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チャンネルAJER更新しました!

『自然失業率①』三橋貴明 AJER2014.12.16(3)

http://youtu.be/AjgzRylJOYk

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 本日はチャンネル桜「日本よ、今...闘論!倒論!討論!2014 年末スペシャル ― 安倍政権の行方」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1587


 本日は20時20分頃から、 J-WAVE「JAM THE WORLD」に(電話)出演します。
http://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/


 さて、2014年4月に消費税を増税し、日本を二四半期連続のマイナス成長(リセッション)に叩き落とす結果となった安倍政権が、先日お伝えした通り、3.5兆円の経済対策を閣議決定しました。


 財源については、
新規の赤字国債発行に頼らず、税収の上振れ分などを充てる」
 とのことです。と言いますか、少なくとも表向きは「財政状況に配慮」し、補正予算を14年度5.5兆円から、さらに減額するという話なのです。


 そして、例により経済対策と同時に、「基礎的財政収支(プライマリーバランス)」の目標と「やる気」が示されました。


安倍政権:3.5兆円の経済対策を閣議決定-生活者、中小企業支援が柱
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NH8KYO6TTDS001.html
(前略)日銀に対しては、「2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現することを期待する」と明記。来年度の国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)赤字については、対GDP比半減目標を「着実に達成するよう最大限努力する」と記した。 (後略)』


 プライマリーバランス主義。あるいは、財政均衡主義でも同じですが、現在の日本政府がプライマリーバランスの目標を掲げると、結果的に財政赤字は増えます。理由は、プライマリーバランスの目標を掲げた政府は「政府支出削減」もしくは「増税」に主眼を置かざるを得なくなり、現在の日本にとって必要な需要創出ができないためです。結果的に、デフレからの脱却が遅れ、名目GDPが成長せず、税収が減り、財政赤字が拡大することになるわけです。


 今回の補正予算3.5兆円が、
財政状況に配慮し、前年度より減額
 になったのは、まさに安倍政権が財政均衡主義から逃れることができていない証左になります。


 本問題について、藤井聡先生が「「新」日本経済新聞」に素晴らしいコラムを書いて下さいましたので、ご紹介。

『【藤井聡】財政規律のための「ドーマー条件」の性質について
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2014/12/30/fujii-123/
財政規律のための「ドーマー条件」の性質について ~デフレ期にはPBよりも名目成長率に注力すべし
 債務対GDP比(名目)を財政再建目標としたとき、それが「増えていかない事」 (発散しないこと)が、大切となります。
 この点について、日本の政府では、数式に基づく「ドーマー条件」と呼ばれるにものに基づいて、PBを黒字化すべきだという事になっています。
 そして多くのエコノミストは、その「ドーマー条件」を持ち出しつつ、
「だから、PBの黒字化が必要だ」
 と主張しておられます。
 ドーマー条件についての分析そのものは、否定しようの無い分析であり、筆者もまた、それを否定するものではありません。しかし、その分析から「PBの黒字化が必要だ」という結論を導きだす論理プロセスそのものは、著しく不当である、としか言い得ぬものであります。
 なぜなら、ドーマー条件に基づいて素直に解釈すれば、債務対GDP比(名目)の発散を防ぐためには、「PBを黒字化」することでも良いし、名目GDPを成長させてもよい、という「2つの異なった結論」を導き出すことができるからです。しかも、統計的な分析を踏まえれば、デフレ期においては、PBを配慮する以前に、デフレを脱却し、名目GDPをプラス成長に転じていくことが、最大の財政再建策である、という事実も浮かび上がってきます。
 そして最終的には、マクロ経済状態がデフレなのかインフレなのかを見据えつつ、PBと名目GDPを総合的に見据えながら、債務対GDP比(名目)を発散させないように、経済・財政政策を展開していく、という方針を採用することが最も得策である、という結論が得られることとなります。(後略部)』


 後略部で、藤井先生は竹中氏らの

「もしも、r(名目金利)とg(名目GDPの成長率)が同じなら、プライマリーバランスが黒字でなければ、債務対GDP比は、発散(膨張、という意味)してしまう」
 という主張の「奇妙さ」について指摘しています。


 確かに、rとgが同じなら、PBが黒字でなければ、政府の負債対GDP比率は拡大してきます。とはいえ、あくまで「rとgが同じなら」という前提条件が付くのです。


 プライマリーバランス黒字化を主張する論者、経済学者、官僚、政治家たちは、この前提条件を絶対のものとして説明します。これは、極めて問題がある態度です。


 藤井先生が書かれている通り、
債務対GDP比(名目)」は、成長率(g)が高い方が、低下していく可能性が高くなる。」
 のは、これはドーマー条件からも数式からも明らかなので、名目成長率が名目金利を上回れば、政府の負債対GDP比率は低下します。


 現在の名目金利は、長期金利でわずか0.3%。短期では「ゼロ」どころか、二年物までマイナス金利になっています。


 政府が「まともなデフレ対策」を実施し、わずか0.3%の名目成長率すら達成できないなど、考えられません。何しろ、現在は日本銀行が金融政策を拡大しており、方向的には「金利を抑制しつつ、物価上昇率を引き上げる」という政策もとられているのです。物価上昇率(GDPデフレータ)が0.4%プラスになれば、実質的にGDPが成長しなかったとしても、名目GDPは0.4%成長となり、長期の名目金利さえをも上回ります。


 藤井先生は過去のデータ(デフレ前とデフレ期)について調査、分析され、


「インフレ期においては、名目GDPの成長率を確保しつつ、PB赤字を低く抑えておくことが、債務対GDP比(名目)の拡大を抑制する上で得策である。
 一方で、デフレ期においては、PB赤字を低く抑えようと努力することは、債務対GDP比(名目)を抑制する上でほとんど役に立たない一方で、名目GDPの成長率に配慮し、成長させる事が得策である。
 なお、金利については、デフレであってもインフレであっても、必ずしも明確な影響は見られないため、それに対する対策の優先順位は高くない。」


 という結論を導き出されていますが、まさに「論理」と「現実」が一致しているわけです。


 それにも関わらず、今のところ安倍政権は「プライマリーバランス」「財政均衡主義」からの脱却は果たせていません。確かに、安倍政権は15年10月の消費再増税を延期しましたが、
「プライマリーバランスの黒字化を」
「プライマリーバランスの赤字を対GDP比で半分に」
 などとやっている限り、が国のデフレ脱却は果たせないでしょう。何しろ、大本の目標設定を間違えているのです。


 現在の日本は、とりあえず「プライマリーバランス」という言葉を忘れ、デフレ脱却のための需要創出に専念するべきなのです。結果的にデフレ脱却を果たせば、プライマリーバランスなど勝手に改善します。


 逆に、プライマリーバランスに固執すると、十分な需要創出が行えず(行えていません)、デフレ脱却を果たせず、プライマリーバランスはさらに悪化することになります。


 本日は、2014年最後の日です。

 結局、2014年も日本のボトルネック(制約条件)たる「財政均衡主義」を打破することはできませんでした。心の底から、残念です。


 来年こそは、2015年こそは、財政均衡主義からの脱却を果たし、デフレ脱却への確実な一歩を進めるよう、言論活動を継続するべく、心を思いを新たにしたいと思います。

 本年は大変お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。


2014年12月31日 
三橋貴明


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