どうも、タカ先生です。
皆さんはゴールデンウイークをいかがお過ごしになったでしょうか?
先生はなんと有給休暇を2日ぶち込んで、9連休でした!
なので、今日はまったく仕事をする気が起きません!(キリッ)
こんなことを言うと、ダメ人間に聞こえてしまいますが、世の中には必ず、上には上がいます。
今、仕事でカンボジア人とやり取りをしているのですが、彼女いわくカンボジア人は連休の前後3日間は仕事をまともにしないそうです。
「後」だけではなく「前」もですよ!? しかも、3日間!?
9日間の連休なら15日間と、半月は仕事にならないわけですよ。どおりでメールがいつまで経っても返ってこないわけだ(涙)
なので、連休明けの初日に多少使い物にならなくてもバチは当たりません!(キリッ)
日本人は働き過ぎです "o(=`д´=)
さて、前回のブログでは、『線路は続くよどこまでも』という日本の誰もが知っている歌が、実はアメリカ民謡だと言うことを学びました。
さらに、それはアメリカ大陸横断鉄道の線路を敷いた労働者たちの労働歌から生まれたということも学びましたね。
実はこの歌、日本に入ってきた当初は『線路の歌』と題名が付けられ、どちらかと言えば原曲に近いニュアンスで、津川圭一という方によって歌詞が付けられました:
線路の仕事は いつまでも
線路の仕事は はてがない
汽笛のひびきがなりわたれば
親方はさけぶ ふきならせ
つらい仕事でも しまいには
つらい仕事でも はてが来る
汽笛のひびきがなりわたれば
つるはしをおいて 息絶える
息絶える!? Σ(゚ロ゚」)」
な、なんと、原曲以上にブラックな歌詞だ(汗)
こんなブラックな歌を子供の童謡として紹介できるわけがない!こんなの過労死を称賛している歌じゃないか!?
それでは、現在みんながよく知っている『線路は続くよどこまでも』は、いつできたのでしょうか?
どうやら1962年に、佐木敏の作詞による同曲が、NHKの『みんなのうた』にて放送されたのが最初のようです。
そして、the rest is history(その続きは有名な話/言うまでも無い)!
しかし、日本の皆さんに知られていないのが、原曲 “I’ve Been Working On the Railroad” の二番と三番です。
そして、二番以降はまるで別の歌ではないかと思えるくらい、急にアップテンポになって次のように歌いますが、日本語ではその一部を「ラララ」で歌われています:
ラン ララン ラ ラン ラン ラーン ラン
Someone's in the kitchen with Dinah
(誰かがダイナとキッチンにいる)
ラン ララン ラ ラン ラン ラン ラン ラン ラン
Someone's in the kitchen I kno-o-o-ow
(誰かとキッチンにいる、オレにはわかるぅ、う、う、う)
ラン ララン ラ ラン ラン ラーン ラン
Someone's in the kitchen with Dinah
(誰かがダイナとキッチンにいる)
ラン ララン ラ ラン ラン ラン
Strummin' on the old banjo!
(古いバンジョーを鳴らしながら!)
※ここから日本語の歌にはないメロディー
Singin' fi, fie, fiddly-i-o
(歌っている、フィ、ファイ、フィドリ、アイ、オウ)
Fi, fie, fiddly-i-o-o-o-o
(フィ、ファイ、フィドリ、アイ、オウ、オウ、オウ、オウ)
Fi, fie, fiddly-i-o
(フィ、ファイ、フィドリ、アイ、オウ)
Strummin' on the old banjo!
(古いバンジョーを鳴らしながら!)
???
何か展開が唐突過ぎませんか?
歌の一番は、危険で過酷な線路を敷く作業を、労働者たちが明るく歌い飛ばしていた歌だったのに、ここで急に「キッチン」が出てきます。
しかも、一番の歌詞ではDinahは汽車を指していたのに、ここでは明らかに「女性」を指しています。しかも、Dinahといるバンジョーを弾いている「誰か」とは一体誰なのか!?
ちなみに、「バンジョー」とは奴隷だった黒人たちが、アフリカの楽器や既存の弦楽器を参考に生み出したアメリカの弦楽器で、フォークソングには欠かせない存在です。
さて、ここで謎を一つずつ整理してみましょう:
- 一番では、Dinahは汽車の名前だったのに、二番以降は女性の名前になった。
- 場面は急に「キッチン」へと変わり、これが「汽車内の厨房」なのか、どこかの「家の台所」なのかがわからない。
- Dinahはバンジョーを弾いている誰かと一緒にいる。
- 歌い手には、Dinahたちの姿は見えないが、バンジョーが聞こえる距離にいる。
- fi, fie, fiddly-i-oはバンジョーを弾いている音である。
ここまででも十分頭の中にハテナが浮かぶのに、さらに三番でわけがわからなくなる:
Someone's makin' love to Dinah
(誰かがダイナと愛し合っている)
Someone's making love I kno-o-o-ow
(誰かと愛し合っている、オレにはわかるぅ、う、う、う)
Someone's making love to Dinah
(誰かがダイナと愛し合っている)
'Cause I can't hear the old banjo
(なぜなら、もう古いバンジョーが聞こえないからさ)
???
何、この急展開!?
(」゚ロ゚)」おぉ(。ロ。)おぉΣ(゚ロ゚」)」おぉ「(。ロ。「) おぉ~
おいおいおい!
もしかして、旦那が身を粉にして一日中働いてきたのに、奥さんはバンジョー弾きと不倫していたのか!?
どんだけブラックな歌だよ、これ!?(lll-ω-)
さて、英語版のウィキペディアによると、この"Someone's in the kitchen with Dinah"という一節は、"Old Joe, or Somebody in the House with Dinah(老いたジョー、あるいは誰かがダイナと家にいる)" という歌の一部分を借用したようです。
ちなみに、この歌は1830年代か40年代に、ロンドンでJ.H. Caveという人が発表した曲だそうです。
また、メロディに関しては1847 年に E. P. Christyによって書かれた "Goodnight, Ladies" という曲のサビが使われたのではないかと言われています ↓
こうして聞いてみると、確かに似てますね……
いや、てか、途中は完全に『メリーさんの羊』でしょ!?
あるいは、メリーさんが後からパクったのか!?
いつの時代も歌っていうのは、パクリパクられの世界なんですね?(笑)
最期に、Dinahというのは当時、女性の黒人奴隷のgeneric name(総称、一般名)だったそうです。
なので、この歌詞を解釈している人の中には、これは「黒人女性がレイプされているのでは?」と考える人もいます。
では、レイプしているのは誰かと言えば、バンジョー弾きの白人、もっと言えば奴隷の主人だったのではないでしょうか?
うーん、知れば知るほど謎は深まるばかりですね…
ただ、“I’ve Been Working On the Railroad” は誰か一人によって作られた歌ではないので、ただ響きのいい歌詞をつなぎ合わせただけで、特に深い意味はなかった、とも考えられます。
皆さんはどう思われますか?
例え元の歌詞を知った後でも、先生は相変わらず日本語の『線路は続くよどこまでも』という歌は、元気が出るいい歌だと思います。
娘の「おうたえほん」にも収録されている曲で、今でも家で歌っています。もっと大きくなってから、娘にこのブログで語った内容を話したいと思います。
さて、次回はインディアンにまつわる歌の話をしましょうか。
おっと、今は「インディアン」と言ってはいけなかったでしたね?
Politically correct(道徳的に正しい/政治的に正しい)な表現をするならNative American(先住アメリカ人)でした。
続きは次回のブログで。