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6月17日 三橋貴明著「ジャパン・コンセンサス―国民を豊かにする「最強」の経済政策  」発売記念

シンポジウム「3人の会【三橋貴明xペマ・ギャルポx生島ヒロシ -デフレを退治し、日本を救う-】http://www.a-un.jp/symposium/index.html

※シンポジウム前半は三橋貴明が講演を行います。

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『日本をギリシャ化する方法①』 三橋貴明 AJER2012.5.22(1) 】
『日本をギリシャ化する方法②』 三橋貴明 AJER2012.5.22(2) 】

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 上にもございますが、来週17日(日)18時から、外国人記者クラブで三橋貴明著「ジャパン・コンセンサス―国民を豊かにする「最強」の経済政策 」発売記念シンポジウム が開催されます。前半がわたくしの講演で、公判がペマさん、生島さんと「デフレ脱却」をテーマにしたシンポジウムです。(というか、トークセッションですね)皆様、お誘いあわせの上、お越しくださいませ。 


 シンポジウムの前日は、「三橋経済塾(第二期)」の第一回講義です。こちらは、経済塾に本登録して頂いた方であればご参加頂けます。二日連続で声が心配ですが、頑張ります。


 先日の藤井先生と上念司氏が出演されたTVタックルで、みんなの党の江田憲司氏が「新たな破綻論」について発言し、KW氏が書き起こしてくれました。(笑えます)


ニコニコ動画8分58秒
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18018462


(話の流れは国の借金が1000兆を超えた大変だ!という問題について)
江田氏「しかしね、あなた方は予算を組み替えてどうするこうするいってたんだから、そりゃこういうことを(子ども手当、高速道路無料化、暫定税率廃止)やりたければ、予算を組んでやればよかったんだけどね。ですから(政府負債が)1000兆円に膨れ上がったということはそういうことです。それから日本の金融資産って個人が1500兆、銀行や生保まで入れると5600兆あるんですよ。ただ、この数字が意味あるのではなくて、大体これ経済の常識として資産と負債の差額が余裕があるかどうか。それが日銀によると250兆円余裕があるんです。金融資産は純資産は、仮に250兆ありましたら44兆の新規国債を発効しているんだから、まあ5年は大丈夫(注:44兆×5ということだと思います)ということです。だけどこういう理論は(政府与党に)ないんです。大変だという理論も無いし余裕があるというわけではないのだけれども、数年は大丈夫だから早く景気を良くしましょうといっているわけです。」


 家計簿か!
 あるいは、企業の貸借対照表か!
 
 上記をマジで言っているとしたら、やはり江田氏も「国民経済」について全く理解していないということになります。というか、純資産(対外純資産)が「国債発行の上限」というのであれば、アメリカを始めとする世界の対外純負債国は国債を発行できないということになってしまいますな


【参考 2011年末時点(速報値)日本国家のバランスシート(単位:兆円)】
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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_38.html#JPBS11


 江田氏の言う通り、日本国全体のバランスシートを見ると、金融負債は5000兆円を超えています。とはいえ、金融資産の方が250兆円ほど多いため、日本は世界最大の対外純資産国です。
 が、、対外純資産250兆円は、「国債発行の限度」とは関係ありません。何しろ、政府が国債発行し、「負債」を増やすとき、必ず「資産」の方も同額増えてしまうのです


 そんなことは当たり前で、皆さんが銀行から100万円を借りることを想像してみて下さい。皆さんが銀行から100万円の借金をしたとき、確かにバランスシートの貸方(右側)で負債が100万円増えます。しかし、その時、借方(左側)で「現金100万円(もしくは預金100万円)」という「資産」が増えるでしょう。金を借りるとは、そういうことです。


 日本政府が250兆円金を借りたとき、政府の負債が約1100兆円から1350兆円に増えます。が、その瞬間は「政府の資産」も474兆円から724兆円に増えるので、日本の対外純資産は「1円」も変わらんでしょう。(バランスシートの借方と貸方が同額増えるため)


 そもそも、日本の対外純資産は過去の経常収支黒字の積み上げであり、国債発行とは何の関係もありません。


 さて、日本政府が250兆円金を借り、それを景気対策なり○○手当で使えば、お金は一般企業(非金融法人企業)もしくは家計の金融資産に移りますが、借方の合計金額は変わりません。単に、金融資産が政府から一般企業、家計に移るだけの話です。
 
 みんなの党のバックの人が↑上記のような入れ知恵をしたとは思えませんので、単に江田氏が付け焼刃の「国家のバランスシート」の知識に基づき、家計簿的、あるいは企業の貸借対照表的な「思いつき」を語っているとしか思えません。政策通と呼ばれる人でさえ、バランスシートに関する知識はこの程度なのです。


 国債発行の限度はあくまで「金利水準」と「インフレ率」です。


 例えば、日本政府が250兆円の国債を発行すると、先にも書いた通り借方、貸方共に同額(250兆円)増え、バランスシート全体は250兆円膨らみますが、純資産は変わりません


 次に、日本銀行が政府発行の250兆円分の国債を買い取った場合、国家のバランスシートの「金融機関」の負債(日銀の通貨発行)が250兆円増え、同時に民間銀行の持っていた国債250兆円という資産が日銀準備金(銀行の日銀当座預金の残高)に代わり、日銀の資産に「国債250兆円」が追加されます。
 結果、バランスシート全体は借方、貸方共に250兆円膨らみますが、純資産は変わりません。


 250兆円もの国債を一気に日銀が買い取れば、さすがに「インフレ率」という限界が発生しますが、国家のバランスシートの純資産は1円も変わりません。すなわち、国債発行の限界は「インフレ率」であり、対外純資産は関係ないのです。


 上記のような「嘘八百」を、名の知れた政治家が平気で口にし、国民を煽る。まさに「情報の歪み」という話ですが、この手の情報を一つ一つ正していかなければ、我が国がまともなデフレ対策を実行に移すことはできないわけです。なかなか難儀な話でございます。

 江田氏の発言は、国民に「ウソの国債発行限度額」を伝え、危機感を高めるという点で、やはり財政破たん論の一種なのだと思います。


 上記の「バランスシートと国債」の話は、まさに実業之日本社「日本は「国債破綻」しない!」 で取り上げましたので、ご興味がある方は是非。


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