スペイン危機

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Channel AJER更新しました。今回は朝日新聞などが大好きな「バラマキ」という単語について考えてみました。

『バラマキを定義する①』三橋貴明 AJER2012.7.24(1)

http://www.youtube.com/watch?v=GP4uNkcHHBs

『バラマキを定義する②』三橋貴明 AJER2012.7.24(2)

http://www.youtube.com/watch?v=zyaxIqVRT4M

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8月26日(日)15時-山陽小野田市シンポジウム「企業誘致フォーラム」 開催

8月30日(木)18時30分-大阪「三橋貴明が語る!政治・経済の真実『メディアの大罪』 」講演会開催

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 本日の執筆者は東田剛様。明日は上念司様です。
 東田剛様のテーマは「ぶれない政治」の本当の意味でございます。
「決められたことを国会で議論せずに『ぶれずに』実行するなら、政治家はいらない。官僚がいればいい」
 ごもっともでございます。


 グロ韓こと「グローバル経済に殺される韓国 打ち勝つ日本 」が、またもや増刷になりました。これで第四刷になります。
 何気にAmazonの順位で「
コレキヨの恋文 」を抜いているんですね。まあ、「コレキヨの恋文 」の方は例により在庫切れ中でございますが。


 さて、もはやこの段階に至った以上、「スペイン危機」という言葉を使っても構わないと思います。


スペイン、緊急融資要請か 国家財政に懸念、現地報道
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012072401002332.html
 24日付スペイン経済紙エコノミスタは、財政難に陥っているスペイン政府が当面の資金繰りを確保するため、欧州連合(EU)に対し約280億ユーロ(約2兆6千億円)の緊急融資を要請することを検討していると伝えた。スペインでは財政悪化に直面する国内自治州政府が相次ぐとみられ、国家財政の破綻を危惧する声が一段と強まりそうだ。
 スペインは国債の利回り高騰で市場からの資金調達に苦しんでいる。約280億ユーロは10月の国債償還に必要な額とされる。
 スペインは、EUのユーロ圏で第4位の経済規模を誇る。』


 スペインの現在の長期金利は7.62%。5年債と10年債の利回りはともにユーロ導入以来の高水準に上昇しました。


 現在のスペインは、国内の銀行と地方政府の債務問題という二つの爆弾を抱える中、解決までの道筋がつけられない状況で、時間だけが過ぎていっています。結局、スペインはEU、IMFへの支援要請(=本ブログの定義で「破綻」)に踏み切らざるを得ないと金融市場は見ているわけです。


 ちなみに、スペインの危機でニュースバリューが薄れてしまっている気がいたしますが、現在、アメリカの長期金利は1.39%と、史上最低値を更新していっています(日本は0.74%)。ユーロの危機を受け、手持ちのユーロ資産を米ドル、日本円に両替して両国の国債を購入する動きが強まっています。まあ、両替されてもユーロは消えないので、「ユーロ圏」としてはどこかに投資せざるを得ないわけですが。


 それはともかく、スペインではバレンシア州に続き、カタルーニャ州までもが中央政府基金に支援要請すると報じられ、長期金利が一気に上昇しました。(当局は、「政府支援の要請急がず」と報道を否定)


 バブルが崩壊した国では、当然の話として景気が沈滞し、失業率が上昇します。スペインの現在の失業率は24.6%、若年層失業率は50%を超えているわけで、これを放ったらかしにしておくのであれば、国民国家の政府は不要という話になってしまいます。


 独自通貨国においても、夕張市の例を見るまでもなく、地方財政は破綻(デフォルト)します。バブル崩壊後のデフレ進行で税収が減り続ける中、地方債で歳入を賄い、雇用対策の支出などを拡大すれば、いずれは限界が来ます。


 バブルが崩壊した国の地方財政を健全化するには、当たり前ですが「デフレ下の緊縮」は逆効果で(税収が減るため)、地域の名目GDP拡大による税収増か、もしくは通貨発行権を持つ中央政府が支援するしかありません。


 バブル崩壊が継続しているスペインにおいて、GDPは実質値でも名目値でも拡大することは有り得ません。すなわち、税収は増えません。(たとえ増税したとしても)


 そうなると、スペインの地方財政を救うには、中央政府の支援しかないわけですが、現在のスペイン政府にはその余力ではなく、「能力」がありません。通貨発行権がない以上、スペイン中央政府とバレンシアなどの地方政府とでは、機能・役割的にあまり変わりはないのです。


