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NEW!『財政均衡主義の罪(前編)①』三橋貴明 AJER2013.7.16(1)

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 先日、田母神俊雄先生とトークセッションをした際に、
「アメリカと交渉する際には、情報を国民にディスクローズしつつ、『国民の声』を武器に交渉しなければ勝てない。密室で交渉するのが、一番、まずい
 と仰っていました。田母神先生は、現役の航空自衛官だった頃に散々にアメリカと困難な交渉を繰り返していらっしゃいましたので、「密室はまずい」という発言には重みがあります。


 というわけで、日本は7月23日にTPP交渉に参加しました。早くも、愕然とする事実が報道され始めています。


TPP:国益確保に時間の壁 交渉官に緊張感
http://mainichi.jp/select/news/20130724k0000m020097000c2.html
 日本のTPP参加は、鶴岡首席交渉官が秘密保持契約にサインした瞬間に始まった。交渉参加国には「通常の通商交渉と異なり、極めて厳格な情報管理が求められる」(外務省幹部)。一方で交渉の行方は産業界から国内農家までさまざまな利害に関わり、食品規制などは国民生活に影響を与える。政府はTPPが求める厳格な守秘義務と、国民の理解を得るための説明責任のはざまで難しい調整を迫られそうだ
 鶴岡首席交渉官が署名した保秘契約には、交渉中にやりとりした書簡や提案などを協定発効から4年間秘匿しなければならないことが明記されているという。また、協定の素案や交渉経過をまとめたテキストを読めるのは、登録されたごく一部の交渉関係者に限られる。
 実際、TPP参加で大きく出遅れた日本は外務省や経済産業省の官僚らが事前に交渉の進捗(しんちょく)状況を探ろうと国際会議などで参加国当局者に接触したが「見事なまでに中身が見えなかった」(政府関係者)。
 厳格な情報管理は米国の意向が反映したものという。米オバマ政権は通商交渉をめぐって議会と緊張関係にあり、輸入関税撤廃には米自動車業界の反発が強い。「途中段階で情報が漏れれば、交渉を進められなくなる恐れがある」(通商筋)からだ。
 「交渉で何を言ったか、何を話し合ったかは一切申し上げられない」。23日の交渉初参加後、記者会見した大江博首席交渉官代理は会合でのやりとりについて沈黙を通した。それがTPPの流儀。しかし、農業団体などの反対を押し切って交渉参加に踏み切った安倍政権には、国内で情報開示を求める声が高まっている。「政府は難しいハンドリング」(関係者)を迫られそうだ。』

 

 ようやく、TPPの「21分野」が新聞でも報道され始めました。
 同時に、TPPが「秘密交渉」であることもまた、報じられています。

 紙面では、TPP交渉過程が漏れると、アメリカの自動車業界の反発で「交渉を進められなくなる恐れがある」との「通商筋」の発言がありますが、違うでしょう。交渉内容が漏れると「国民」が反発するからこそ、秘密交渉であるに決まっています。


『通訳を交えずに進められる首席交渉官会合には原則、本人と代理の2人しか参加できない。(日本経済新聞 7月24日)』


 TPPの交渉の場に出る交渉官は、各国二名のみ。しかも、交渉中の外部とのやり取りは禁止。
 交渉のやり取りについては、協定発効から四年間は秘匿する。協定の素案や交渉経過は、一部の関係者しかアクセスできない。もちろん、日本の国会議員も上記の情報にはアクセスすることができない。


 完全な秘密交渉でございますね。


 もちろん、例えば防衛や同盟などの安全保障関連の協定であれば、交渉内容についてギリギリまで国民に伏せるというのはわからないでもありません。交渉内容が途中で漏れ、「敵国」を利することになると、国民の安全保障が脅かされるためです。


 とはいえ、TPPは経済協定であり、しかも、
条約(TPP協定)の内容が国民生活に多大な影響を及ぼす
 タイプの協定になります。


図 TPPの21の交渉分野
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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_41.html#TPP


 例えば、TPP21分野の「制度的事項」というものがあります。「制度的事項」では、政府の医薬品の保険償還価格の決定過程に製薬企業を参加させることが議題に上がっています。「製薬企業」には、もちろんアメリカの製薬会社が含まれています。


 すなわち、日本政府が医薬品の保険償還価格を決定する際に、「アメリカの製薬企業」と協議しなければならなくなる可能性があるのです。これは別に脅しでも何でもなく、韓国がアメリカと結んだ米韓FTAが、まさにこのままになっています。

 さらに、「知的財産」分野では、医薬品や医療技術、医療機器の特許強化が対象です。基本的には、グローバルな製薬企業、医療機器企業などの「利益」を増やす方向の「ルール統一」です。

 ジョセフ・スティグリッツ教授が危惧していましたが、医薬品の特許が強化されると、ジェネリック薬品の投入が遅れることになります。そもそも、そのために特許を強化するわけですから、当たり前なのです。


 「金融サービス」分野では、民間医療保険の拡大と、混合診療全面解禁が話題になるでしょう。国民皆保険を形骸化し、グローバルな民間医療保険会社の「利益」を増やすわけです。


 さらに、「投資」分野では、当然ながら医療サービスへの営利企業の参入の促進が議題になっているでしょう。「病院株式会社」を誕生させ、患者や地域住民ではなく「株主」のための医療サービス供給を実現するわけです。もちろん、米韓FTAでは「医療サービスへの営利企業の参入」が実現し、現在、韓国では「特区」において、自由診療を中心とする「病院株式会社」の建設が進んでいます。


 上記の通り、医療一つとっても国民生活に多大な影響を与えるTPPが、秘密交渉というわけでございます。これは、ただ事ではありません。

 一応、自民党の反対派国会議員は、上記の問題を認識しており、 「TPP対策に関する決議」http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11490726566.html  では、
「混合診療の全面解禁や営利企業の医療参入を認めないことなど、我が国の安心・安全な医療が損なわれないように対応すること」
「医薬品価格ひいては医療費全体の高騰をまねくような薬価制度の改悪を受け入れることがないようにすること」
 と、政府に釘を刺しているわけです。


 いずれにせよ、安倍総理大臣はTPP交渉参加を表明した際に、
「交渉でありますから、相手国との関係で公表できることとできないことがありますが、交渉に参加すれば、今よりも大分情報が入手しやすくなると考えています。公開できることは、進捗の状況に応じて、しっかりと国民の皆様に提供していきたいと、このように考えています。」
 と語りました。


 とはいえ、現実には「入手しやすい情報」は少ない上に、事実上の秘密交渉なのです。


公開できる情報はありませんから、公開しません
 で、話を終わらせられたら、たまったものではありません。


 田母神先生の仰ったとおり、「秘密交渉」では勝ち目がないでしょうし、しかもわたくしたち日本国民の生活に多大な影響を及ぼす交渉なのです。ギリギリまで情報を秘匿するなど、絶対に許されません。


 というわけで、皆様、是非ともご地元の政治家に「TPPの情報を開示させろ」との声を届けて下さいませ。そのために必要な情報を、わたくしは本ブログで順次リリースしていきたいと思います。


「TPPの密室交渉は許されない!」にご賛同下さる方は、このリンクをクリックを!
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