論点

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チャンネルAJER更新しました!

NEW!『デフレの原因(後編)③』三橋貴明 AJER2013.10.15(2)
http://youtu.be/g7jG7Oq_cwA

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12月2日 グローバル資本主義を超えて(Beyond Global Capitalism)」in 京都

http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/bgc/

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経済界 2013年 10/29号 [雑誌] 」に連載「実践主義者の経済学」第36回「ユーロの本当の狙い」が掲載されました。


 本日はチャンネル桜「「桜プロジェクト・スペシャル」テーマ:「どうする?どうなる?安倍政権」に緊急出演(最近、多いな・・・)致します。主題はずばり「安倍政権の所信表明演説」になります。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1520


 桜プロジェクトにも関わらず、今回は「討論番組」です。パネリスト(敬称略)は、井尻千男、大高未貴、片桐勇治、前田有一、三橋貴明、山村明義、水島総(司会)になります。


 本日の番組とも絡みますが、改めて復習です。


 日本銀行が量的緩和政策で、国内の銀行が保有する国債を買い取り、新たに日本円の通貨を発行します。マネタリーベースの拡大です。日銀のバランスシートでは、借方に銀行から買い取った「国債」が資産計上され、同時に貸方で「日銀預け金(日銀当座預金の残高)」という負債項目が増えます。


 銀行側のバランスシートを見ると、借方の資産「国債」が「日銀当座預金」に置き換わります。本来、日銀当座預金に銀行が預金をしていても、金利はつきません。(現在は0.1%ついていますが)


 銀行は金利がつく国債を、金利がつかない日銀当座預金残高(要は日本円の銀行預金)を交換するため、より民間への貸出が増えるはずである。これが、量的緩和のコンセプトでございますな。


 現在の日本は、確かに銀行の貸出残高が増加に転じております。そういう意味で、金融緩和の効果は出ています。


9月の銀行貸出残高、前年比2.3%増 都銀は1.9%増
http://www.nikkei.com/article/DGXNNSE2IBE01_Z01C13A0000000/
 日銀が10日発表した9月の貸出・預金動向(速報)によると、銀行(都銀等、地銀、第二地銀)の貸出平均残高は前年同月比2.3%増で、増加率は前月と同じだった。このうち都市銀行の貸出平均残高は1.9%増で、増加率は前月と同じだった。
 銀行に信金を加えた平均残高は2.0%増だった。一方、銀行の預金残高(手形や小切手を除き、譲渡性預金を含む)は3.8%増で、増加率は前月と同じだった。』


 ところで、銀行の貸出残高が増える反対側で、銀行が日銀にもつ日銀当座預金残高は史上最大に膨れ上がっています。3月末(58兆円)と比べると、半年で七割以上も増加したということです。


日銀の当座預金残高、初の100兆円突破 大規模緩和で
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130926/fnc13092619320013-n1.htm
 日銀は26日、金融機関が日銀に預けている当座預金残高(速報)が101兆2400億円となり、初めて100兆円を突破したと発表した。デフレ脱却や景気回復を目指して日銀が4月に導入した大規模な金融緩和で、金融機関から国債などを買い入れ、その代金を当座預金に振り込んでいるため。
 大規模な金融緩和を導入する前の3月末(58兆円)と比べると、ほぼ半年で約7割増えた計算。日銀は2%の物価上昇目標を達成するまで金融緩和を続けるとしており、当座預金は2013年末には107兆円、14年末には175兆円まで増える見通し。(後略)』


 派手な金融緩和(まさに「大胆な金融施策」)の反対側で、民間への貸出は微増、というのが、日本の現況です。目の前の需要が膨らんでいるわけではない以上、企業経営者が果敢な投資活動に乗り出すには、まだ時間がかかるということなのでしょう。全国を回って色々な方々にお話を聞いたところ、経営者のデフレマインドは、未だに払拭されていません。
「将来、儲けるために、設備投資を増やす!」
 と、アニマル・スピリットを全身に出している方には、今のところ一人もお目にかかっておりません。


 日銀がどれだけマネタリーベースを増やしても、それが民間に借り入れられ、GDP上の消費もしくは投資に回らなければ、物価には何の影響も与えません。例えば、株式投資に向かうと、確かに株価は上昇するでしょうが、物価への影響はゼロです。もちろん、株価上昇に気を良くしてくれた人が消費を増やしてくれれば、物価が上昇しますが、直接的にはゼロです。(超細かい話をすると、証券会社に支払う手数料は、物価に影響します)


