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『日本の亡国を防ぐために①』三橋貴明 AJER2015.9.15(5)

https://youtu.be/oN59AffMGQE

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 IMFから興味深いレポートが報じられました。


『「円安でも日本の輸出増えない」 IMF報告書、海外移転の加速で
http://www.sankei.com/world/news/150928/wor1509280062-n1.html
 国際通貨基金(IMF)は28日、円安になっても日本が輸出を増やすのは難しいとする報告書を発表した。通貨が安くなれば輸出が増えるのが一般的だが、製造拠点の海外移転が加速している日本は「例外」とした。
 IMFによると、主要通貨に対する総合的な価値を示す「実質実効為替レート」が10%安くなれば、輸出から輸入を差し引いた純輸出は、平均で国内総生産(GDP)の1・5%分増える。通貨安は輸出の追い風になる一方、輸入減につながることが多いためだ。
 報告書は、東日本大震災で国内のサプライチェーン(部品の調達・供給網)が寸断されたことを契機に、製造業の海外進出が加速したと指摘。付加価値の高い電子部品などを得意とする日本
は、国際的な分業体制に深く組み込まれていることも輸出が増えない要因の一つと分析した。』


 というわけで、日本の実質輸出と為替レートのグラフをアップデートしました。


【日本の実質輸出と為替レート(2000年1月-2015年8月)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_50.html#JEXPORATE


 図の通り、すでに2007年水準(日本の輸出が絶好調だった年)にまでドル円の為替レートは下がっているのですが、実質輸出は相変わらずリーマンショック前はもちろんのこと、東日本大震災前すら下回っています


 無論、円安はグローバルに利益を稼ぐ日本企業の「円建ての利益」を拡大する効果はあります。とはいえ、これは単に物差しが変わっただけで、実質的な需要(GDP)が増えたわけではありません


 また、円安でグローバル企業の収益の「金額」が増えれば、法人税は増収になります。日本円建ての収益が増大したことを受け、設備投資や雇用拡大に乗り出してくれる企業もゼロではないでしょう。


 とはいえ、現実の話として、第二次安倍政権発足後の円安は、実質的な輸出(=需要)を増やしていないのです。


 理由は、そもそも世界的に需要が縮小していることに加え、IMFの報告書の通り、企業が製造拠点を海外に移転した、あるいは移転しつつあるためです。


 企業の製造拠点の海外移転とは、国際収支における「対外直接投資」の拡大になります。実は、第二次安倍政権が発足して以降、つまりは現在の円安が始まってい以降、対外直接投資はむしろ「増えている」のです。


 2012年に9.4兆円だった我が国の対外直接投資は、2013年に14.4兆円と、大幅に伸びました。2014年は前年比ではマイナスになったのですが、12.8兆円と、相変わらず10兆円超の状況になっています。


 当たり前ですが、日本企業の中には円安を受け、国内に生産拠点を戻すところもあるでしょう。話は「1 or 0」ではないのです。


 とはいえ、トータルで見る限り、第二次・第三次安倍政権下で大幅に円安になっている状況で、日本の対外直接投資は「増大した」というのが現実なのでございます。企業は国内ではなく、海外における投資を重視しているのです。


 日本企業が国内の投資を「十分に」増やさない理由は、これはもう明々白々です。デフレが継続し、需要が拡大しない地域、つまりは儲からない地域に投資をする企業などありません


 企業の設備投資は、もちろん「民間企業設備」というGDPの需要項目の一部です。とはいえ、
「企業が設備投資を増やさないため、需要が十分に増えないのか? 需要が十分に増えないから、企業が設備投資を増やさないのか?」
 といった「鶏と卵」の話をしたいわけではありません。何しろ、需要を増やすことができる経済主体は、一般企業(非金融法人企業)以外にも存在するのです。すなわち、家計、政府、外国です。


 企業が設備投資を拡大しなくてお、家計が消費を増やせば「十分に需要が増大する」状況になることはあり得ます。とはいえ、安倍政権は消費税増税で家計の消費に重しを乗せてしまいました


 外国の需要、つまりは純輸出はどうでしょうか? IMFの記事にもある通り、現在の日本は「円安でも輸出が増えない」状況にあります。そもそも、世界貿易が縮小局面にあるこの時期に、「外需(純輸出)で需要創出」など、頭が悪すぎます。


 というわけで、結局のところ、現在の日本において率先して「需要創出」に走れるのは、政府しかないのです。


 ところが、安倍総理、麻生財務大臣共に「補正予算は現段階では考えていない」と発言するわけですから、驚きました(というか、呆れました)。

 少なくとも、経済分野においては、 日本は完全に「政治不在」に陥ってしまっています


 以前から何度も書いていますが、デフレにはどんな総理大臣も勝てません。実質輸出や企業設備投資、家計の実質消費、国債金利など、あらゆる経済指標が「政府の需要創出策が必要」と叫んでいるにも関わらず、安倍政権が補正予算の議論すら始めていない以上、我が国の再デフレ化はほぼ決定的になったと思います。


 日本経済の再デフレ化と国民の貧困化継続の責任は、財務省や日銀、御用学者たち、マスコミなど、ブレイクダウン(細分化)すると複数に分散されるのですが、大本は安倍総理大臣その人にあるのです。



「政府はいい加減に補正予算の議論を始めろ!」に、ご賛同下さる方は、

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