 昨日も書きましたが、スペインは共通通貨ユーロに加盟することで、中央政府の虎の子の権限である通貨発行権を手放し、その前には地方自治権を強め、国内に「小国家」を乱立させました。各州は「小国家」である以上、財政的な自由の範囲が広く、当然ながら地方債を大量に発行する「可能性」があります。バブル経済が継続している期間はともかく、バブル崩壊後に税収が減ると、地方債はデフォルトの危機に直面します。


 まさにその通りのことが、現在のスペインで起きているわけですが、何と言うかスペイン式「道州制」にせよ、共通通貨ユーロにせよ、「バブル崩壊」や「デフレーション」を全く念頭に置いていなかったことがよく分かります。


 ところで、スペイン危機の拡大の余波を受け、ドイツが面白いことになっています。
 格付け会社ムーディーズが、ドイツ国債(現在はAAA)について見通しを「ネガティブ」に引き下げたのです。これを受け、ドイツ政府がまことに素晴らしき反論をしています。


ドイツ政府とユンケル氏:ムーディーズに反論-健全さ強調
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M7NRHU6S972T01.html
 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがドイツの格付け見通しをネガティブとしたことについて、ドイツ政府はユーロ圏を揺さぶる金融危機が収束するまで同国は欧州の安全な避難先であり続けると反論した。
 独財務省は、ユーロ圏におけるリスクは「新しいものではない」とし、ドイツは「経済、金融面で引き続き極めて健全な状態にある」との声明を出した。ムーディーズに反論する根拠として同国政府は、独国債の利回りを過去最低に押し下げている金融市場の「判決」を挙げた。
 財務省は電子メールでの声明で、「ドイツはその堅固な経済および金融政策によって『安全な逃避先』の地位を維持し、ユーロ圏のいかりとしての役割を果たし続ける」とし、「同盟国とともにできる限り早急にソブリン債危機を収束させるため、あらゆる措置を施す」と表明した。 (後略)』


「独国債の利回りを過去最低に押し下げている金融市場の「判決」」


 ごもっともでございます。長期金利が1.2%にまで下落しているドイツ国債が「デフォルト(債務不履行)」を起こす可能性はありません。というよりも、そもそもドイツは経常収支黒字国なので、その時点でデフォルトする可能性はないわけですが(貯蓄超過で、政府が国内で国債を消化できるため)。


 あ、でもドイツの場合は、表向きは中央銀行による国債買取という手段ができない(いざという時は容赦なくやるでしょうが)ため、日本やアメリカよりはデフォルトの確率が高いのかも知れません。とはいえ、ユーロの他の国々が危機になればなるほど、ドイツ国債は買われることになりますので、結局はドイツの国内銀行にユーロが集まり、長期金利は低迷します。


 一体全体、ムーディーズはユーロ圏の投資家たちが「ユーロ」をどうすると考えているんでしょうね。ドイツ国債以外に、何を買えばいいというのでしょうか。


 ここで、
「ユーロの投資先がないならば、銀行預金にしておけばいいじゃないか
 と思われたユーザー様がいるかも知れないので、説明しておきますが、上記の「ユーロ圏の投資家」には当然、ユーロ圏内の「銀行」を含みます。ユーロ圏の家計や一般企業から貸し出された(=預けられた)ユーロを、借り入れた銀行側はどのように運用すればいいのか? デフレが進行し、民間の資金需要が縮小しているユーロ圏において、という話でございます。


「ならば、外国に投資すればいいのでは」
 と仰りたい方がいるでしょうが、ユーロをドル円などに両替しても、別にユーロが消えるわけではありません。ドルもしくは円と交換してくれた金融機関の手元に、ユーロは残ります。じゃあ、その金融機関は両替で手に入れたユーロをどうすればいいの? となるわけです。


 何と言うか、ムーディーズにせよ日本の自称評論家にせよ、上記の「当たり前のこと」を理解していないように思えてなりません。


「金融機関の通貨は最終的には、どこかで運用されなければならない(=誰かに貸し出されなければならない)」
「両替されても、通貨は消えるわけではない
民間の資金需要がない環境下では、金融機関は通貨を最終的には国債で運用するしかない」


 上記の認識を持つだけで、現在の世界及び日本で起きていることが克明に見えてくると思うわけですが、いかがでございましょうか。



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