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NEW!『デフレの原因(後編)③』三橋貴明 AJER2013.10.15(2)
http://youtu.be/g7jG7Oq_cwA

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10月19日 13時半~ 文京区シビックセンターで【シンポジウム】「日本企業、台湾企業の在中経済犯罪被害報告会 中国民事訴訟法231条、国防動員法の危険性を訴えるhttp://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11613422415.html

12月2日 グローバル資本主義を超えて(Beyond Global Capitalism)」in 京都

http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/bgc/

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『ジョン・メイナード・ケインズの業績のうち基本的な要素をひとつだけあげるとするなら、それはセイの法則を打破したことだ。供給がかならず需要を生み出すという主張を覆したのである。ケインズは、支出と所得が等しい点、そして貯蓄と投資が等しい点から、経済の資源を完全に使えるだけの支出が常にあるとはいえないし、完全雇用状態であれば経済が産み出すはずの貯蓄を使えるだけの投資がつねにあるとはいえないことを示した。
 この点を認識したことは、経済理事論上の素晴らしい業績である。だからこそ、ユージー・ファーマらがケインズの結論の反対しているのではなく、ケインズの議論全体をどうみてもまったく知らないことに気づいて、深く失望している(ポール・クルーグマン ブログ09年1月30日)』


 現在の日本とアメリカ(ついでに書くと、1920年代のアメリカ)で行われている議論は、バカバカしいほど同じなのですが、超単純化すると、
セイの法則が成立するか否か
 になります。すなわち、供給能力を増やせば、需要が自動的に創出されるか「否か」です。


 供給はそれ自体の需要を創出する。と、主張する新古典派的な経済学者、政治家たちは、デフレ対策として「通貨の創造」のみを主張します。すなわち、マネタリーベース(あるいはマネーストック)の拡大です。


 銀行を中心に「マネーの量(by竹中平蔵氏)」を増やせば、自動的にお金は借り入れられ、必要なところに向けて「支出」される。借入と支出が増えれば、国民の所得は必ず増えるため、経済は成長する。


 なぜならば、この世界には「セイの法則」があり、供給はそれ自体の需要を生み出すのだ(J・B・セイ)。需要を制約する要因は、生産だけである(デービット・リカード)。


 それに対し、「通貨の支出」を訴える人々は、金融政策の有効性は否定せずに、財政支出に基づく景気刺激策の拡大を主張しています。


「財政支出の増額こそが必要であり、財政赤字に対する懸念は棚上げすべきだ(ポール・クルーグマン "Let's get fiscal", New York Times, 10 November 2008)」


 理由は、将来的な不確実性が大きい時期(つまりは「今」)、通貨を創出したところで、支出に回るかどうかはわからないためです。故に、政府が国債を発行し、調達した資金をインフラ整備に「直接的に支出」するべきだ。と、アメリカの新ケインズ派の経済学者たちは主張しています。(日本では、以下の討論に参加された学者の皆様が主張しています)


【1/3【討論!】第二の矢、日本経済レジリエンス計画を推進せよ[桜H25/10/12] 】http://youtu.be/WuZAWDH5yQs
【2/3【討論!】第二の矢、日本経済レジリエンス計画を推進せよ[桜H25/10/12] 】http://youtu.be/-acROQ5tnNE
【3/3【討論!】第二の矢、日本経済レジリエンス計画を推進せよ[桜H25/10/12] 】http://youtu.be/0Q8735044zc


 それに対し、シカゴ大学の経済学者で、ノーベル経済学者でもあるゲーリー・スタンリー・ベッカーなどが、
「これらの公共事業は真の価値が低いだろう。急いで立案されるし、利益誘導型などの非効率的な事業が多数入る可能性が高い
 と批判しています。公共事業は「益よりも害が多くなりうる」と、ベッカーは「通貨の支出」を批判しているのです。


