もっと欧州に

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Channel AJER更新しました。憲政史家の倉山満氏との対談です。

『特対:「保守」派に喧嘩を売ってみる①』三橋貴明・倉山満http://www.youtube.com/watch?v=YyTxO5gaVIU
『特対:「保守」派に喧嘩を売ってみる②』三橋貴明・倉山満http://www.youtube.com/watch?v=Ru7lH-knRU0
『特対:「保守」派に喧嘩を売ってみる③』三橋貴明・倉山満http://www.youtube.com/watch?v=_Yqrm9bxOko

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8月26日(日)15時-山陽小野田市シンポジウム「企業誘致フォーラム」 開催

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 う~・・・、〆切が連続して、きっついです・・・。冗談抜きで、ゴーストライターが欲しい・・・・。どこかにわたくし同様に、グラフを見ると物語がスラスラ浮かんでくる変な人はいないでしょうか。


 まあ、それはともかく、チャンネルAJERに倉山満さんとの特別対談が掲載されました。


『特対:「保守」派に喧嘩を売ってみる①』三橋貴明・倉山満 AJER2012.8.1(1)
http://www.youtube.com/watch?v=YyTxO5gaVIU
『特対:「保守」派に喧嘩を売ってみる②』三橋貴明・倉山満 AJER2012.8.1(2)
http://www.youtube.com/watch?v=Ru7lH-knRU0
『特対:「保守」派に喧嘩を売ってみる③』三橋貴明・倉山満 AJER2012.8.1(3)
http://www.youtube.com/watch?v=_Yqrm9bxOko


 以前、チャンネル桜の討論番組で倉山さんとご一緒したときから、「保守」をテーマに対談をしてみたかったのです。何というか、「保守派」という「枠」を作り、その中で勝手に「この政策はこう。こっちの政策はこう」と対策をパッケージ化し、そこから少しでもはみ出すと「あいつは保守のくせに! あんな奴、保守派じゃない!」などと、わたくしから見れば「お子様かよ!」と突っ込みたくなる人が結構いらっしゃるものですから(特に、言論界に)。


 ちなみに、何度も書いていますが、わたくしは「保守派」だとか「リフレ派」だとか名乗ったことはありませんし(名乗る気もありません)、そもそも自分が「○○派」だのと意識したことはありません。単純に、「この問題については、こういう対策を」と、各問題を数値化し、ブレイクダウンや相対化を行うことでソリューション(解決策)を提言しているだけです。


 結局のところ、民主主義国家では環境に応じて、諸問題について是々非々で試行錯誤や議論を繰り返し、解決策を講じていかなければなりません。しかも、対談で倉山さんが言っていますが、解決できない問題というのもあり、それと「死ぬまで」付き合っていかなければならないケースも多々あるわけです。


 それを強迫観念的に解決しようとしても巧くいかず、
「全部ひっくり返したれ! 改革だ! グレートリセットじゃ!」
 などとやりたくなる人が増えるのが、デフレの時期に一番困る問題と言えます。マリナー・エクルズが言っているように、デフレとは民主主義の危機なのです。


 そういえば、ナチス・ドイツが政権を握ったのは、ドイツが「デフレ」に苦しんでいた時期になります。


 ドイツはベルサイユ体制下において様々な制限を課せられ、一時は文字通りのハイパーインフレーションになりました。ところが、当時のドイツは「中央銀行の独立」が強固で、政府はライヒスバンク(ドイツ連邦銀行)総裁のルドルフ・ハーヴェンシュタインの罷免を考えたのですが、中央銀行総裁が「終身制」だったため、実現できずにいました。


 その後、ハーヴェンシュタインが急死し、ヒャルマル・シャハトが新ライヒスバンク総裁として辣腕を振るい、ハイパーインフレーションを終息させました。その後、大恐慌下の首相ハインリヒ・ブリューニングが「デフレ下の緊縮財政」を実施し、ドイツ経済は深刻なデフレに突入します。ブリューニング首相が行った政策は、新税導入、政府支出の削減など、まるで現在のどこかの国の丸写しでございました(丸写ししているのは、こちらですが)。


 結果、ドイツはデフレ深刻化で経済のみならず社会までもが閉塞感に包まれ、ナチスが権力を奪取し、ワイマール体制は終了します。シャハトはナチス政権下でデフレ対策に乗り出し、ようやくドイツ経済は立ち直りへの道を歩み始めました。ナチスはハイパーインフレーションではなく、デフレの申し子なのです。


 現在のライヒスバンクの総裁は、バイトマン氏でございます。


ECBは自らの責務越えてはならない-バイトマン独連銀総裁
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M82IVG6S973E01.html
 ドイツ連邦銀行(中央銀行)のバイトマン総裁は、欧州中央銀行(ECB)は自らに託された責務を踏み越えてはならないとの考えを示した。また、独連銀はECBの政策決定において、ユーロ圏の他の中銀に比べ大きな影響力を持つと言明した。
 独連銀のウェブサイトに1日掲載されたインタビューで、バイトマン総裁はECBの独立性について、「自らの責務を尊重し、その範囲を踏み越えないことを前提としている」と語っている。「独連銀はユーロシステム(ECBを構成する域内各国中銀)の中で最大かつ最重要の中銀であり、同システム内で他の多くの中銀より強い発言権を持つ」とも述べた。同インタビューは6月29日に行われたという。
 総裁はまた、「われわれは独連銀が持つあらゆるリソースを全てのレベルで駆使し、自らが信じる姿勢を貫く。通貨同盟が安定同盟であり続けることを確実にしていく」と表明した。 』


