南アジアなどの国々にとって、日本は「アメリカの手先」化しているわけです。


 しかも、一切の国民に対する説明がなく、というよりも「国会議員」に対する説明すらなく、政権中枢部と限られた官僚が「日本国家の形」を大きく変えることになるTPP交渉を推進していっています。総理は3月15日の記者会見で、TPP交渉参加するに際し、
「国民の皆様には、今後状況の進展に応じて、丁寧に情報提供していくことをお約束させていただきます。」
 と明言しました。明確に、約束違反をしていることになります。


 無論、TPPは最終的には国会の批准が必要です。とはいえ、国会の批准までには「日本はTPP加盟して当然」という世論がマスコミを通じて醸成されていくでしょう(すでにされているような気がいたしますが)。そうなると、TPPの中身がとんでもなかったとして、詳細を知った国会議員たちが愕然とした場合であっても、批准への流れを押しとどめることはできなくなってしまいます。


 TPPのみならず、上記にリストアップした政策は一つの思想(新古典派経済学)をベースにしています。この思想、ケインズの言う「考え方」を理解しさえすれば、色々な政策の「内側」が見えてくるわけです。というわけで、わたくしはできるだけ多くの国民の皆さんに対し、この「考え方」の問題を知ってもらうべく声を張り上げ、キーボードを打ち、本日も九州に旅立つわけでございます。


 日本が「後戻りができない道」を進んでいくことを、少しでも食い止めるために。


リストアップした政策の数々に、改めて愕然とされてしまわれた方は、

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