 また、先日、ノーベル経済学賞を受賞したユージン・ファーマ(シカゴ大学)は、
「政府債務(国債発行)が増えれば、民間の投資に使われたはずの貯蓄が吸収される。結局のところ、遊休資源がある状況(=デフレギャップの状況)でも、救済策と景気刺激策で使われる資源が増加することはない。ある目的から、別の目的に資源が移るだけだ」
 と語り、ジョン・コクラン(同じくシカゴ大教授)は、
「政府が支出を増やせば同じ額だけ、民間の支出が減ることになる。景気刺激策で創出される雇用は、民間支出の減少による雇用の喪失で相殺される。工場を建設する代わりに道路をつくることはできるが、財政出動によってどちらも増やすというわけにはいかない」
 と、政府の財政出動を批判します。


 シカゴ大学の皆様、つまりはミルトン・フリードマンの弟子たちが、見事なまでに「民間支出は必ず増える」というセイの法則大前提でものを語っているのが分かると思います。彼らの頭の中には、バブル崩壊や民間企業の借金返済、銀行預金拡大といった現象は存在しないように思えます。企業は金利が安ければ、必ずお金を借り、設備投資を拡大するのです。ついでに書くと、グローバリズムの進展で、企業が「外国に投資をすることは、ない」という前提になっているように見ます。


 お気づきでしょうが、ベッカー教授のレトリック「利益誘導型などの非効率的な事業が多数入る可能性が高い」は、まんま日本でも使われています。(というか、アメリカのレトリックを真似しているだけのようにも思えますが・・・)


「政府による『通貨の支出』でデフレから脱却すると同時に、国民の生命や安全を守るための国土強靭化を実現するために、公共投資拡大」
 と主張すると、途端に、
「利益誘導型などの非効率的な事業が多数入る可能性が高い」
 という批判が飛んでくるわけです。


自民、国土強靭化の動き活発化、強まる歳出圧力
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/131014/mca1310141823004-n1.htm
 年末の平成26年度予算編成をめぐり、自民党内で「国土強靭(きょうじん)化」関連予算獲得に向けた動きが活発化している。旗振り役の二階俊博・党国土強靱化総合調査会長は「国民の命を守るのが政治だ」と主張し、野党側の「バラマキ路線」批判もどこ吹く風。来年4月からの消費税率引き上げという「打出の小づち」を手に入れ、色めく党内の歳出圧力は強まるばかりだ。
 ■二階氏が旗振り役
 二階氏が会長を務める自民党二階派の議員らは今月10日、東京湾の塩害で劣化が進む東京・品川区の首都高速道路を視察した。
 「直下型地震が起きたときのことを考えると、本当に恐ろしい。われわれには大きな宿題がある」
 二階氏が視察後、防災・減災の必要性からインフラ整備を急ぐよう主張すると、議員らは一様にうなずいた。さらに「東京五輪があるから、余計に整備をやらなければいけない」と力を込めると、うなずきはさらに大きくなった。
 ■ふくらむ概算要求
 国土強靱化は、東日本大震災を教訓に自然災害に強い国土づくりを目指す安倍晋三政権の主要政策の1つだ。インフラ整備が遅れている地域では予算増への期待がふくらむ。このため、耐震化など国土強靱化に関連する来年度予算案の概算要求額は前年度比1・42倍の5152億円に上った。
 実は歳出圧力の背景には昨年8月に成立した消費税増税法がある。同法付則に「消費税率の引き上げによる経済への影響を踏まえ、防災、減災に資する分野に資金を重点的に配分する」と明記された。増税で生じた財源の「ゆとり」分について、国土強靱化関連予算への「流用」が許されると解釈されているのだ。
 増税分をそのまま社会保障費に使うとしてきた目的がかすんでしまうが、二階氏は「財源がないから何もできないでは政治にならない。財源よりも命が大事だ」と一歩も譲らない。
 ■本音は景気浮揚?
 しかも、二階氏が会長を務める近畿地域選出議員団は8日、JR東海が平成39年に東京-名古屋間の開業を目指すリニア中央新幹線について、国費を投入して大阪まで同時開業するよう求める決議文を採択した。
 名古屋-大阪間は57年の開通予定で、前倒し開業は経済効果を狙った公共事業推進の意味合いが濃く、防災・減災のために不可欠な国費投入とは言い難い。
 そもそも、二階氏らが15日召集の臨時国会で成立を目指す「防災・減災等に資する国土強靱化基本法案」は、防災・減災事業と景気浮揚を念頭に置いた事業のどちらが主目的なのか、線引きが曖昧だ。
 そうした自民党内の動きに対し、野党側は「どのように不要不急の公共事業を廃止し、税金の無駄遣いをやめようとしているのかが見えない」(民主党の大畠章宏幹事長)と批判を強めている。
 二階氏は臨時国会で衆院予算委員長として、国土強靭化関連予算案をめぐる与野党論戦を見守ることになるが、やきもきする日々が続きそうだ。』


