株保有のリスクヘッジについて考えた | 40歳までに運用資産1億円を目指したい記録

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中東での紛争リスクが高まって、リスクヘッジの動きが高まっている。


リスクヘッジのやり方としてすぐ思いつくのは、ポジションを解消すること。実際自分でもやった。けど手放せなかった銘柄もある。


ヘッジファンドなど非常に大きな金額を持っている投資家が、現物を同じように手放すことはできない。理由は色々あると思うけど、その売りが価格を下げるし、利益も確定させてしまうし。だから違うやり方でリスクヘッジをする。


それが日経平均など指数の先物らしい。信用取引のメリットとして、持ち株の下落時に反対の信用売りをしてリスクヘッジすると説明されるけど、指数先物も同じように使われる。そしてこちらの方がかかるコストが低い(と理解している)。


信用取引はその全額に対して2.8%とかの利息がかかる。400万だとしたら190円/日で、長く持つほどかかる。一方で日経平均先物miniは新規建時と反対売買時にそれぞれ35円ずつなので合わせて70円。仮に1日でヘッジを終えたとしても100円以上先物の方がコストが安い。



例えば今、信用取引の建残で3000万円分持っていて、中東リスクで2%とか下がるリスクがあるとする。日経miniを7枚売り建てして約2,800万。何もしなければ2%下落だと60万マイナスをくらうけど、ヘッジしておけば56万は反対売買で利益が出るからマイナス4万で済む。これが日経全体の下落幅に対して持ち株の下落が少なければトントンになるかもしれない。これがヘッジの効果。


ただ、当然デメリットもある。リスクをヘッジする代わりに、利益も制限される。もしリスクが顕在化せずに市場が真逆に跳ねた場合、そこで得られていたはずの利益は売建された先物のマイナスで相殺される。ギャップアップで利益出た!とはできない。


また信用取引のように金利がない代わりに、証拠金という一定金額を準備する必要がある。ヘッジする額の20分の1程度なので大金ではないが、普段あまり現金で余力を残さない人にたったは意外と大きい。


それからいつの時点でヘッジをかかるのかという問題もある。みんながヘッジをかけ始めて先物の価格が下がったところで売りヘッジをしても、下がった後の価格で買うことになるのでヘッジできている率は小さくなる。かと言って何もない時にヘッジをしても利益を阻害するだけ。


効果的に使えばリスクを大きく下げるが、闇雲に使っても意味がない。どこで、どのくらい使うのかが大事。



例えば、全体としては上昇傾向にある銘柄で日経よりもパフォーマンスがよいとする。その銘柄を保有している時に雇用統計などの経済指標の発表がある。それが下ぶれれば株価は下がる。


この時に日経先物をその銘柄と同じ金額くらいヘッジとして買う(前提として他の参加者がそこまでヘッジを多くかけておらず先物の価格は適正であるとする)と、もし雇用統計が悪く下振れしたとしてもその銘柄がマイナスになった分と先物の反対売買でのプラスが相殺される。ヘッジがないとただ下がって、それまでその銘柄が上がって確保できていた利益が飛んでしまうけど、ヘッジがあるとそれに相当する分を先物で取れていることになる。


このとき、雇用統計のその銘柄へのマイナス影響の方が大きい場合は、少し利益は落とすことになる。また、雇用統計の結果がプラスに働くセクターだった場合はそこでさらに上乗せできていた利益を先物で相殺することになる。



自分の適正なポジションの金額を維持すること、根拠のない持ち越しはしないこと、こういう基本があった上で、特に週末前や大きなイベント前、あるいは市場が不安定な中で想定外のパンチを食らわないようにするための手段。そのダメージを減らすために、全額ではなく一部の金額だけヘッジをかかる、というのが正しい気がする。


ポジションを動かすことができるならそれが一番良いわけで、それができないからこそヘッジという手段をとる、取らざるを得ない。


もし含み損の銘柄だとしても、それが確実に下がるリスクがあるならば一度売って、下がった後に買い直したほうが、ポジションを持っていない間の下落分はうまく回避したことになる。そこから元値まで上がったとしたら、保有し続けていたらプラマイ0だが、売っていたら回避した分だけプラスになっている。ヘッジをかけるのは、この保有し続けるのと一緒。


自分の見込みに自信があれば売り買いしたほうがプラスになる可能性があるけれど、それができないからプラスマイナス0を目指すのがヘッジ。ヘッジは理論的にはプラスの期待値にはならない(下落差の違いで結果としてそうなることはあるかもしれないが)。


別の観点では、自分の見込みに全く自信がない、どう動くか分からないからリターンを手放してリスクを減らすのがヘッジ。


要は防御一辺倒。リスクを防いだことでプラスに感じてしまうが、もし事柄が逆に動いていたら利益をみすみす逃したことになる。ゼロでいいと決めて乗り切るための手段。


普通の人にとってはあくまで最終手段で、それをしなくても生き残れるようにコントロールをすることの方がレベルアップになりそうだと思った。



もう一つ、今考えていてとても大事なことに気づいた。デイトレは値動きをどれだけ読めるか、その通りに売買できるかどうかという戦い。さらにその読みは、チャートの上下動をどこまでの単位で読むかによって変わる。5分足くらいの世界で見るのか、1時間とかの単位で見るのか。その流れの読みが当たっていれば利益を得られる。


含み損になったとき、そこで思考停止して戻ってくるまで待つ、その間何しないというのは機会を全て逃していることになる。


例えば、さらに含み損が増える方向に動くと読むのならば、早く損切りして売りポジションをとれば、さらに抱えるはずだった損を抑えて、さらに利益が取れる。抱えたままだと何のプラスもなく含み損が増えただけ。


含み損を抱えたままにするのが悪い理由は、心理的にバイアスがかかってさらに損失を抱えやすい、という文脈で説明されがちだが、それよりも流れが読めていても何もしない・できないことが機会損失になっていることの方も大きいと思った。


まさに今週含み損を抱えてじっと待つだけだった自分のような人に伝えてあげたい。