術前抗癌剤が効かないため、急遽手術が決まった。
タキソールを投与していても、しこりは2週間で3mmも大きくなっていた。
手術までは体力を戻すため、無治療になる。
手術までにしこりはどこまで大きくなってしまうんだろう。
癌がズキンズキンと痛む。
まるで、1秒毎に大きくなっているかのようだ。
反対側の胸まで痛み出した。
不安な日々だった。
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入院の1週間前に、検査を行いにT病院へ。
<血液検査>
耳から血を出して、止まる時間を確認する。
腫瘍マーカーを4種類測る。
<CT検査>
薄めたバリウムを飲んで、CT室へ。
FECで血管が痛んでいるので、造影剤を注射するための針が刺さらない。
何度も針を刺して失敗してから、うまい人が登場する、っていうパターンは止めて欲しい。
最初からうまい人に刺してほしい。
横になり、近未来的なドーナツ型装置でスキャンされる。
造影剤投与。カーッと体中を駆け巡る。
あ、これこれ。がんも血流に乗って体内を駆け巡っているんだろうよ、とまた思う。
そして検査終了。
立とうとすると足がガクガク震えている。
造影剤の副作用ですか?と聞くと、緊張と寒さと空腹からきていて、低血糖になっているんだと思うから、暖かいココアとか飲んでください。と言われる。やれやれ。
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K先生の診察室へ。
<CTの結果>
反対側の胸には何も映っていないから大丈夫です。
そう言われただけで、それ以降、反対側の胸の痛みが消える。
病は気からなんだな、と感じる。
そして、リンパへの転移も見えなくなっている、とのこと。
さらに。CTではがん細胞は白く映る。
でも私の乳がんは中に黒い部分があるとのこと。
これは内部壊死というそうで、がん細胞の中身の一部が死んでいる可能性があるとのこと。
手術時にしこりを割ってみるとわかるそうだ。
絶望の1週間を過ごした私には、この言葉は救いになった。
「~可能性があります。」先生はとても控えめな表現をした。
可能性があるだけで、実は違うかもしれない。
でも、確かなことが分かるまで、この言葉を信じよう。
摘出してみて違ったら、その時また落ち込もう。
もし、内部壊死だったら、中止した抗癌剤を手術後に再開するとのこと。
タキサン系の抗癌剤も効果があったのかもしれない、と判断するそうだ。
乳癌世界標準治療コースに戻れる可能性があるの?と心底ホッとする。
普段の私の思考パターンは、最悪のケースを考えておいて、実際は思っていたほど悪くなかった、と喜ぶものだった。
でも、このときは正反対。
入院までの1週間は、先生の言葉を信じ、前向きに過ごすことができた。
医者の一言は本当に大事だな、と思う。
<腫瘍マーカー>
4種類のマーカーを試したが、いずれも標準値だったそうだ。
癌がある状態で測定しても、標準値を示している、ということは、私の乳癌は再発・転移しても血液検査では確認できないということになる。
つまり、発見が遅くなるんだろうか?
定期的に画像診断するしかないようだ。
また一つ、不安要素が追加された。
<乳癌関連の出費>
【今回の治療費】 11,520円(3割自己負担)
【治療費の総額】380,860円(治療開始から6.5ヶ月)