 さて、我が国は未だにデフレ状態が続いているわけですが(インフレに向かっているのは確かです)、この段階において「デフレは貨幣現象派」と「デフレは総需要不足派」が激しく対立する状況になっています。この対立は、大恐慌の時期も、さらには戦後の大恐慌の検証の過程にも存在した類のものです。神様が本当にいるならば、「相変わらず、同じことを議論しているな・・・」と、呆れることでしょう。


 デフレは「貨幣現象」の代表株は、ミルトン・フリードマンです。フリードマンの大恐慌に対する考え方は、以下の言葉に集約されています。


「大恐慌は失業が深刻になった時期のほとんどと同様に、民間経済がそもそも不安定だからではなく、政府の政策に間違いがあったために起こっている。「理論」からも「歴史の教訓」からも、民間企業に対する政府の束縛を無くすべきだ


 政府の政策の間違いとは、具体的には1929年頃のFRBが充分な流動性を供給しなかった、という話でございます。逆にいえば、フリードマンは「FRBが充分な通貨を供給すれば、大恐慌は「防げたはず」と言っているのです。


 というわけで、デフレ対策は中央銀行の通貨供給で対処し、政府はとにかく、「民間企業に対する束縛」を無くすべき。という考え方なのでございます。すなわち、規制緩和です


 あれ? デフレ対策として「金融政策」と「規制緩和」の組合せ・・・・・。どこかで見た記憶が、あるいは聞いた記憶がありませんでしょうか・・・・・。という話。


 それに対し、ケインズは大恐慌の原因を「総需要の不足」としました。バブルが崩壊し、将来に対する不確実性が増したとき、「民間経済が不安定になる」具体的に書くと、
「所得の多くを借入金返済に回すようになる
「金利がゼロに近づいても、企業はなかなかおカネを借りようとしない」
「流動性の罠に陥り、国民の貨幣愛が異常に高まる」
 結果、セイの法則が成立しない。民間が合理的に借金返済や預金を増やす以上、解決のためには政府の総需要創出しかない。と、説いたわけでございます。
 
 断っておきますが、わたくしは「金融政策&規制緩和」の組合せではデフレから脱却しない! などと、断言する気はさらさらありません。とはいえ、この組み合わせはデフレ脱却に「時間がかかるでしょう」と言いたいわけです。実際、小泉政権期にまさにこの組み合わせのデフレ対策を実施したわけですが、CPIがプラス化するまで五年位かかりました(あの時、公共投資拡大など総需要創出策を講じていれば・・・・・)。


 また、金融緩和で市中に供給された日本円が、「規制緩和」された金融サービスに流れ込み、無用なバブルを醸成する可能性もあるわけです。99年のアメリカの金融規制の緩和、すなわちグラス・スティーガル法の廃止が、後のリーマン・ショックと無関係と断言する人は、恐らく一人もいないでしょう。供給された日本円には、ストック(資産)ではなく、フロー(所得)に向かってもらわなければなりません


 日本銀行は、供給したマネタリーベースがストックに向かうか、フローに向かうかの制御はできません。ならば、政府がするしかないでしょう。


 さらに二点。


「現在の日本は、東北復興、インフラのメンテナンス、首都直下型地震、南海トラフ巨大地震に備えた耐震化、防災・減災、東京五輪の準備など、国民の安全保障上もやらなければならない公共投資のプロジェクトが目白押しである


「安倍政権の規制緩和は、所得が多い層に『ビジネスチャンス』を与えるレント・シーキングにしか見えない。法人税減税、労働市場の自由化、電力システム改革、混合診療拡大、そしてTPPなど、一般の国民の所得の一部を『新たな付加価値を創出しない』企業や投資家に移転する政策としか思えない」


 もちろん「先方」は、
「いや、所得が多い層の所得を増やしてあげれば、国内への投資が増え、国民経済全体が潤う」
 とか何とか、例のごとくトリクルダウン理論で言い訳かましてくるのでしょうが、それに対しては、
「資本移動の自由化が実現したグローバリズムの世界では、投資家や企業に『国内に投資しない自由』が存在している」
「現実の日本では、余裕のある企業までもが国内投資を増やさず、対外直接投資と内部留保を拡大している
「そもそも、トリクルダウン的な政策が推進されたアメリカなどでは、単に格差を拡大するだけの結果に終わった
 と反論させて頂きます。


 以上、かなり「論点」が明確になったのではないかと思いますが、一番まずい状況は、上記の議論すらなく、「金融緩和&規制緩和」の組合せが進んでしまうことです。ということで、難しい話ではあるわけですが、わたくしは今後、あちこちで上記の「論点」を声高に叫び、国会や各党で「議論」が生まれるよう、力を尽くしたいと考えています。


「確かに、論点が明確化になった」と、ご評価頂けた方は、このリンクをクリックを!
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