 断っておきますが、わたくしは二階氏の「媚中派」的なスタイルが嫌いです。こと対中外交、対韓外交では、二階氏とは全く価値観を共有できません。
 それでも、国土強靭化に向け、旗振り役を務めていらっしゃるのは評価します。最近の安倍総理の「親・新古典派」的な政策推進は全く評価できないものの、外交全般は評価しているのと同じです。


 もっと「ぶっちゃけて」言うと、現在の首都高速道路(わたくしは日常的に通る)を見て、
 「直下型地震が起きたときのことを考えると、本当に恐ろしい。」
 と思う価値観を、二階氏と共有できます。と言いますか、首都高を走り、「地震が来たら、死ぬんだろうな・・・・」と考えない人は、よほど能天気な人だと思います。


 国土強靭化とは、まさに我々日本国民の生命と安全を守り、かつ将来的な経済成長に資する政策です。当たり前ですが、景気浮揚策でもあります


 産経の記事では、
「防災・減災事業と景気浮揚を念頭に置いた事業のどちらが主目的なのか、線引きが曖昧だ」
 などと意味不明なレトリックで批判していますが、現在の日本政府が防災・減災事業に「通貨を支出」すれば、普通に景気浮揚策になります。当たり前でしょ、そんなこと。


 「バラマキ路線」「土建屋優遇」「土建国家復活」「自民党は先祖返り」「利益誘導型の非効率事業」などなど、今後、国土強靭化「潰し」のために、様々なレッテルが貼られ、スローガンが繰り返されることになるでしょう。特に、日本では「日本が嫌いな連中」と「新古典派経済学を盲信する連中」が、こと公共投資批判では手を組むことになるので、厄介です。


 それでも、やらなければなりません。なぜならば、
「予算が土建屋に『ばら撒かれ(支出され)』、土建国家が復活し、自民党は先祖返りし、利益誘導型の非効率事業が少なくない形で国土強靭化が実施され、国民経済がデフレから脱却し、国民の生命や安全が守られるようになった日本
 の方が、
「次の大震災で、国民が数万、数十万も死ぬことになる日本」
 よりもマシだからです。


 結局、政治にせよ、政治家にせよ、「完璧なスーパーマン」も「清廉潔白な聖人君主」もいないのです。それでも、何とか物事を前に進めていかなければならないのが「政治」であって、新古典派経済学に染まった経済学者、政治家、評論家、官僚たちは、この手の「政治の面倒くささ」が嫌いなんだろうな、と思うわけです。


 というわけで、昨日、一昨日に書いた「財政均衡主義」を信奉してしまうのでしょうが、それでは「国民が貧しくなり、かつ生命や安全に危険が生じる」のが現実の日本であることを、わたくし達は頭に叩き込まなければならないのだと思います。


「国土強靭化とデフレ脱却を同時に実現する公共投資拡大路線」にご賛同頂ける方は、

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