色々な高校を見学するうちに、娘の希望する高校のアウトラインがぼんやりと見えて来た。
そして模試を受けるうちに、学力もわかってきた。
娘の高校の条件
・共学
・全日制の普通科の高校
・制服あり
・家から近い(渋谷、新宿などの大都市を経由した通学は無理。30分圏内)
・不登校お断りではない学校
・偏差値55程度
・生徒も教師も挨拶をしてくれる
できれば
・プールが無いと嬉しい
・土曜が休みだと嬉しい
・校舎が綺麗だと嬉しい
という事だった。
志望校どうする?
娘の場合は、全日制の普通科ならばどこに見学に行っても可もなく不可もなく、まぁ良いんじゃない?という様子。
それなのに、毎週の様に見学に行きたがった。
そして見学に行かない学校は受験しないと言う。
娘なりに安全を確認していたのだろうか。
娘の高校のイメージは、キラキラしていて、青春できる場所。
中3の10月になっても、志望校を決められずにいた。
そんな中、不登校の子に手厚い、配慮があるお勧め校について情報を貰う。
塾からの情報
塾長と面談があり、不登校に手厚い高校、配慮がある学校を、不登校関連の仕事をする友人から聞いて来たと言われる。
全部で4校教えて貰った。
①家からやや遠い全日制私立高校
②家から近い全日制私立高校
③通信制高校
④通信制高校
たまたま②の高校は家から近く、これは良い情報を聞いた、と嬉しかった。
是非見学に行って話して来て下さい、その時模擬試験の結果2回分も持参すると良いですよ、との事だった。
学校からの情報
中学校担任と進路に関して面談があった。
塾で聞いた②の高校について話すと、昨年の三年生で不登校だった子で、模擬試験の結果だけで併願優遇を貰って、入学した生徒がいます、と教えてくれた。
担任が前の面談の時に、推薦と併願優遇はどうしますか?と聞いて来た事がある。その資格がない様な子供にも、確認のために聞かなくちゃいけないのかな、と軽く聞き流していたが、この時、どこか取れる学校はありますか?と聞き返していたら、話は早かったのかもしれない。ご家庭で探してと言われるだけだったかもしれない。
というわけで、いざ、高校見学へ、、、
ところがこの高校には振り回されました。
我が娘の不登校歴は長い。
年間30日以上欠席という定義で言えば、
小1から小4、中2から中3は不登校だ。
小4の頃、毎日、自宅学習を2時間すると決めて、学校の教科書を使って自習していた。
勉強はそれで問題無かった。
自宅学習
その頃より大人になったし、自己管理もできるだろうと、勉強は任せていた。
教科書を読んで勉強するのが難しければ、YouTubeの教育チャンネルを使えば良い。
しかしそれだとペース配分が難しいので、タブレット学習の有料アプリに申し込んだ。
だが、最初の1ヶ月でやらなくなった。
中3の夏前、初めて学校の定期テストで平均点を下回った。
本人も初めて危機感を感じたようで、受験に向けて塾に入る事にした。
塾選び
個別か集団か。
不登校なんだから、集団は無理でしょう?と思いきや、個別は無理だと娘が言う。
中3の夏に集団塾を探す事になった。
上の子が入っていた塾は、テストの点数順に席替えをしたり、先生が塾を休んでいる生徒に授業中の教室から電話を掛け、休んでいられる立場なのか?と見せしめにする様なスパルタ塾だった。
娘にこの塾は違う。
近隣の塾に問い合わせたが、コロナの影響なのか、たまたまなのか、集団クラスでも3人しかいないとか、そんな所ばかりだった。
近所の違う路線の駅で塾を探した所、人数も手頃で、そんなにスパルタではない塾があり、入塾テストを受けて合格した。
カミングアウト
いつ不登校の事を塾に切り出すか?
入塾テストをクリアしたのだから、言う必要はない?
入塾前に不登校なんですって伝えるべき?
