数値ルールの呪い

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Youtube版「さくらじ#29 「コレキヨの恋文」三橋貴明 登場!

http://youtu.be/Uv9VYSPsifc

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4月28日に、鳥取で講演会「日本の明日はどっちだ!?地域経済活性化について語る 」が開催されます。
【日時】平成24年4月28日(土)午後2時~3時30分
【場所】鳥取県立生涯学習センター 県民ふれあい会館
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 エンターテイメント経済歴史小説、「コレキヨの恋文 」、長谷川慶太郎氏との対談本「日本と世界はこう激変する 大恐慌終息へ!? 」、日本の資本主義を語る「悲観論に踊らされるな! ニッポン経済集中講義 」発売になりました!



【写真:4月25日TOKYO MX 左から安藤さん、ウーファンさん、三橋、ハルカさん、オクサナさん、ヒョンギさん】
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※コレキヨの【恋文】の宣伝なので、ハートしかない(某さん)だそうです・・・。


 昨日はTOKYO MX「ゴールデンアワー」に出演致しました。今回は「給与・賃金」をテーマに話してみましたが、如何でしたでしょうか。
 ちなみに、昨日使ったグラフは以下になります。


【日本の製造業の配当金(左軸、単位:億円)と労働分配率(右軸)の推移】
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http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_37.html#Houjin


 予め書いておきますが、昨日のMXで取り上げた「株主資本主義」(配当金重視)と「フォーディズム」(労働分配率重視)は、単なるバランスの問題であって、「どちらが良い、悪い」の話ではありません。あるいは、「良い、悪い」が定まるとしても、それは単なる時期の問題であり、環境が変われば答えも変わるのです。


 図を見る限り、2000年以降の日本の製造業が「労働分配率を引き下げつつ、配当金を増やしてきた」のは確かです。また、橋本政権以降、元々は5%程度であった外国人持ち株比率が28%近く(06年)にまで上昇したのも確かです。まさに、その06年の配当金の額が、突出して高くなっているのは決して偶然ではないでしょう。


 そもそも、労働分配率の上げ下げは、企業の勝手です。共産党ではあるまいし、政府は企業に「労働分配率を上げろ!」などと言うことはできませんし、言うべきでもありません。政府にできるのは、単に「企業が労働分配率を上げた方が有利になる」ように、インセンティブをもたらす政策を実施する事だけです。


 とはいえ、上記に「外国人投資家」というファクターが加わると、話がややこしくなります。本来は国内問題に過ぎなかった「労働分配率重視 or 配当金重視」という問題に、一つ「余計な要素」が加わってくるわけです。これがまさにグローバリズムの難しさというか、面倒くささです。


 日本の製造業の状況を数値データで見る限り、
「日本の製造業は労働分配率を引き下げ、配当金を増やした。当然、外国人にも『労働分配率を引き下げた結果、増えた』配当金が渡った
 という話になるわけですが、これは「国民経済」という視点から見て正しいでしょうか。是非、じっくりと考えてみてください。


 さて、話は変わりまして、世の中には変な人が多く、
「日本銀行が保有する長期国債の額は、日本銀行が発行した現金(日銀券)の額を超えてはならない!」
 などと、学術的根拠ゼロ、経済学的根拠ゼロ、誰も「なぜ、超えてはならないのか?」を説明できないおかしな数値ルールを固持しようとする組織があります。すなわち、日本銀行の日銀券ルールです。

 もちろん、日銀の国債買取は「インフレ率」により制約されるわけですが、逆に言えば日銀券ルールは関係ありません。長期国債買取額が日銀券より少なくてもインフレ率が急騰したら、日銀券ルールと無関係に日銀は国債買取を抑制し、金融引き締めを実施しなければならないのです。


