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 先週から週末に掛けて、四川の「地震湖」問題が大詰めを迎えつつありますので、幾つか報道をピックアップします。

『130万人の退避作戦―地震湖全壊すれば濁流1億t超  2008年5月26日
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0526&f=national_0526_017.shtml
 26日付中国新聞社によると、四川省綿陽市は同日、12日の大地震による山崩れで川がせき止められて出現した唐家山地震湖(せき止め湖)の決壊の危険が高まったとして、最大で住民約130万人を退避させる作戦を発表し、各地域に同日午後6時(日本時間午後7時)までに周知徹底させる作業を始めた。
 唐家山地震湖の水位は725.2メートルで、現在も1日あたり1メートルの割合で上昇。貯水量は約1億3600万立方メートルとみられ、全壊すれば1.36億トンの水が濁流化することになる。
 市は、24時間以内にダム決壊が予想された場合の退避作戦を策定。決壊の度合いにより3種類があるが、全壊する恐れがある場合には下流域の住民約130万人を退避させる。綿陽市に属する江油市などでは27日に予行演習を行うという。
 なお、同市北川県の中心街、北川県城では二次災害防止のためとして、21日の時点で一部関係者以外の立ち入りを禁止した。』

『唐家山地震湖:爆破見合わせ、山崩れ誘発の恐れあり 2008年5月27日
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0527&f=national_0527_027.shtml
 27日付中国新聞社電によると、四川省綿陽市の山間部に12日の地震による山崩れで川がせき止められて出現した唐家山地震湖を土砂ダムの爆破により放水させる作業はいったん見送られることになった。
 同湖では重機20台を使って土砂を取り除く作業が続けられている。現在の計画では6月5日までに放水路を作る応急処置を終えるという。
 現地まで陸路で爆薬を運んだ武装警察隊の責任者はラジオ局の取材に答えて、「両側の山の状態が不安定で、土砂ダムを爆破すると、山が再び崩れる恐れがある」と説明した。
 ただし専門家はできる限り早期に放水するよう求めており、水位の上昇が速まった場合などには、爆破を実施する可能性もあるという。』

『四川大地震:綿陽の土砂ダム決壊に備え10万人避難 2008年5月28日
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0528&f=national_0528_007.shtml
 26日、四川省綿陽市では唐家山の土砂ダム決壊に備え、合わせて10万人が避難している。中国国際放送局が伝えた。
 綿陽市の譚力書記によると、唐家山の土砂ダムの貯水量は1億2000立方メートルを超え、水位が1日当たり2メートル以上のスピードで上昇し、極めて危険な状態にあるという。また、綿陽市地震救援指揮部によると、決壊する24時間前には避難警報が鳴り、住民に十分な避難の時間が用意されるという。』

『四川大地震:被災地、6カ所の土砂ダムが危険な状態に 2008年5月30日
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0530&f=national_0530_006.shtml
 中国水利部の最新情報によると、四川省の6カ所の土砂ダムが危険、あるいは極めて危険な状態になっているという。中国国際放送局が伝えた。
 水利部災害救援指揮部の程殿龍報道官は29日、「現在、四川省の土砂ダムは合わせて34カ所存在し、そのうち6カ所は危険状況が解消された。残る28カ所の中では、唐家山の土砂ダムが最も危険な状態で、決壊の危険性を除去する作業を急いでいるほか、肖家橋など5カ所も危険な状態にある」ことを明らかにした。』

『四川大地震:唐家山の「地震湖」、上流の水位が上昇 2008年5月31日
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0531&f=national_0531_012.shtml
 唐家山の「地震湖」の上流にある禹里郷では水位が上昇し続けており、多くの家屋や道路、畑が浸水している。中国網(チャイナネット)日本語版が伝えた
 禹里郷では村民が畑にSOSと描き、救助を求めた。陸路が通行不能となったため、ヘリコプターを使って作業員や救済物資が運ばれているほか、済南軍区のある陸軍航空団はMi-17ヘリコプターで、通信器材や食料品などの物資を禹里郷に運んだという。』

『四川大地震:唐家山の地震湖、排水路がほぼ完成 2008年6月1日
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0531&f=national_0531_020.shtml
四川大地震の唐家山地震湖救援指揮部によると、唐家山に発生した地震湖の排水路がほぼ完成し、31日午前、一部の救援隊員が撤退を始めた。中国国際放送局が伝えた。
 また、6月1日午前中には残り600人余りの救援隊員がすべて撤退するという。 現在、唐家山地震湖の水位は733メートル、貯水量は1億8千万立方メートルに達している。』

 日本を代表する黒部ダム(黒四ダム)の総貯水容量が1億9928万立法メートル(有効貯水容量は1億4884万立方メートル)であることを考えると、唐家山地震湖のスケールのでかさが実感できます。黒部ダムクラスの巨大ダムが、地震による土砂崩れによりできてしまったのです。
 わたしはダムの専門家でも何でもありませんので、黒部ダムクラスの巨大ダムが決壊し、膨大な土石流が市街に押し寄せてきたとき、どれだけ悲惨なことになるかは想像に頼るしかありません。が、1億?を超える水が濁流となったとき、その圧力に耐えうる物質はこの世に存在しないような気がします。
 先週からの報道の流れを追いますと、中国当局は当初は地震湖を爆破し、放水しようと考えていたようです。が、5月27日のサーチナの報道によると、爆破することにより山崩れを引き起こす危険があるため、とりあえずは見送られたようです。
 その後、人民解放軍などの必死の努力により、排水路の方は何とか完成したようです。恐らく今週始めにも水位が排水溝に達し、放水が始まることになるでしょう。しかし、コンクリートでもない土砂ダムに排水溝(要は、溝)を掘って、本当に順調に放水ができるものなのでしょうか。排水路なしで満水となり、一気に崩壊するよりはマシレベルの、苦肉の策のように思えてなりません。
 26日や28日の報道を見ると、中国当局は放水が順調にいったとしても、綿陽市が大きな被害を受けることは免れないと考えているようですね。しかし綿陽市は四川省では成都市に継ぐ巨大都市で、人口は540万人!です。10万人だろうが、130万人だろうが綿陽市の住民の一部に過ぎないわけで、本当に他の人たちには被害が及ばないのか、非常に心配されるところです。
 しかも、避難をさせたらさせたで、数百万人の避難民を秩序正しく生活させるなど、この世の誰にもできないと思います。
 その上、地震湖は唐家山だけではないのです。

『2008/06/01-18:53 成都隣接地区でも決壊防止作業へ=せき止め湖6カ所が増水-中国四川省
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008060100187
【成都1日時事】中国・四川大地震で被災した什◆(方にオオザト)市で6カ所の「せき止め湖」の水位が急上昇したため、被災地の救援活動を行っている人民武装警察部隊が5月31日、緊急会議を開き、決壊防止作業の開始を決めた。1日付の当地の日刊紙・華西都市報が伝えた。
 什◆市は成都市に隣接し、今のところ住民に避難命令は出されていない。武装警察幹部によると、決壊防止作業には500人の兵士を派遣する。しかし、現場は地形が険しく、作業は難航が予想されるという。』

 綿陽市のみならず、四川省省都である成都近郊でも、地震湖の水位が急上昇し、危険な状況になりつつあります。綿陽市のみならず、成都市までもが地震湖からの土石流に脅かされ、住民が避難する状況になった場合、もはやさすがの共産党政府も収拾がつけられない状況になるでしょう。

その2に続く
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/9864695.html