娘が早く塾に伝えて欲しいと言うので、入塾手続きの日にお伝えした。
塾長さんは不登校の子を教える経験は少ない様な事を言っていたが、後に、親身になって相談に応じてくれて、情報もくれて、本当に心強かった。
入ってみたら、たまたま隣の区の生徒しかいないクラスだった。
子供達が合唱祭や運動会などの行事の話をしていても、区が違うから話が合わなくて当然、という感じで、塾メイトには最後まで不登校はバレなかったようだ。
頑張った通塾
塾に入って、久しぶりに同じ年齢の子供達の中で過ごした娘。
勉強についていくのは大変だったと思う。
毎回、行きたくない、と言っていた。
5教科で週4日のコースだったが、毎週1日以上は休んでいたと思う。それでも怒られるような事はなく、緩い塾で本当に助かった。
他のお子さん達は、学校の後、夜10時前まで塾に通って、宿題もやって、気力も体力も凄い。
その分、少々ヤケクソ気味で、授業中に大声で話していたり、私でもウンザリするほど騒がしい教室だった。
暑くても寒くても、決まった時間に着替えて、支度をして、重いリュックを背負って家から出る。
娘にとって学校生活を思い出すリハビリになったと思う。
わかってきた学力
模擬試験を何回か受けて、だいたいの偏差値がわかって来たのは10月。
都立入試は5教科、私立は3教科だが、どちらが得意なのか模試の結果がバラついていて、3年の12月まで決められなかった。
全日制以外の選択肢として、通信制高校、定時制高校、専門学校にも見学に行った。
通信制高校
通信制高校は全国に候補がありすぎて、何校か資料請求したものの、文字と写真だけでは比較検討出来なかった。
スクーリングの頻度も、毎日通学できる所から、夏休みだけ、など様々。
学費も書いていない事が多く、どうやって選べば良いのか、さっぱりわからなかった。
唯一見学したのは知り合いのお子さんが通っている通信制の都立高校の学園祭。
それぞれやりたい事が学校の他にあるから通信制を選んでいる、というスタンスの子が多いのか、落ち着いた雰囲気だった。
娘のイメージするキラキラした高校生活とは対極にある感じで、娘の印象は良くない様子だった。
友達の息子さんは普通高校に入学したが、電車通学が苦手で不登校になり、翌年、通信制高校に入学していた。
もしも娘が今通っている高校に通えなくなった時は、家から近い、大学附属高校の通信制に通うのはどうかな、と目星をつけている。
定時制高校
全日制の私立高校と同じ敷地内にある定時制高校の見学に行った。全日制の説明会で中学不登校だと話すと、定時制もありますよ、と勧められたため見学に行った。
登録上の違いだけで、授業の開始時刻も制服も同じ。クラスの人数が少なく、偏差値が少し低いという違いがあった。
朝起きるのが苦手だったり、満員電車が苦手だったりで、始業時刻が少し遅い定時制を選択するのならわかる。または昼間仕事があって、夜学校に通うのもわかる。
この定時制はどういう生徒をターゲットにしているのだろう。少人数の方が落ち着く子達向けなのかな。
娘の場合定時制高校は選択肢に入らなかった。
美術系専門学校
家から近く、知り合いのお子さんも通っているご縁で、施設の見学と卒業展覧会に行った。
施設や設備、講師陣はとても充実していて、美術の他にもeスポーツや声優、演劇など様々なコースがあった。
学習は通信制のN高で学び、専門分野の学習をこの施設で行うという事だった。
つまり専門学校だけれど、高卒の資格が得られる。
展示されている作品を見た娘の感想は、
「どこの学校だってピンキリだよね、上手い人もいれば下手な人もいる。
その子がここで何を学んだかって事だよ。
専門学校に行くのは負けな気がする。
普通の高校でダメだった時、選択肢にする」
との事だった。なんかカッコイイ、と思った。
そこに通っている知り合いのお子さんの学費は年間140万と聞き、そんなに払うのなら、普通高校が良いと思った。
都立高校は基本的に一校しか受験出来ないが、普通科の他、色々な専門分野の高校もあり、沢山の都立高校を見学した。
娘は見学に行ってない高校は受験しない、と言い切っていた。
内申点(中学の成績)がついていれば、学力的にこの都立高校が相応という目安がつくのだが、中学の成績がつかない不登校中学生はターゲットを絞りにくい。結局この都立にしようと決めたのは12月だった。
普通科の都立高校
数えてみたら、家から30分圏内の学校を中心に5校も見学していた。
生徒が案内してくれる学校が多く、生き生きと部活などに取り組んでいる感じと、大学受験に向け自習室で勉強も頑張っている感じで、自分達で作り上げる等身大の青春の香りがして、私は好き。
校舎は古いところが多いが、校舎も教師も中学をそのまま延長したような雰囲気がある。
娘は可もなく不可もなくといった様子で見学していた。
美術科の都立高校
娘は絵を描く事が好きで、数学などの勉強は苦手。
それなら美術分野の勉強を出来る都立高校は最高じゃない?と思って見学へ。
私立の美術系高校はほとんど女子校だが、共学なのも良い。
校内にたくさんの生徒作品が展示されている。
デッサンや立体作品やデジタル作品などどれもレベルが高い。
さぞウキウキしているかと思いきや、娘の持った印象は「ここは美術を学んで美大に入るには最短ルートなんだろうけど、教師が高校の先生というよりも美術講師みたい。もっと生徒と深く関わって人として教育してくれるような先生のいる学校が良い」との事。。。
そういえば娘は小学校でも中学校でも、美術の先生の事が苦手だったな。大人がしっかりと見ていてくれる安心感が必要なのかな。
あっけなく候補から消え去った。
総合学科の都立高校
元工業高校だった名残のある総合高校へ、ものづくりの好きなお友達に誘われて見学へ。
陶芸室があったり、美大受験に向けて美大毎の対策講座が開催されていたり。
施設や授業が充実していて、楽しそう。
しかし娘はここもピンとこなかった様で、家から遠いから嫌だ、とまたまたあっけなく候補から消し去った。
工業科の都立高校
またまたものづくりの好きなお友達に誘われて見学へ。
デザイン科やクラフト科などあり、見学時には授業で校内のスタジオで生徒達がモデルになったりカメラマンになったりして撮影をしていた。楽しそうなカリキュラムと生徒達。施設、設備が充実していてワクワクした。ここには少し興味を示していたが、家からも距離があり、偏差値と倍率も高めだった。
不登校向け都立高校
都立高校には不登校経験者だったり、学力に遅れがある生徒向けの学校もある。
チャレンジスクールやエンカレッジスクールという分類のようだ。
家から通い易い学校が無かったのと、学力にさほど遅れがない事、普通の学校に行きたい希望が強かったことから、見学には行かなかった。