 さらに、日本には他にもおかしな数値ルールがありまして、
「防衛費はGDPの1%まで」
 という意味不明なものがあります。防衛費とは、すなわち防衛力だと思うのですが、
「日本国民の安全を守る」
 ことが目的であるはずの防衛支出に、「GDPの1%」という冷戦時に設定された数値ルールが適用され、守られています。リーマンショック以降、日本の名目GDPは20兆円くらい減りましたので、当然、防衛費も2000億円減額になりました。この2000億円減額には、
「日本の安全保障は確保される状況になった。防衛費を削っても大丈夫」
 といったロジックがあるわけではありません。単に、「GDPが減ったから、防衛費も削る」という話に過ぎないのです。


 あれですかね。日本は尖閣諸島を巡り、中国と局地的戦闘状態に陥っても、「防衛費はGDPの1%を堅持する」とかやるんですかね。正しい考え方は、
「国民の安全保障上の脅威が多ければ防衛費を増額し、少なければ減額する」
 だと思うのですが、いかがでしょうか。


 とはいえ、上記のように「数値ルールの呪い」に縛られている変な国は、別に日本だけではありません。何しろ、欧州の多くの諸国は、ことごとくじ奇妙な「数値ルールの呪い」に縛られ、政権が揺れ動いています。


オランダ首相:政治は危機回避のため行動を-9月選挙も
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M2ZSID6K50Z901.html
 オランダのルッテ首相は24日議会で演説し、経済の低迷を直視し、債務危機回避のために政治が行動しなければならないと議員らに訴えた。野党は財政赤字目標を忠実に守る必要はないと主張している。
 前日に内閣総辞職の意向をベアトリックス女王に伝えた首相は、ヘルト・ウィルダース党首率いる野党・自由党(PVV)が財政赤字削減をめぐる協議の決裂を受けて政権への支持を打ち切った21日以降も、措置を講じる必要性が「低下したわけではない」と語った。
 首相は財政緊縮案を、今週の協議に向けて25日に議会に提出するとし、9月12日に総選挙を実施することが「あり得る」と言明した。
 首相は「問題はあまりに深刻で無視することはできない」と強調。「経済は腰折れしつつあり、雇用も圧力にさらされている。国の債務は放置できないようなペースで増加している。これらは事実であり、誰もそれから逃れることはできない」と訴えた。
 ルッテ首相は債務をめぐる欧州連合(EU)規則を順守するため、少なくとも95億ユーロ(約1兆円)の追加歳出削減を目指している。
 オランダの2013年の財政赤字は、対国内総生産(GDP)比で4.6%と見込まれている。ルッテ政権は、この比率をEU規定の上限である3%に削減する計画を今月30日までに策定すると表明している。
 野党議員は、来年に関しては財政赤字の上限を守る必要はないとの考えを示した。社会党のエミール・ルーマー党首は、予算を約140億ユーロ削減するという政府の現行計画は「達成不可能であり、賢明ではない」と指摘した。
 またPVVのウィルダース党首は、3%の上限は「神聖にして侵さざるものというわけではない」とし、15年に目標が達成されれば十分だとの認識を示した。 』 


 ユーロ加盟国はマーストリヒト条約により、財政赤字を「対GDP比で3%以内」に収めることを求められています。とはいえ、この3%の根拠は何でしょうか? というよりも、インフレ期の「財政赤字対GDP比3%」と、デフレ期の「財政赤字対GDP比3%」が同じ意味を持つのでしょうか。それは、「平和時の防衛費対GDP比1%と戦時の1%は、同じ意味を持つ」と言っているほどにナンセンスだと思います。


 まさに、ウィルダースPVV党首が言う通り、
「3%の上限は神聖にして侵さざるものというわけではない」
 わけですが、ルッテ首相は3%ラインを守るために総選挙を実施する可能性を示唆しています。何というか、本末転倒も極まれりという感じがしませんか。
 
 数値ルールの呪いに苦しめられている国民は、もちろん日本国民やユーロ諸国の各国民ばかりではありません。この手のナンセンスな数値ルールの呪いを打ち破るには、どうしたらいいでしょうか。少なくとも、日本の場合は何しろ「エリートがいない(もしくは無能な)国」でございますので、国民が賢くなる以外に方法がないと思っているわけです。


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