「独連銀はユーロシステムの中で最大かつ最重要の中銀であり、同システム内で他の多くの中銀より強い発言権を持つ」


 す、凄いですね・・・、バイトマン総裁。ECBは自らに託された責務を踏み越えてはならないとは、要するに「中央銀行の独立を貫け」という話です。そもそも、中央銀行の独立を達成し、政治家や「民主主義」の裁量主義により余計な財政出動や通貨発行が出来ないように「インフレ対策」としてECBが(ライヒスバンクを母体に)設立されたわけなので、バイトマン総裁の言葉はユーロ設立の理念から云えば間違っていません。


 が、そもそもユーロという共通通貨システムは、インフレ下で健全に経済が成長する環境でなければ維持し得ません。何しろ、ユーロの中には「デフレ対策」及び「ユーロ離脱」の二つが機能として組み込まれていないのです。 


 ユーロの中心であるドイツは、「中央銀行の独立性の確保」といった「ルール化」あるいは設計主義的なシステムが大好きです。何しろ、ドイツはすでにして「財政均衡主義」を憲法に書き込んでいます。


 無論、財政赤字は「いつ、いかなる場合も絶対にダメ」という話ではなく、一応、赤字国債発行の「ルール」を明文化しています(憲法に)。しかし、その条件というのが、
「平常の状態を逸脱する景気動向がある場合には、好況および不況における財政への影響を対称的に顧慮しなければならない」
 というもので、デフレギャップが存在している時期に一定の「ルール」に基づき、財政赤字を拡大することを認めているのです(また「ルール」)。さらに、ドイツ憲法は、
「国の統制がきかず、かつ、国の財政状況を著しく害する自然災害または非常の緊急事態の場合」
 は、連邦議会の過半数の決議により、上記の「ルール」を踏み越えた財政赤字拡大が可能になっています。もっとも、連邦議会における議決の際に、返済計画をともに可決しなければならないという徹底ぶりです。


 現在のドイツこそが、世界の主要国の中で最も「設計主義」であることは間違いないと思います。さらに、ドイツは自らの理念を他のユーロ加盟国にも「適用」しようと考えているようです。


独首相の「もっと欧州」に仏大統領は抵抗-歴史が生む溝
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M82CVB6S973A01.html  
 欧州債務危機解決に向け一段の尽力を世界から求められているドイツだが、それには条件がある。しかしドイツが貢献の見返りに求めるものを、フランスは出し渋っている。
 メルケル独首相やドイツ連邦銀行(中央銀行)のバイトマン総裁にとって、ユーロ圏を立て直す鍵は各国が主権の一部移譲をさらに進めることだ。メルケル首相は「もっと欧州」になることを呼び掛ける。しかしフランスのオランド大統領はこれに抵抗する。
 第二次世界大戦の敗戦で一度は主権を失ったドイツは、1990年に再統一を果たし16州から成る連邦共和国になった。一方、王制・帝制・共和制を行き来するフランスは連邦制の歴史がない。1871年の普仏戦争敗戦や1940年のナチス・ドイツへの降伏の経験から、主権に強い思い入れがある。国家主権に関するこの異なる感覚が、独仏首脳が協力して危機解決策を見つける妨げになっている。
 ベルリンの自由大学の政治学者、サビーヌ・フォンオペルン氏は「ドイツは連邦主義に基づき主権は共有できるものと考えている。つまり、欧州レベルを含め複数の層に主権を分割できるということだ」と解説する。それに対して、「フランスにとって主権というのは共有できるものではない」ため、フランスの政治家は主権の一部放棄という考え方ができないのだという。 (後略)』


「ユーロ圏を立て直す鍵は各国が主権の一部移譲をさらに進めることだ」
 
 第四帝国ですか!


 いや、冗談でも何でもなく、ドイツは自国の「ルールにより運営される、美しい世界」を他のユーロ諸国にも押し付けたいのではないかと疑ってしまいます。ブルームバーグの記事では連邦制やら共和制の話をしていますが、そういう問題ではありません。「ルール」に基づいた政策執行が、民主主義や主権の「上」に存在してもいいのか、という話なのだと思います。


 現在のドイツや主流派経済学者は、いわゆる「裁量的な」政策が嫌いです。裁量的な政策は、民主主義の圧力により、歪んだ経済政策を継続してしまう可能性があるためです。


 が、逆に完全な「ルール」ベースの国家運営が正しいとは全く思えません。何しろ、全てのルールには「前提」があり、前提や環境が変われば、様々な弊害を引き起こしてしまうためです。「ルール」だらけの現在のユーロ圏を見れば、分かるでしょう。


 結局のところ、ユーロ(というかドイツ)や新自由主義者たちは、問題解決や成長実現のために議論や試行錯誤を繰り返し、正しいバランスを考えるという作業が面倒くさいなのではないかと思わざるを得ないわけです。


 日本にしても、デフレ期が継続しているため上記の「試行錯誤」が面倒になり、
「全部ひっくり返したれ! 改革だ! グレートリセットじゃ!」
 と叫ぶ人が増えてきますので、本当に気を付けなければならないと思います。



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