銀座は、日本の文化の集まるところ。昼の顔も夜の顔もある大きな町で、行き交う人々も様々だ。
その片隅のバーという小窓からお酒にまつわる人間模様を眺めてみたい。

1、お酒との付き合い始め

人はいつからお酒を飲むようになるのだろうか。
生まれてから一番初めにお酒と出会うのは多くの場合「親」を通して出会う方が多いようだ。
フランスではワインを薄めて子供に飲ませるなんて話を聞いたりするが、日本では場所柄ジョニーウォーカーにまつわる話を多く聞く。
ジョニーウォーカー。1950年代の価格で1万円、当時の大卒初任給の二ヶ月分に相当する。
家のショーケースで大事に飾られていて持っているだけでステータスになっていた代物である。
親が飲むのを真似していた人が多いようだが、大方不味いと思ったそうだ。

次にありがちなパターンは、悪い先輩からの誘いである。
未成年者の飲酒は禁じられていて良くない話ではあるが、高校時代に飲酒をしていたなんて話はよく聞く。
その時の心理状態で言えば、見栄を張りたかっただけで味わう事をしていないように思う。
一種の大人の憧れである。