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チャンネルAJER更新しました!

NEW!『アニマル・スピリット(後編)③』三橋貴明 AJER2013.9.24(3)

http://youtu.be/CiFRRJQHZWg

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10月19日 13時半~ 文京区シビックセンターで【シンポジウム】「日本企業、台湾企業の在中経済犯罪被害報告会 中国民事訴訟法231条、国防動員法の危険性を訴える」が開催されます。わたくし以外のゲストは黄文雄先生、大高未貴さんです。詳しくは↓こちらを。

http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11613422415.html

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三橋貴明の「新」日本経済新聞のフェイスブックのページができました!https://www.facebook.com/mitsuhashipress
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 チャンネル桜「桜プロジェクト」に出演いたしました。


【消費増税】疾風にして勁草を知る、日本草莽はどちらか?[桜H25/10/2]
http://youtu.be/UzSF9UUt4bU
【明るい経済教室】ユーロとレントシーキングの暗ぁ~い話[桜H25/10/2]
http://youtu.be/UxnGhWH3Sjg
【レントシーカー】本当は既得権益が大好きな新古典派経済学[桜H25/10/2]
http://youtu.be/H2Ql9Y3r-fU


 消費税増税による景気落ち込みを防ぐため(防げんでしょうけれども)、政府は5兆円規模の経済対策と、1兆円規模の投資・賃上げ減税を打ち出しています。経済対策の中身については、12月に決めるとのことです。5兆円の内、公共事業費は2兆円規模と言われてますが、どうなることやら・・・・。


 問題は、12月に合わせて検討すると言われている復興特別法人税の1年前倒し廃止、すなわちわたくしが忌み嫌う無条件の法人税減税です。規模はおよそ9000億円。 


 自民党と公明党は、無条件の法人税減税実施にあたっては、
「経済成長を賃金上昇につなげることを前提に検討する」
 としています。


減税規模2兆円 与党税制大綱 「法人税率下げ、速やかに検討」
http://www.nikkei.com/article/DGXDASFS3006A_Q3A930C1MM8000/
 自民、公明両党は30日、消費増税に備えた与党税制改正大綱で合意した。設備投資や賃上げを促す減税などの規模は国と地方を合わせて1兆円。復興特別法人税の1年前倒し廃止は「経済成長を賃金上昇につなげることを前提に検討する」と明記。これを含めると減税規模は約2兆円になる。法人実効税率の引き下げは「速やかに検討を開始する」とした。安倍晋三首相は1日、来年4月から消費税率を8%に引き上げることを正式表明する。(後略)』


 今回の消費税増税において、一つだけ「収穫」があるとしたら、
「単純に法人税を減税するだけでは、企業の内部留保等におカネが回ってしまい、国内の雇用拡大、投資拡大には結びつかないのではないか?
 という認識が政治家の間に広まっており、自民党の税調でも大揉めに揉め、結局「結論先送り」に持ち込めたことです。もちろん、12月にどのような結果になるか、未だに状況は「不穏」な感じですが、少なくとも以前であれば、
「経済成長のためには、企業の国際競争力を高めなければならない。そのためには、法人税の実効税率引き下げが必要だ」
 という「それっぽい」レトリックで、通ってしまっていたでしょう。


 法人税の実効税率を引き下げると、企業の純利益が増えます。資金的余裕が国内への投資に向かえば、国民の雇用や所得拡大に結び付くでしょう。とはいえ、現実の日本の(余裕がある)企業は、国内の設備投資ではなく内部留保を積み上げていっています


 企業の資産について、現金・預金の動きを見てみましょう。


【日本の非金融法人企業(一般企業)の現金・預金(単位:億円)】
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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_43.html#Naiburyuho


 97年には180兆円規模だった一般企業の現金・預金は、最近では230兆円に達しています。企業は銀行融資で投資をしているどころか、現金・預金を貯めこんでいっています。何が哀しくて、企業が家計のごとく現金、預金を貯めこまなければならないのでしょうか。


 企業の仕事は、銀行融資を受けてでも「果敢な投資」を実施し、国民の雇用を創出し、経済成長に貢献することです。ところが、バブル崩壊後の企業は(マクロでは)借金返済に邁進し、借金を返し終わった06年以降は、ひたすら銀行預金を貯めこんでいっています。


 理由は、もちろんデフレで投資効率が悪いためであり、別に企業を批判したいわけではありません。とはいえ、余裕のある企業が200兆円を超える預金を貯めこんでいる状況で、法人税を無条件に減税しても、この数値がますます増えていくだけじゃないの? という疑問はぬぐえないわけです。


 ちなみに、いわゆるトリクルダウン理論は、
「富裕層や法人に減税をすれば、国内にしたたり落ち(トリクルダウン)、国民経済は成長する」
 という「仮説」なのですが、ここで言う「したたり落ちる」とは、具体的には「国内の設備投資が増える」という意味になります。


 現状の日本は、減税をするまでもなく一部の企業に富が集まっているにも関わらず、国内の設備投資は増えていません(ようやく底を打った「かも」という状況です)。アメリカのみならず、日本においてもトリクルダウンは発生していないのです。ちなみに、アメリカでトリクルダウンが発生していない理由は、デフレというよりは「グローバリズム」の影響の方が大きいでしょう。


 特に、グローバリズムにより資本の移動の自由が確立されてしまった世界では(つまりは現代)、法人税を減税し、企業に余裕が生じたとしても「外国」に投資されてしまう可能性があるわけです。実際、日本企業も98年以降、国内の設備投資は横ばいもしくはマイナスであるにも関わらず、対外直接投資を四倍に増やしました。


 これは、グローバルに見ると、
「企業の投資先の国において、その国の国民の雇用が生まれ、所得が生じている。トリクルダウンは発生している!」
 と強弁できない話ではないのですが、わたくしが問題視しているのは「日本」国民の所得拡大であり、外国の話ではありません。(よく、「三橋は日本以外はどうでもいいのか!?」などと言われますが、正直、どうでもいいです


 つまりのところ、グローバル化が進んだ世界では、たとえインフレ期であっても、法人税減税が「国民」経済の成長に貢献するとは限らないのです。「外国」経済の成長には貢献するかも知れませんが。


 安倍総理が消費税増税を発表する際に、
「実効税率が国際的に高い水準にある我が国の法人税、我が国の持続的な成長に向けて、国際競争に打ち勝ち、世界から日本に投資を呼び込むためには、法人税について真剣に検討を進めねばなりません。」
 と語っていましたが、「国民経済の成長」という視点で見たとき、上記の発言には何ら正統性がありません。そもそも、
「法人税を引き下げなければ、外国から投資が来ず、成長できない」
 という発想は、まさに「経済的自虐史観」そのものです。歴史認識はともかく、上記が安倍総理の本心だとしたら、総理は見事なまでに「経済的自虐史観」におかされているということになります。


 現在の日本に必要なのは、設備投資減税あるいは賃上げ減税です。12月の「復興特別法人税の1年前倒し廃止」には、「国内への投資」もしくは「雇用拡大・賃上げ」といった「条件」を付けなければならないのです。レントシーカーを利するのみの単純な法人税減税には、断固反対します。


「単純な法人税減税には断固反対!」にご賛同下さる方は、このリンクをクリックを!
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