2.幸福論及びメンタルヘルス

当社の経験力で語れるほど幸福というものは簡単ではない事は承知ではあるがどうしてもこのテーマを抜いて話を進める事は出来ない。

これは音楽家でなくとも人生において大きなテーマなのだと思うが、物を生み出さない音楽家がこれを知る事で社会から必要とされる割合が増すのではないかと信じている。


「幸福はみずから足れりとする人のものである」

アリストテレスの言葉より


「働きの喜びは、自分でよく考え実際に経験する事からしか生まれない」

幸福論より ヒルティ著 草間平作訳 岩波文庫


「幸福な生活とは何かといえば、冷静にとっくりと考えてみた上で、生きていないよりは断然ましだと言えるような生活のことである。幸福な生活をこんなふうに考えれば、幸せな生活そのものが動機になっているのであって、単に死の恐怖が動機になっているのではない。

人生がこういった生活の概念に合致しているかどうか、この問に関しては、読者のご存知のとおり、わたしの哲学は否と答えるのである。つまり幸福論はわたしの主著で非難しておいた人間生来の迷妄が基礎になっている。」

幸福についてより ショーペンハウアー  新潮社


今までに多くの人間が生まれ、喜び悲しみ、苦悩し絶望を味わい希望を見出し、幸福と不幸に直面してきていたのだと思う。

その知恵や知識、経験を借りる事は賢い行為だと思うがそれを知っていても不幸を感じている人の多さにどのようにしたら良いかはわからない。


人間という性質を理解すれば幸福に近づくかもしれない。

男女による違いも大きいだろう。

音楽家であれ一人の人間である。

そして人間という存在が多数集まり社会は存在している。

音楽家はその中での役割にしか過ぎないだと思う。


あなたがどんな評価を受けていようが一人の人間として生きている事実に変わりはない。

色々な人によって幸福の研究はされてはいるがこの国において、幸福であると言える人が少ないのではないかと思うとやはり少し寂しい事である。

経済的な背景がそれを強くしているようにも思うが最終的にはどのような思想主義でいるかが肝要なのではないだろうか。


「貧乏な人とは物を持っていない人ではなく、無限の欲があり幾らあっても満足しない人のことだ」


今は退任された世界で最も貧しい大統領として有名なホセ・ムヒカ氏の言葉です。



「音楽を生業にしている貴方は幸せですか?」

貴方にとっての幸せはなんでしょうか。



不幸をもたらす問題からは目を背け逃げる事も出来るが問題を先送りにすればするほどに不幸という存在が近くなるケースをよく見ている。

自分がしたい事と現実的にしなければいけない行動は別です。

どのような選択肢があるのかを知らなければ只々毎日が窮屈になっていく。


ただ、実際にその問題を自身で解決できない場合もある。

逃げる事は自分を守る為なら必要である。

また、挑む事も自分を生かす為には必要である。


音楽家の存在が社会において有益であると思っている大きな理由の一つは利他的である事が非常に多いという事である。

まぁ、もちろんそうではない人間もいるだろうが・・・

仕事の性質上、ある一定の線を越えるまで利己的では音楽活動が出来る可能性は低い。

音楽家は自分が思っている以上に多くの人に幸福を感じさせる事の出来る貴重な人材であると知って欲しい。

演奏だけが全てではなく貴方の目の前の観客に心からの感謝を伝える事で目の前の人は感謝というものを改めて認識する事もある。


貴方が不幸を感じているのであれば、それを解決する為の努力をしなければならない。


どこかの企業に勤めていれば精神予防をしている所もあるだろうが、殆どの場合、自分達で管理するしかない。

他の職種でも該当する人も多いだろうが室内に籠って長く作業をしていると精神的不安が募りやすくなるのは自然な事だろう。


1章でも少し触れたように自分自身のアイデンティティーを音楽に傾倒させると自分自身を苦しめる結果になる事もある。    

もし、どうにもならない時には関係性のない人間に助けを求める事も出来る位は国として日本は機能している。


「あなたはあなたの仕事の為に肉体的にも精神的にも健康である必要がある。」






メンタルヘルスチェック

http://atmentalhealth.jp/sindan/


よりそいホットライン

0120-279-338

http://www.nhk.or.jp/heart-net/ikiru/soudan/


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